グーグル、マレーシアにデータセンターとクラウド拠点設置きょてんせっち　約やく3100億円規模おくえんきぼ

グーグルは、グレーター・クアラルンプールに位置いちし、マレーシアの不動産会社ふどうさんがいしゃサイム・ダービー・プロパティが運営うんえいするエルミナ・ビジネスパーク内ないに、データセンターおよびクラウドサービスの「拠点きょてん（リージョン）」を設置せっちする。データセンターは、Google検索けんさく、Googleマップ、Google Workspaceなど同社どうしゃのデジタルサービスの提供ていきょうのために用もちいられ、クラウド拠点きょてんは、セキュリティ、データレジデンシー（データを保存ほぞんする地理的ちりてきな場所ばしょ）、高たかいコンプライアンス基準きじゅんなどを大企業だいきぎょう、スタートアップ、公共機関こうきょうきかんなどに提供ていきょうするための拠点きょてんとして位置いちづけられる。

グーグルの親会社おやがいしゃであるアルファベットのルース・ポラット最高財務責任者さいこうざいむせきにんしゃ（CFO）は声明せいめいで、「当社とうしゃにとって初はつとなるマレーシアでのデータセンターとグーグル・クラウド・リージョンの開発かいはつは、グーグルが13年間ねんかんビジネスを行おこなってきた同国どうこくにおいて、これまでで最大さいだいの投資計画とうしけいかくとなります」と語かたる。

「この投資とうしは、私わたしたちとマレーシア政府せいふとのパートナーシップに基もとづくものであり、最高水準さいこうすいじゅんのサイバーセキュリティ基準きじゅんなどを含ふくむ、同国どうこくの『クラウドファースト・ポリシー』を推進すいしんするためものです」

マレーシアのザフルル・アジズ国際貿易こくさいぼうえき・産業相さんぎょうしょうは、グーグルによる今回こんかいの投資とうしは、同国どうこくの中長期的ちゅうちょうきてきな産業政策さんぎょうせいさくの方針ほうしんである「新産業しんさんぎょうマスタープラン（NIMP）2030」を推進すいしんするものだと話はなす。「私わたしたちはまた、マレーシア国民こくみんのデジタルスキル、ビジネス、キャリアの成長せいちょうを促うながし、強固きょうこな人材じんざいエコシステムの発展はってんに寄与きよするという、グーグルの計画けいかくを高たかく評価ひょうかしています」

グーグルは、学生がくせいや教師きょうしのAIリテラシーを育成いくせいし、マレーシア人じんによるデジタルスキルの活用かつようを後押あとおしするための2つのプログラムを発表はっぴょうした。最初さいしょのプログラムであるGemini Academy（ジェミニ・アカデミー）は、教師きょうしがGeminiのような生成せいせいAIツールを使つかえるようにするためのものである。2つ目めのExperience AI（エクスペリエンスAI）では、11歳さいから14歳さいまでの生徒せいとを対象たいしょうにしたAIに関かんする授業じゅぎょうを、ジェミニ・アカデミーで教育きょういくを受うけた教師きょうしたちが提供ていきょうすることを後押あとおしする。

昨年さくねん11月がつ、マレーシア政府せいふとグーグルは、AIとクラウド技術ぎじゅつを活用かつようしてマレーシア人じんと地元企業じもときぎょうに成長機会せいちょうきかいを創出そうしゅつするための協定きょうていを結むすんでいた。

マレーシアの大物企業おおものきぎょうもデータセンターの開発かいはつを進すすめている。インフラ開発かいはつを手てがけるガムダは、エルミナ・ビジネスパークにデータセンターを建設けんせつする17億おく4000万まんリンギット（約やく580億円おくえん）規模きぼの大型契約おおがたけいやくを獲得かくとくした。また、サイム・ダービー・プロパティは、提携先ていけいさきのパール・コンピューティングと共同きょうどうで、全体ぜんたいで609万平方まんへいほうメートルもの広ひろさをもつエルミナ・ビジネスパーク内ないに、およそ19万平方まんへいほうメートルのデータセンターを建設けんせつする。加くわえて、マレーシアで電気でんきや通信つうしんなどのインフラを提供ていきょうするYTLパワーは、エヌビディアと提携ていけいし、シンガポールに隣接りんせつするマレーシア南部なんぶのジョホール州しゅうに、AIを搭載とうさいしたデータセンターを建設けんせつした。