(1)二つのものにはさまれた, あいている部分。 中間。
「駅から家までの~に停留所が二つある」「本の~にしおりをはさむ」「雲の~から月が見える」「体重は常に五〇キロから五五キロの~だ」
(2)ある範囲によって限られた一続きの時間。
「七時から八時までの~に食事をとる」「夏休みの~にまとまった仕事を片付ける」「勉強している~に夜が明けた」「長い~かかって作品を仕上げる」
(3)ものとものとを隔てる空間, または時間。 間隔。 へだたり。 ま。
「二, 三〇センチの~を置いて苗を植える」「行(ギヨウ)と行との~をあける」「~を置いて雷鳴が聞こえる」
(4)相対する二つの対象の関係。
「日本と西欧の~には, 歴史や文化に大きな相違がある」「横綱と大関の~にはあまり力の差はない」
(5)複数の事物が構成する一つのまとまり。
「政治家の~では常識だ」「生徒の~に流行している遊び」
(6)人と人, ものとものの関係。 間柄。 仲。
「二人の~は親も認めている」
(7)二つのものの平均。 中間。
「双方の主張の~をとって」
(8)大体の範囲。 およその見当。 あたり。 頃。
「やうやう, 朱雀の~に, この車につきて/平中25」「五六歳に成る~, 泥土を以て仏の像を造り/今昔 11」
(9)二つの事物のうちどちらか。
「宮中の大臣共を召されて鹿・馬の~を御尋ね候べし/太平記26」
(10)(形式名詞)
活用語の連体形に付いて, 接続助詞のように用いる。 記録体・和漢混交文に多く用いられた。 (ア)単に前の叙述を後の叙述に続ける。 ところ。
「鹿を射むと思て待ち立てりし~, 俄(ニワカ)に虎来て喰らはんとせし時/今昔 1」(イ)前の叙述が後の叙述の理由・原因であることを表す。 ゆえに。 「後に, さかしき人々書きいれたる~, 物語多くなれり/宇治拾遺(序)」
<i>~に立・つ</i>
対立する両者の間に入って, 交渉や話し合いのとりまとめをする。 仲介する。