政府の担当者は「事前の事務レベルの調整段階では、インドから同意が得られていたが、昨夜になって『受け入れられない』と伝えられた」と説明しています。政府は、経由地を再検討するなど、計画を見直すことにしています。
そのうえで、マリウポリやハルキウ、それにミコライウなど東部や南部の複数の地名を挙げつつ、各地で前線に立つ人々に感謝しました。 また、武器の補充のため、一丸となって尽力しているとしたうえで、「各国は、私たちがいままさに、何を必要としているかを以前と比べ、よく認識しつつある」と述べ、ロシア側からの攻撃がいっそう激しくなると見られる中、ただちに、さらなる支援を実施してほしいと各国に求めました。
この高官によりますと、ロシア軍の部隊が東部ハルキウ州のイジュームからさらに南下して東部ドネツク州のクラマトルスクなどに向けて移動しているのが確認できるとしています。 ウクライナ軍の東部の拠点となっているクラマトルスクは交通の要衝となる鉄道の駅があり、今月8日には多くの市民が避難のために駅に集まる中、ミサイル攻撃が行われ市民に犠牲者が出ました。 またロシア軍はイジュームの周辺や東部の要衝マリウポリなど、ウクライナ東部と南部の地域に爆撃機などを投入して集中的な空爆を行っているとしています。
ロシア国内の物価上昇のスピードは、一時、大きく値下がりした通貨ルーブルが軍事侵攻前の水準に値を戻していることを背景に、徐々に鈍化しています。 ただ、ロシアの会計検査院のクドリン長官は「ことしの物価上昇率が17%から20%の範囲になる可能性がある」という見解を示していて、市民生活や経済活動への影響が続く見通しです。
このうち、ロシアの民間銀行「トランスキャピタルバンク」は制裁対象となった顧客に対し、制裁による取引の制限を回避するため、国際的な決済ネットワーク「SWIFT」に代わるインターネット上の独自の取引システムなどを提供したとされています。 ブリンケン長官は声明の中で、引き続き、制裁回避を阻止していく姿勢を強調したうえで「われわれは国際的なパートナーと緊密に連携しながら、制裁によってロシアの軍事侵攻を続ける力を弱体化させていく」としています。
地下貫通弾は「バンカーバスター」とも呼ばれ、厚いコンクリートなどを突き破ったあとで爆発を起こし、地下施設などを破壊する、特殊な爆弾です。 そのうえで「世界は子どもたちが殺されるのを見ながら、沈黙を保っている。指導者たちは避難ルートを設けることで、これを止めることができる」として、製鉄所内に残る民間人の避難の実施を訴えました。 さらに、ポドリャク大統領府顧問は、東部の要衝マリウポリの状況について、20日、ツイッターに投稿し「マリウポリで交渉のための特別な会合を無条件で直ちに行う用意がある。アゾフ大隊や兵士、民間人、子どもたち、生存者、けが人、全員を救うためだ」として、ロシア側と交渉する用意があることを明らかにしました。
会議では、ウクライナ情勢が世界経済に与える影響が議論され、多くの参加国は軍事侵攻がもたらす人道危機と世界経済に及ぼす影響を懸念し、侵攻を今すぐやめるよう求めたということです。 これに対し、オンラインで出席したロシアのシルアノフ財務相は「ロシアに対する制裁がすでに生じていたインフレ圧力を強めているだけでなく、経済の新たなリスクになっている」などと述べ、欧米などによる経済制裁を批判しました。 会議に出席したイギリスのスナク財務相は、ツイッターへの投稿で、ロシアの代表が発言する際、アメリカやイギリスなど、複数の国の代表が席を立ったことを明らかにし、異例の展開となりました。 また、議論の成果をまとめる共同声明も採択されず、対立の構図が鮮明になりました。 インドネシアのスリ・ムルヤニ財務相は、閉幕後の記者会見で「軍事侵攻が世界経済の回復をより複雑にしており、感染症への対応や気候変動などへの努力を阻害しているという見方は参加国の間で共有された」と述べました。
これについてカービー報道官は20日、記者団に対し「ウクライナは他国から航空機そのものは受け取っていなかった」と述べて、先の発言を訂正しました。カービー報道官は、他国から航空機を供与するとの申し出があり、実際に行われたと考えていたものの、まだ実現しておらず、間違いだったと説明しました。 一方、航空機の部品はウクライナ側に供与されたとしたうえで、これによって運用可能な戦闘機を増やすことができたと説明しました。
会談後、記者会見したゼレンスキー大統領は、EUがすでに表明した15億ユーロ、日本円で2000億円余りの軍事支援に感謝の意を示したうえで「ウクライナが必要としている兵器を手に入れるために使うことで合意した。手遅れにならないうちにこれらの兵器が必要だ」と述べました。 また、ロシア軍が攻勢を強める東部マリウポリをめぐって、状況を打開するには、ウクライナ側が十分な兵器を得るか、外交を通じての2つの方法があるとしたうえで「今のところ、われわれには十分な兵器がない。また、ロシアは平和的に解決する用意ができていない」と述べ、打開の見通しが立っていないとの認識を示しました。 そして、ロシア大統領府の報道官が停戦交渉をめぐる草案をウクライナ側に提示したと述べたことについては「そのようなものは聞いていないし、見てもいない。彼らからは何も渡されていないと確信している」と述べました。
国連のデュジャリック報道官によりますと、グテーレス事務総長は19日、ニューヨークにあるロシアとウクライナの国連代表部に書簡を送り、双方に対し「ウクライナに平和をもたらすための緊急の措置と、国連憲章や国際法に基づく多国間主義の未来について議論したい」と伝えたということです。 ロシアがウクライナに軍事侵攻して以降、グテーレス事務総長は、停戦の実現に向けて仲介の役割を果たす考えを繰り返し強調していて、19日には、正教会の復活祭に合わせて21日から4日間の人道的な停戦を呼びかけました。
マリウポリのボイチェンコ市長は、地元メディアに対し、20日におよそ6000人の市民を90台のバスを使って避難させる計画だと明らかにしていました。 ベレシチュク副首相は「占領者たちが停戦を守らず、われわれがバスや救急車を待機させている地点まで人々を輸送できなかった」とロシア軍を非難したうえで、翌日、改めて取り組む考えを示しました。
このうち、南部の都市、カトヴィツェでは、大学の寮に避難所が設置され、20日の時点でウクライナから400人以上が避難しています。避難してきた人たちは、家族や知人などと同じ部屋で寝泊まりしていて、建物の入口で食料などを受け取っていました。 近所の人とともに東部ハルキウから避難した52歳の女性は「ポーランド語を話せないのと、何も仕事が見つからないので困っています。できるだけ早くこの戦争が終わってくれることを願っています」と話していました。8歳の息子と姉とともにハルキウから避難した30歳の女性は「ポーランドの人が親切にしてくれて、とても感謝しています。ただ、夫がまだハルキウに残りボランティア活動をしていて、いつか殺されてしまうのではないかと心配でなりません」と話していました。
これについて、世界の主要な金融機関の代表などでつくる「クレジットデリバティブ決定委員会」は、20日、潜在的なデフォルト=債務不履行にあたると判断しました。 今回の国債の利払いなどには30日間の猶予期間があり、それまでにドルによる支払いがなければ、デフォルトと判断されるとみられています。
調査は、3月17日から22日にかけて電話で行われ、全国の18歳以上の男女1000人から回答を得ました。それによりますと、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について日本が特に力を入れるべき措置を複数回答で聞いたところ、「G7をはじめとする国際社会との連携強化」が64.6%、「避難民の受け入れの推進」が63.7%などとなった一方、「ロシアとベラルーシへの制裁措置の強化」と答えたのは41.6%でした。
モスクワのクレムリンで発射実験の映像とともにオンラインで報告を受けたプーチン大統領は「現代のあらゆるミサイル防衛を突破することができる。ロシアの安全保障を強化し、わが国を脅かそうとする人々に再考を促すだろう」と述べて軍事力を誇示し、対立を深める欧米を強くけん制しました。
地域別でみると、 ▼キーウ州や東部のハルキウ州、北部のチェルニヒウ州、南部のヘルソン州などで1399人、 ▼東部のドネツク州とルハンシク州で825人の 死亡が確認されているということです。 また、けがをした市民は2897人に上るとしています。 しかし、ロシア軍による激しい攻撃が続いている東部のマリウポリなどでの死傷者の数について、国連人権高等弁務官事務所は、集計が遅れていたり、確認がまだ取れていなかったりして、今回の統計には含まれていないとしていて、実際の死傷者の数はこれを大きく上回るとの見方を示しています。
マツォーキン副市長は「イジュームはロシア軍によって占領された。われわれは常に攻撃されていた。市内中心部の80%は破壊されたほか、収容できない遺体が2週間にわたって放置されたままだった。複数の病院が攻撃され、どれくらいの人々が亡くなったか把握できていない」と述べました。 そして「5万人いた住民の中にはすでに避難した人もいるが、今も1万3000人から1万5000人が取り残されている。1か月半以上、電気、水道、ガス、通信などが寸断されていて、人々は、川の水を生活用水として利用している」と現地の状況を語りました。
ゼレンスキー大統領「東部と南部 依然として厳しい状態」
⇒最新の戦況地図はこちら https://www3.nhk.or.jp/news/special/ukraine/
米高官「東部でロシア軍が戦力増強の動き」
ロシア 物価上昇続く“17%から20%の上昇率になる可能性”
米国務長官 ロシアに追加制裁発表 40超の個人や団体の資産凍結
ウクライナ大統領府顧問「製鉄所に地下貫通弾による攻撃」
G20閉幕 ロシア代表の発言時 米英などが席を立つ異例の展開
米国防総省 ウクライナ軍事支援「航空機は受け取っておらず」
ゼレンスキー大統領 停戦交渉の草案 “聞いても見てもいない”
国連事務総長 “停戦へロシアとウクライナ訪れ話し合いたい”
ウクライナ副首相 “人道回廊 きょう計画どおりに機能せず”
ポーランド 400人以上が避難している都市では
ロシアのドル建て国債 ルーブル払いは“債務不履行”
ロシアなどへの制裁強化との回答は4割 外務省実施の世論調査
ロシア 大陸間弾道ミサイル「サルマト」の発射実験に成功
国連人権高等弁務官事務所 “少なくとも2224人の市民が死亡”
イジュームの副市長「人々は川の水を生活用水として利用」
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる21日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
政府 救援物資の輸送計画見直し 経由地インドの同意得られず