また「ウクライナ東部、ドンバス地域の東側で激しい砲撃と戦闘が続いている」としたうえで「ロシアは新たな戦力を投入しているが、紛争が開始した当初に受けた損害の影響が残っている。消耗した戦力を回復させるため使用できなくなった装備をロシアに送って修理している」としています。
このうち177人は子どもだとしています。 地域別でみると、キーウ州や東部のハルキウ州、北部のチェルニヒウ州、南部のヘルソン州などで1415人、東部のドネツク州とルハンシク州で930人の死亡が確認されているということです。 また、けがをした市民は2919人にのぼるとしています。 しかし、ロシア軍による激しい攻撃が続いている東部のマリウポリなどでの死傷者の数について、国連人権高等弁務官事務所は、集計が遅れていたり、確認がまだ取れていなかったりして今回の統計には含まれていないとしていて、実際の死傷者の数はこれを大きく上回るとの見方を示しています。
このコンサートは、ウクライナの「キーウ交響楽団」がウクライナから避難した多くの人たちを受け入れているポーランドのワルシャワで21日、開きました。 キーウ交響楽団は、ロシアによる侵攻を受けて多くの楽団員やその家族が避難を余儀なくされましたが、コンサートツアーで世界にウクライナへの支援を呼びかけようと、ワルシャワで準備を続けてきたということです。 コンサートでは、ウクライナを代表する作曲家、ボリス・リャトシンスキーの交響曲やポーランド人作曲家の作品などが演奏され、祖国を思う音色に会場に集まった観客は聞き入っていました。 キーウ交響楽団はこのあと来月にかけてドイツ各地でコンサートを開催する予定だということです。
また、侵攻が始まって以降、避難のためのバスや集合場所をロシアが繰り返し攻撃してきたとし「この2日間も、彼らは、バスを90台送ると言ったが、実際に到着したのは7台だった」とロシア側の対応を非難しました。 そのうえで「残っている人の命はウラジーミル・プーチンたった1人の手の中にあることを理解することが重要だ」と述べ、プーチン大統領に対し、市民の避難を決断するよう、呼びかけました。 また、ボイチェンコ市長は、マリウポリ郊外の集団墓地を撮影したとする画像について、ロシア人が虐殺を隠蔽しようと遺体を埋めている証拠だと訴えました。
また、激しい戦闘が続いている東部と南部の戦況について「占領者は、何かしらの勝利を主張するための根拠作りのためあらゆることを行っている。彼らは戦力を増強し、新しい部隊をわが国に移動させている」と分析し、国民に団結を呼びかけました。
会合はオースティン国防長官が主催し、ロシア軍が攻撃を強める東部地域の戦況やウクライナへの安定した軍事支援の取り組みのほか、長期的なウクライナの防衛強化についても議論するということです。 カービー報道官は「世界中から関係者を集め、ウクライナの防衛に必要なことを話し合うのが目的で、ウクライナの安全保障と主権が長期間、尊重され、発展することを確かなものにすることが重要だ」と述べました。
先月19日から今月の3日までに撮影された5枚の画像には、空き地の道路側にざんごうのようなものが掘られ、少しずつ拡大している様子が写されていて「マクサー・テクノロジーズ」によりますと、長さ85メートルほどの墓の列が4つ確認できたということです。 これについて、マリウポリ市長の顧問、アンドリュシェンコ氏は「ロシア軍が市民の遺体をトラックで運び、遺棄した。戦争犯罪を隠蔽しようとしている」と非難しているほか、マリウポリ市議会は「ロシア軍は3000人から9000人の遺体を埋めた可能性がある」とSNSに投稿していて、多数の遺体を埋葬していた可能性があると指摘しています。
先月、5歳の長女とともに松戸市の親族のもとへ避難してきたクリスさん(33)は、ビザを取得して今月から都内の大手ディスカウントストアで働くことになっています。 この日本語学校は、ウクライナから避難してきた人を支援しようと無料で日本語を教えていて、クリスさんは五十音を順番に発音したり、ひらがなを書いたりしていました。
クリスさんに日本語を教えている「めいと日本語学院」の小松原祥一校長は、「ことばが通じないと仕事や生活するうえで大変なので、しっかりサポートしたい。ほかにも受講を希望する避難者がいればできるかぎり受け入れたい」と話していました。
ゼレンスキー大統領もオンライン形式で参加し、「ロシア軍は鉄道や食料倉庫、石油精製所など生活の基盤となるあらゆるものの破壊を目的としている。この経済的な損失を補填(ほてん)するために毎月70億ドルが必要で、今後のすべての復興には数千億ドルがかかる」と述べ、大規模な支援を要請しました。 これに対して、世界銀行のマルパス総裁は「交通、輸送、電力などインフラの再建が急務だ」と述べたほか、IMFのゲオルギエワ専務理事も「ウクライナ政府が公共サービスを続けられるよう支援する」と回答しました。 世界銀行とIMFはロシアによる軍事侵攻の直後からウクライナへの資金支援を続けていますが、今回の要請を受けて追加の支援を検討することにしています。
会談の冒頭、オースティン国防長官は、バイデン政権としてウクライナへの追加の軍事支援を行うことを決めたと伝えたうえで、「新たな支援はロシア軍がウクライナ東部で展開している見境のない攻撃に対抗するためのものだ。ウクライナの自衛に対するわれわれの支援は揺るがない」と強調しました。 これに対してシュミハリ首相は、アメリカによる軍事支援に謝意を示したうえで「この戦いを早く終わらせるにはより強力で近代的な兵器が必要だ」と述べました。 そのうえで「ロシアはウクライナの南部と東部で都市を砲撃し続けている。われわれには兵器の継続的な供給が必要で、アメリカを頼りにしている」と述べて、継続的な軍事支援を求めました。
この中には、アメリカのハリス副大統領や国防総省のカービー報道官、国務省のプライス報道官といったアメリカ政府高官のほか、フェイスブックから社名を変更したメタのマーク・ザッカーバーグCEOなど民間企業のトップが含まれています。 そのうえで、ロシア外務省は今後もこうした報復措置の対象を拡大していくと警告しました。 ロシア政府は、先月にもアメリカのバイデン大統領やブリンケン国務長官、オースティン国防長官らを入国禁止にすると発表しています。
この高官は、ロシア軍はこの24時間にもマリウポリへの空爆を行っており、地上部隊を撤収させる具体的な動きもみられないとして、「ロシア側は今もマリウポリに集中していると評価している」と述べました。 また、ロシア軍が攻撃を強めるウクライナ東部では、ロシア軍部隊がハルキウ州のイジュームからドネツク州に向けて南下する動きを続け、ウクライナ側がこれに抵抗しているということです。 そのうえで、この高官は、東部地域では戦闘が続いているものの、ロシア側、ウクライナ側ともに「大きな成果は見られない」と指摘し、一進一退の攻防が続いているとの認識を示しました。 一方、この地域にはロシア軍の地上部隊が引き続き追加で投入されていると指摘し、ロシア側が軍事作戦を行いながらさらなる戦力の増強と態勢の整備を続けているとの認識を示しました。
このなかでゼレンスキー大統領はロシア側が掌握したと主張している東部の要衝マリウポリについて、「市のほとんどが掌握されていることは知っているが、まだ一部にはわれわれの部隊が残っている」と述べて、ウクライナ側が抵抗を続けていると主張しました。 そのうえで「12万人近くの市民が市内に取り残されているとみられる」として市民の避難の必要性を訴えました。 一方、会見ではデンマークのフレデリクセン首相が9000万ドルにのぼる追加の軍事支援を表明したほか、スペインのサンチェス首相も軍事物資をウクライナに追加で供与すると明らかにしました。
インタビューに応じたのは、ウクライナ側の部隊や市民がとどまっているマリウポリの製鉄所に28年間勤務しているドミトリー・ドロズドさん(48)です。 ドロズドさんはロシアによる軍事侵攻が始まった直後の2月28日まで製鉄所に出勤していましたが、ロシア軍の攻撃が激しくなったことから、マリウポリ市内で避難し、今月6日に母親などとともにリビウに逃れてきました。 インタビューで、ドロズドさんは「同僚たちに電話をかけ続けているが、マリウポリにいる誰とも連絡がとれない」と述べ同僚の安否を心配していました。 また、製鉄所についてドロズドさんは、複数の地下シェルターがあり、ロシア軍に包囲される前は食料や水、発電機などが十分にあったことを明らかにしたうえで「従業員たちが避難した製鉄所のシェルターは、非常に頑丈だ。私はウクライナの勝利を信じている」と話し、ロシア側に簡単には制圧されないとの見方を強調しました。 そして、「すぐに帰ることはできないと思うが、ウクライナがマリウポリを取り戻したら、必ず戻り、私たちの製鉄所を再開させたい」と話しました。
さらに、市内には今も10万人の市民が残っていて、このうちウクライナ側の部隊が拠点としてきたアゾフスターリ製鉄所には、「300人から1000人の市民が避難しているとみられる」と話し、多くの人が避難を待っていると訴えました。 また、マリウポリ市長の顧問は21日、SNSで、「製鉄所などで今もロシア軍による攻撃が続いている」と述べました。
ロシア国営メディアなどによりますとアレクペロフ氏は、1993年にルクオイルの社長に就任し、政権とのつながりを利用して巨万の富を築いた「オリガルヒ」の1人として知られていました。 ルクオイルは、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始したのを受けて、先月声明を発表し「ウクライナで起きている悲劇に懸念を表明する」としたうえで、「武力紛争の早期終結を望み、交渉と外交による解決を全面的に支持する」と表明しました。 ロシアの主要企業がプーチン政権に否定的な立場を発表するのは異例です。 ルクオイルはアレクペロフ氏の辞任の理由について明らかにしていません。
人口の17.5%を占め、前回公表された今月1日時点と比べて、56万人余り多くなっています。 避難先としては最も多いのがリビウなどがある西部の地域で、全体の37%を占める285万2000人が避難しているということです。 調査では、避難している人に必要な支援を尋ねたところ、「資金面の支援」を答えた人が最も多く、「医薬品と医療物資」が続いています。 一方、避難先から戻った人たちは17日時点の推計で277万5000人に上るということです。
国連人権高等弁務官事務所 “少なくとも2345人の市民が死亡”
キーウの交響楽団が隣国のポーランドでコンサート
マリウポリ市長「残っている人の命はプーチン大統領の手の中」
ゼレンスキー大統領「ロシアが復活祭の停戦の提案を拒否」
米国防総省「関係国がウクライナへの軍事支援など協議へ」
マリウポリ近郊に“集団墓地”か 米企業が衛星画像を公開
ウクライナからの避難者が日本語学校で学ぶ 千葉 松戸
ゼレンスキー大統領 世界銀行とIMFに大規模資金支援要請
米訪問のウクライナ首相 継続的な軍事支援求める
ロシア 米政府高官や民間企業トップへの入国禁止措置発表
アメリカ国防総省“マリウポリ まだ掌握されていない”
バイデン大統領「マリウポリ 完全に陥落した証拠まだない」
ゼレンスキー大統領「マリウポリ 一部には部隊残っている」
製鉄所の従業員 ロシア側は簡単には制圧できないと強調
マリウポリ市長 ウクライナ側 抵抗続けていると強調
ロシア国内第2の石油会社社長が辞任
ウクライナ国内で避難 推計で770万7000人に
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる22日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
英国防省「ドンバス地域の東側で激しい砲撃と戦闘が続く」