「4」で説明したとおり、平成31年(2019年)の文書では、母と元婚約者の方の間に起こった金銭トラブルと言われている事柄の経緯を詳しく説明することはしませんでした。
ここでは、令和元年(2019年)5月以降、母が元婚約者の方とどのようなことを話し合ってきたのかを理解していただくためにも、改めて、金銭トラブルと言われている事柄に対する私と母の認識を可能かつ必要と思われる範囲で説明します。
(1)母と元婚約者の方は平成22年(2010年)9月初めに婚約しました。
婚約するにあたって2人が交わしたやり取りを以下に説明します。
元婚約者の方は当時私や母と同じ集合住宅に住んでいらっしゃった方で、一時期は私の亡き父と共に集合住宅の役員をされていた方でもありました。
母とのお付き合いが始まったのは平成22年(2010年)の春頃からでしたが、それは、上のような経緯から母も私も元婚約者の方を以前から存じていたということと同時に、元婚約者の方が優しくて紳士的な方だという印象を持っていたということも理由でした。
しかし、元婚約者の方がお食事に連れて行ってくださるお店が応分の負担を求められる母にとっては金額の高いお店であることが続いたため、ある時期から母は困難を感じ始め、今後もそのような状態が続くのであれば家計に支障をきたす心配があると思い悩むようになりました。
一方で、母は元婚約者の方のお人柄に好感を持っていましたので、元婚約者の方が真剣にお付き合いをしてくださっているのであればお付き合いを続けたいという気持ちがありました。
そこで、この交際が真剣なものなのかについて元婚約者の方にお尋ねしたところ、元婚約者の方は、母さえ良ければ結婚を前提としていますとおっしゃってくださいました。
母は、結婚を前提にするのであれば自分達が決して余裕のある状況ではないことを正直にお伝えすべきだと考え、そのことを元婚約者の方にお伝えしたところ、元婚約者の方はそのことを受け入れてくださり、そのうえで、婚約に向けての話し合いが発展していきました。
結婚に向けて話し合うなかで、元婚約者の方は、家族になるのだからこれからは金銭面も含めて全面的にバックアップします、保険に入っているので自分に何かあっても当面は路頭に迷うようなことはありません、安心してください等とおっしゃってくださいました。
母は、元婚約者の方のこれらの言葉に思いやりを感じて信頼し、結婚のお申し出を受け入れました。
元婚約者の方は、私の学費を出してくださるというお話もしてくださいました。
また、時期が婚約前だったか後だったかについては明確ではありませんが、元婚約者の方が、家族も同然と思っているので圭くんの学費も出しますよ、父親ならば息子の学費を出すのは当然です等とおっしゃってくださったこともありました。
私は学費については奨学金を利用するつもりで母もそのことを知っていたため、母は元婚約者の方に、なるべく奨学金で支払うので、とお伝えしました(「5」注11
【1】も参照してください)が、母も私も何か困ったことがあったら頼れる方がいるのだという安心感を持つことができありがたい思いでした。
婚約にあたり、元婚約者の方は母に、お互いの友人を呼んでクルージング婚約パーティーを開きましょうかという提案や婚約指輪を贈りたいという提案をしてくださいました。
母は有り難く思いつつも、次第に、元婚約者の方も母も決して若くはなくお互いに初めての結婚ではないので、豪華なパーティーを開いたり高価な指輪をいただくよりも他の使い道を考えた方がよいのではないかと思うようになり、元婚約者の方にそう提案しました。
元婚約者の方は母の提案を快く受け入れてくださり、家族になる3人にとってよりよい使い方をしましょうという結論に落ち着きました。
このとき元婚約者の方は母に、金銭面で困ったことがあれば遠慮なくいつでも言ってくださいとおっしゃってくださいました。
(2)翌年の平成23年(2011年)3月に発生した東日本大震災の影響を受けて、当時は時給制のパート従業員として働いていた母の出勤日が少なくなり、収入も激減することになりました。
そのことを知った元婚約者の方は、困っているのに知らぬふりなどできません、家族になるのですから当然です、こういうときこそ協力し合わねば、婚約者という立場で良かった、頼られて嬉しいです等とおっしゃってくださり、実際に金銭の支援をしてくださるようになりました[注10]。
母は、元婚約者の方が婚約する際に金銭面も全面的にバックアップしてくださるとおっしゃってくださったことがあるとは言え、助けていただきたいとお願いすることに躊躇もあったため、お借りできますかとお願いしたこともありました。
また、元婚約者の方が支援をしてくださる際には、本当に(お金を出していただいて)よろしいのですか?、ご無理ではないですか?、大丈夫ですか?と度々お聞きしていました。
その度に元婚約者の方は、家族になるのですから当然です、頼られるのは嬉しいです、心配には及びません、男に二言はありません等とおっしゃってくださいました。
家族になるのですから当然ですと度々おっしゃってくださり親身になってくださったことで既に3人家族になっている心持ちでいた母は、元婚約者の方の言葉を信じて支援を受けるようになりました。
このとき以降平成24年(2012年)9月に元婚約者の方のご意向で婚約を破棄されるまでの間、私と母は元婚約者の方から支援をいただきました[注11]。
当時の私は、元婚約者の方が常に母に気を遣わせないようにご配慮くださるのを見て尊敬していましたし、母との間で、元婚約者の方が素敵な方だということや、助けてくださって本当にありがたいという話題が出ることもしばしばありました。
元婚約者の方が母との婚約を破棄するまでの間支援してくださったことへの感謝の気持ちは当時も元婚約者の方に繰り返しお伝えしていましたが、今も大変ありがたく思っています。
(3)平成24年(2012年)9月13日午後11時15分、母は元婚約者の方から、婚約を解消したいという一方的な申し入れを突然受けました[注12]。
理由について尋ねても元婚約者の方からの説明はなく、理由が明らかにされないまま[注13]母は婚約解消を受け入れざるを得ませんでした。
このとき母が、婚約期間中に受けた支援について清算させていただきたいとお伝えしたところ、元婚約者から「返してもらうつもりはなかった」というお返事が返ってきました[注14]。
以上のような理由から、母は、婚約解消にあたって2人の間でお金をやり取りする必要はなくなったと理解しました(「4」注9を参照してください)。
この婚約破棄の話し合いは、留学へ行く私を支援してくださるという話が元婚約者の方から出るほどで、刺々しい雰囲気もなく円満に終わったと私も母も思いました。
(4)婚約破棄から11ヵ月経った平成25(2013年)年8月、母は突然元婚約者の方から手紙を受け取りました。
その内容は、「返してもらうつもりはなかった」という言葉を翻し、交際していた期間に負担した費用の返済を求めるものでした。
母はあまりのことに驚き、どうすればよいのか自分では判断ができなかったため、弁護士に相談したうえで同月6日[注15]にご要望には応じかねることとその理由を(「返してもらうつもりはなかった」という元婚約者の方の言葉を信用していたことも含めて)お伝えしたところ[注16]、元婚約者の方は私も弁護士に相談して何かあればこちらから連絡しますとおっしゃいました[注17]。
このとき元婚約者の方が「返してもらうつもりはなかった」という発言はしていないとおっしゃることはありませんでしたし、婚約を破棄した理由や母に対する慰謝料について何かおっしゃることもありませんでした。
(5)元婚約者の方は「何かあればこちらから連絡します」とおっしゃったものの、その後に連絡が来ることはなく、偶然お会いすることがあっても金銭の話題が出たことはありませんでした[注18]。
それから数年が経っても何のお話もなかったことから、私も母も元婚約者の方に納得していただけていたものと理解していました。
このような経緯でしたので、私も母も元婚約者の方から婚約期間中に受けた支援については解決済みの事柄であると思っていました。
(6)ところが、私と眞子様の婚約内定が平成29年(2017年)9月に発表されると、その後の平成29年(2017年)12月12日の週刊女性に元婚約者の方の友人のコメントだとされるものが掲載されました。
その時点では、内容が事実とかけ離れていて驚きはしたものの、元婚約者の方ご本人のお話ではないようでしたし、報道が過熱するとは思いませんでした。
しかし、平成30年(2018年)2月16日の週刊現代に元婚約者の方ご本人のコメントだとされるものが掲載され、一方的な話があたかも事実であるかのように取り上げられ連日報道される事態となり、私も母もたいへん驚き困惑しました。
最初の報道の時点で平成25年(2013年)8月のやり取りから4年4カ月が経過していました。
返金を求めるのであればなぜ直接請求をしないのか、なぜ週刊誌を利用する必要があったのか、なぜ事実と異なる内容が真実であるかのように報じ続けられているのか等々疑問点は多くありましたし、恐怖も感じました。
それでも、「3」にも書いたように、元婚約者の方とお互いの認識についてきちんと話し合い、ご理解を得た上で解決するためにはどうすればよいかを考えながら対応することを決めました。
(7)これまでの報道に接してこられた方のなかには、母が元婚約者の方をただ金銭のための存在と見なしていたのではないかと思われている方が多いかもしれません。
実際には違いますが、母を直接知らない方や事情をご存知ではない方からはそう見えるかもしれません。
当時のことを振り返り実際の経緯を整理するなかで改めて感じたのは、母は元婚約者の方のおっしゃることを言葉のままに受け止め過ぎていたのではないかということです。
多くの方には理解し難いことかもしれませんが、私も母も元婚約者の方は結婚を前提として善意で支援してくださっているのだと思っていたため、婚約破棄の理由が、支援が増えすぎて元婚約者の方の負担になっていたことだとは思いもしませんでした。
母が支援を清算させていただきたいと元婚約者の方にお伝えした(「5」(3)を参照してください)のは、結婚を前提としていただいている支援だと認識していたことから、結婚がなくなるのだとしたらどうするべきなのかきちんと確認しておかなくてはならないと考えたためです。
それに対して元婚約者の方は「返してもらうつもりはなかったんだ」とおっしゃり(「5」(3)及び「5」注14を参照してください)、私も母もその言葉をそのまま受け取りました。
だからこそ、平成25年(2013年)に元婚約者の方からいただいた手紙を読んだときには、理由を教えていただけずに突然婚約破棄をされたことの衝撃を引きずっていたことに加え、婚約破棄の段階で支援を清算させていただきたいと申し上げたうえで「返してもらうつもりはなかったんだ」というお返事をいただいたはずなのに、という気持ちも強くありました。
その際のやり取りは、元婚約者の方の、私も弁護士に相談して何かあればこちらから連絡しますという言葉で終わり(「5」(4)を参照してください)、私や母はその言葉をそのまま受け取りました。
だからこそ、報道が出たときに驚きました。
一連のことを振り返ると、元婚約者の方との間に起こったことについて、私や母は、終始、あの時元婚約者の方はこうおっしゃったのに、という気持ちがあったと思います。
では、元婚約者の方がおっしゃったのだからそれをそのまま受け取って問題ないという気持ちでいて良かったのかというと、そうでなかったからこそ現在のような状況になっているのだろうと思います。
支援を申し出てくださった数々の言葉も、「返してもらうつもりはなかったんだ」という言葉も、私も弁護士に相談して何かあればこちらから連絡しますという言葉も、本心というよりその場の空気からそうおっしゃったということがあったのかもしれません。
しかし、私も母もそういった想像を全くしませんでした。
それは、無意識のうちに、元婚約者の方のおっしゃることをそのまま受け止めたいという気持ちがあったからなのかもしれません。
このように当時のことを振り返る一方で、現在に至るまで報道されてきた内容の多くが事実でないことに関しては、受け入れることが難しいと感じています。
この文書の目的は、冒頭に書きましたように、私や母と元婚約者の方との間にこれまであったやり取り等について実際の経緯をある程度明らかにすることを通じて、これまで世の中に出回ってきた金銭トラブルと言われている事柄に関する誤った情報をできる範囲で訂正することです。 ここまでは、金銭トラブルと言われている事柄に対する方針や金銭トラブルと言われている事柄に対する私と母の認識について説明するとともに、平成22年(2010年)9月以降に私や母と元婚約者の方との間であったやり取りについて説明してきました。 ここからは、令和元年(2019年)5月以降母の代理人が元婚約者の方とどのようなことを話し合ってきたのか、可能かつ必要と思われる範囲で説明します。 令和2年(2020年)11月30日及び同年12月11日発売の週刊現代の記事(「2」で説明しているとおり、本文書内ではこの2つの記事をまとめて「週刊現代の記事」としています)で、元婚約者の方が母との話し合いについて述べていらっしゃいますが、事実と異なる内容が多く見受けられるので、ここで、実際はどのような形で話し合いが行われてきたのかを説明します。 なお、話し合いに関すること以外にも週刊現代の記事には事実と異なる内容がいくつも見受けられますが、それらについても(週刊現代以外の媒体で報道された誤った情報と同じく)可能かつ必要と思われる範囲で複数の注で訂正していますので、それぞれの注をお読みいただきますようお願い申し上げます。 (1)平成31年(2019年)の文書を公表した同年1月22日、母は母の代理人である上芝弁護士(以下「代理人」とします)を通じて元婚約者の方に対して、過去の経緯等について認識に食い違いがあるのであれば、これを精査して食い違いを解消したいというお願いをしました。 このお願いに元婚約者の方から初めて応答があったのは同年4月26日でした。 その後に話し合いが始まり、令和2年(2020年)11月に至るまで何度もやりとりを重ねました。 元婚約者の方から初めて応答があった際、元婚約者の方は、週刊現代の記者をしている方(以下「記者」とします)を代理人として指名されました[注19]。 それ以降、代理人は元婚約者の方及び記者と会って話し合いを進めてきました。 記者とは元婚約者の方の同席がなくとも頻繁にやり取りをしています。 話し合いの最中に誤った情報が報道されることもありましたが[注20]、私は「2」でも書いているような理由から、あえて積極的に否定をすることはしませんでした。 (2)令和元年(2019年)5月8日、代理人は初めて記者と会いました。 同月28日には2度目の面談をしています。 このとき代理人から記者に、金銭トラブルと言われている事柄について、私と母が元婚約者の方との対立を望んでいるのではないと伝えるとともに、元婚約者の方のご理解を得てお互いが十分納得して解決したうえで、協力してアナウンス[注21]することを目指したいとお願いしています。 記者がその言葉を元婚約者の方に伝えることを了承したので、私と母の認識と元婚約者の方との間にある認識の食い違いを解消させることを目的として、次の3点をお願いしました。 1金銭のやり取りがいずれも貸付けであったということであれば、その日付及び金額並びにそれぞれどのような理由での貸付けであったと認識されているのか説明していただきたい[注22] 2私が平成31年(2019年)の文書で説明した私と母の認識について、元婚約者の方のご認識と異なる点があるのかどうか確認し、あるのであれば指摘していただきたい[注23] 3解決するまでは母との話し合い内容を途中で公にはしないことを確約していただきたい[注24] (3)令和元年(2019年)7月11日、代理人は初めて元婚約者の方と直接話し合いをする機会を得ました。 このときに、元婚約者の方は母と直接会って話をすれば解決できるので会いたいとおっしゃっていましたが、その理由を尋ねても説明はしていただけませんでした。 代理人が、母と元婚約者の方という一般人同士の事柄が私と眞子様の結婚という全く質の違うより大きな話題に発展してしまっていることについてどう思っていらっしゃるのかを尋ねたところ、元婚約者の方は、自分が週刊誌に持ち込んだわけではない、言ってもいないことが勝手に書かれているみたいだ、テレビのインタビューに応じたことなどない、(私が元婚約者の方に事前に確認することなく平成31年(2019年)の文書を公表したことについて)順序が違うなどと言ったことはない、結婚問題に発展したことは本意ではない、お金を返してもらえば結婚問題は解決するはずだ、誰から返してもらっても構わない、等とおっしゃいました[注25]。 代理人は、大きな騒ぎになっていることが本意ではなかったということであれば元婚約者の方にとっても不幸な状況になってしまっていると応じたうえで、金銭トラブルと言われている事柄について、双方が十分に納得した形で解決し世間にアナウンスすることが求められている状況だと思うし、そのための話し合いをお願いしたいと提案したところ、元婚約者の方はこの提案を快諾されました[注26]。 そこで代理人が、母が元婚約者の方へ支払うべきものがあるのならば支払うことになるので、その有無を確定するために、まずはどこに認識の食い違いがあるのか、その原因は何なのか等について順に整理していく必要があると考えるので、3点のお願いに答えていただきたいとお願いしたところ、これについても元婚約者の方は快諾されました。 このとき元婚約者の方は、ご自身の勘違いや記憶違いの可能性があることを自ら認めていらっしゃいました。 こうして、先だって記者に伝えていた3点について順に整理していくことが確認されました。 (4)令和元年(2019年)8月8日、代理人は元婚約者の方と2度目の面談をしました。 代理人はこのときに、母と直接会って話をすれば解決できるという元婚約者の方の前回のご提案に対して、認識の食い違いを確認できていない段階では応じることは難しい、まずは元婚約者の方のお考えをきちんと説明していただかないと検討しようがないとお伝えし、快諾していただいた3点を整理したうえで検討しましょうとあらためてお願いしました。 元婚約者の方はこの提案を承諾されました。 この面談の場にて、お願いしていた上記の3点のうち3の確約を取り交わすことになっていましたが、元婚約者の方のご体調が優れないということで、次の面談時に3点まとめて回答をいただくことに決まりました。 この回は、次回(8月14日)と次々回(8月22日)の面談予定を決めたうえで終了しました。 しかし、予定されていた8月14日の面談は元婚約者の方の体調不良が理由で延期となり、8月22日の面談に関しては元婚約者の方とのご連絡がつかないという理由で記者のみとの面談になりました。 その後も元婚約者の方から3点のお願いに対する回答をいただけることはありませんでした。 代理人は、記者と継続的に連絡を取って又は面談をして元婚約者の方との話し合いを進めようとしましたが、元婚約者の方からは何のお返事もない状況が続きました[注27]。 (5)令和元年(2019年)9月26日に元婚約者の方と面談する予定になりましたが、当日会うことができたのは記者だけで、上記の3については応じるつもりはないという元婚約者の方からの回答が書かれた文書が、記者から手渡されたにとどまりました。 元婚約者の方が書かれた文書によると、その理由は、話し合いの進捗や内容を秘密にするのではなく、むしろ定期的に正確な情報を公開した方がいたずらに事態をゆがめたり煽ったりするような報道を減ずることになると思う、個人的な問題なので公にすべきではないという考え方も理解はするが、既に国民的な関心事となってしまった本件については国民に対しても誠実に事の経緯を公表する方がお2人の結婚にも近づくと思う、と考えているからだということでした。 受け入れることが困難な回答ではありましたが(理由については「6」注24を参照してください)、それでも話し合いを頓挫させるわけにはいかなかったため、代理人は窓口である記者の意見を聞いて、3の確約は一旦措いておいて、上記の1と2の整理を先に進めることにしました。 (6)令和元年(2019年)10月30日、元婚約者の方から記者を通じて、上記1に答えるものとして、貸し付けの日付と金額、貸し付けの理由をまとめた資料が届きました[注28]。 内容を確認したところ、これまでの報道内容と同じく、平成22年(2010年)11月に私の大学への入学金、翌年の春に授業料を貸し付けたという内容が含まれていました。 「5」注11の【1】でも説明していますが、私は入学金と最初の学期は自分の貯金で、それ以降の授業料はすべて奨学金で賄っています(入学祝いをいただいたことについては「5」注11の【1】を参照してください)。 そこで、代理人はそのことを元婚約者の方にお伝えしました。 (7)その直後の令和元年(2019年)11月13日、元婚約者の方から記者を通じて、入学金や授業料についてはご自身の勘違いであったという回答がありました。 そのうえで、もはや金銭の請求はしないし、そのための話し合いは不要なのでやめたいという元婚約者の方のお考えを伝えられました。 記者からは、元婚約者の方が貸した側なのに、いろいろと細かいことを整理して説明しなければならないということなら、もう金銭を求めることはしないとおっしゃっているという説明がありました。 金銭の請求はしないということでしたから、代理人が、本件は解決したと解釈して差し支えないと考えて記者の意見を聞いたところ、記者も同意したため、代理人は、このことを確認する合意書等の取り交わしを検討することにしました。 ところが、その旨を記者を通じて元婚約者の方に打診したところ、決して解決したとは思っていないという回答が返ってきました。 返金を求めないのにもかかわらず解決済みではないとする理由についての説明は最後までありませんでしたし、記者も明確な説明ができないと言っていました。双方がどちらも納得しないまま、お互いの認識を確認し合う段階にすら至らずに話し合いを終わらせるということは、全てをうやむやにすることになります。 解決したとは考えていないが終わりにしたいという元婚約者の方のご希望に応じることはできませんでした。 (8)その後の1年余りの間、先に「3」で書いた方針を変えることはせず、元婚約者の方に、双方が十分に納得した形で解決する、あるいはそれに近づけるための方法を提示していただきたいと繰り返しお願いをし続けましたが、元婚約者の方からのお返事はありませんでした。 令和2年(2020年)に入り新型コロナウイルスの影響が深刻になるなか、緊急事態宣言の期間中や宣言解除後も、代理人は、連絡を取って又は面談をして、元婚約者の方が納得できる解決方法を見つけるべく、元婚約者の方のご意向について記者に尋ね続けました[注29]。 記者からは、解決したかったら400万円をポンと払えばよいという発言などもありました[注30]が、「3」で書いているとおり、きちんとした話し合いをせずにお金をお渡しするという選択はしませんでした。 (9)元婚約者の方からのお返事が返ってこない状況のなか、昨年(令和2年、2020年)6月に記者から、元婚約者の方と母を会わせてあげたいといった趣旨の発言が出てきました。 少しでも解決に近づける方法を見つけるべく元婚約者の方のご意向について尋ねていた際に出てきたものだったため、代理人は、それが元婚約者の方のご意向なのかと記者に尋ねました。 記者は元婚約者の方に確認すると言い、後日、それでは会って話し合いたいと元婚約者の方が言っている、という答えが返ってきました[注31]。 母はそれまでの経緯もあり直接会うことを躊躇していましたが、それでも、元婚約者の方のご要望にできるだけ添うことが解決へ近づくのであればと考え、令和2年(2020年9月)、会う用意があることを、代理人を通じて元婚約者の方にお伝えしました。 その際、代理人は、会うことについては積極的に応じる姿勢ではあるけれども、単に会って顔を合わせたいというだけでなくそこでじっくり話し合いたいということであれば、事前にある程度議論を整理しておかないと話し合いにはならずに終わってしまう可能性が高いと説明したうえで、いまだ対応をしてもらっていなかった上記の2についての回答をあらためてお願いしました。 双方の認識がどこで食い違っているのかを予め確認・整理しておかないと、直接会っても単に口論になるだけで良い機会にならない可能性が否めなかったからです。 しかし、令和2年(2020年)10月、記者から、元婚約者の方が2について回答することはできないという返事が来ました[注32]。 ですので、結局、平成24年(2012年)9月13日に母が婚約解消を受け入れた際に元婚約者の方から「返してもらうつもりはなかった」等のお返事をいただいたという私と母の認識(「5」(3)及び「5」注14を参照してください)と元婚約者の方のご認識に食い違いがあるのかどうかについて、私と母はいまだにわからないままです。 同年11月1日には、単なる顔合わせであれば双方にとって意味のないことなので会う必要もないという元婚約者の方からの回答もありました。 (10)直接会って話し合うことの是非についてのやり取りと並行して、元婚約者の方からは、お金の請求はしないことと話し合いが終了したことを世間に公表したいという連絡を受けました。 最初にそのご意向を知らされたのは令和2年(2020年)2月のことでしたが、10月に入ると、10月末までには何らかのコメントを出す予定だという連絡を受けました。 突然公表したいと考えるに至った理由についての説明はありませんでした。 その後も直接会って話し合うことの是非についての話し合いは続けるとともに、代理人は元婚約者の方に、話し合いの内容は元婚約者の方だけでなく、圭さんの母親のプライバシーでもある、これを無断で公にすることは圭さんの母親のプライバシーを侵害する違法行為となる可能性があるから、当方の了解を得ないままで一方的に公表をすることは認めることはできない、公表するのであれば、これまで長い間話し合いをしてきたように、公表内容を双方ですり合わせたうえで連名で発信するか、もしくは少なくとも当方の了解を得たうえで進めるべきであるとお伝えしました。 これに対する元婚約者の方からのお返事は、了解を得る必要はないし、すり合わせが必要だとは思わないというものでした。 そして、11月30日に週刊現代の記事が掲載されました[注33]。 ここまでが、金銭トラブルと言われている事柄に関する元婚約者の方との話し合いの詳しい経緯です。制約はあるものの、理解をしていただくために可能かつ必要と思われる範囲で書きました。
令和2年(2020年)11月30日に発売された週刊現代[注34]で、元婚約者の方が話されたこととして記事が掲載され、その翌週の12月11日にも同じような内容の記事が掲載されました。 これらの記事では、元婚約者の方が金銭の支払いを求めないと話されているということは記載されていますが、一方で、解決したとは思っていないとおっしゃっていたことについては一切触れられていません。 また、令和2年(2020年)11月13日に眞子様が公表された文書がきっかけで支払いを求めないことを公表しようと考えるようになったという趣旨のことが書かれていますが、実際には、支払いを求めないというご意向は既に1年以上前から示されていましたし、公表したいというご意向も11月13日よりも前の10月には既に明確に伝えられていました[注35]。 なにより、母と元婚約者の方との話し合いにおいて、小室家が一貫して元婚約者の方から受け取った金銭は借金ではなく贈与であるとし金銭問題は解決済みと主張してきた、という内容は、事実とまったく異なります。 主に「4」で書いているように、婚約者の方からの金銭の性質に関する主張を私や母が公にしたことはありませんし、公にではなくとも私や母が元婚約者の方に対して金銭の性質に関する主張をしたことは、平成25年(2013年)8月頃以降ありません(「4」注9を参照してください)。 金銭問題は解決済みだと主張したことに関しては一度もありません(「4」本文及び「4」注8を参照してください)。 上述したように、母と元婚約者の方との話し合いを進めるため、お互いの認識の食い違いがどこにあるのかを確認する作業を試みたものの、「認識の食い違いの整理」段階で話し合いが頓挫しているのが現在の状況です。 元婚約者の方は私と母が贈与だと主張して譲らなかったので話し合いが進まなかったとおっしゃっているようですが、話し合いのなかでこちらから金銭の性質について元婚約者の方にお伝えしたことは、「6」(6)で書いているように、平成22年(2010年)11月に私の大学への入学金、翌年の春に授業料を貸し付けたという元婚約者の方のご認識に対して私と母の認識をお伝えしたとき以外にはありません。 そして、それは主張ではなく、認識の食い違いについて話し合うためにお伝えしたものです。 その直後に、入学金と授業料についてはご自身の勘違いであったという回答があったうえで、もはや金銭の請求はしないし、そのための話し合いは不要なのでやめたいとの連絡があったため話し合いがそれ以上進まなかった(「6」(7)以降を参照してください)というのが実際の経緯です[注36]。 元婚約者の方との話し合いが途絶えてしまい、現在のような状況になっていることは、たいへん残念です。 8【おわりに】 この文書を読んでくださった方は、様々な印象や感想をお持ちになると思います。 元婚約者の方との話し合いのなかで行われたやり取りについては、母の代理人である上芝弁護士が担当したため客観的に整理した情報として受け止めていただけると思いますが、平成31年(2019年)の文書を公表するまでの経緯として書いている内容は、録音をはじめとする記録はあるものの、多くは私や母の認識に基づいています。 そのため、この文書は私と母の一方的な言い分を記したものだと思われる方もいらっしゃるかもしれません。 それでも、色々な事情があったのだということを理解してくださる方が1人でもいらっしゃいましたら幸いです。 令和3年(2021年)4月8日小室 圭
[注1] もちろん、全ての誤った情報を対象とするのは、その数からも到底不可能です。 また、状況的にやむを得ないこととは言え、私や母と元婚約者の方との間にこれまであったやり取り等を元婚約者の方に無断で明らかにすることに、本来は法的な問題があることは否定できません。 元婚約者の方のプライバシー等にできる限り配慮をする必要があります。 そのため、明らかにできる内容は、可能かつ必要と思われる範囲にとどまらざるを得ません。 この文書では、特に重要と思われる事柄を選別すると同時に、その事柄をより正確に理解していただくために必要であると思われる事柄についても言及しています。 この文書では元婚約者の方の発言として報じられているものにも触れていますが、後出の「6」(3)にも書いているように、元婚約者の方は報道されている内容について、言ってもいないことが勝手に書かれているみたいだという趣旨の発言をされています。 報道内容が本当に元婚約者の方の発言なのかどうか、私や母には分からないものが大半であるということを予めお断りしておきます。 また、本文書内には母の代理人である上芝弁護士からの報告に基づくもの等、私が直接見聞したことではない内容が出てきますが、読みやすさを重視して基本的には伝聞表現を避けています。 [注2] 例外の1つ目は、平成31年(2019年)1月22日に私が公表した文書です。 これについては後出の「4」で詳しく説明します。 2つ目は、令和2年(2020年)11月26日以降に私の代理人である上芝弁護士(上芝弁護士は、母の代理人として元婚約者の方との話し合いを担当し、同時に私の代理人として平成31年(2019年)1月22日以降報道機関からの問い合わせ等に対応している弁護士です)を通じて、正確な情報をお伝えしたことです。 大学の学費を元婚約者の方から借りたのかという質問に、そのような事実はなく私がアルバイトをして貯めたお金と奨学金で賄ったと回答しました。 その質問にお答えした時期には、入学金や授業料についての話が元婚約者の方との間で既に出ており、元婚約者の方からご自身の勘違いであったとのお返事をいただいていた(詳しくは後出の「6」(7)で説明します)こと、更に、既に元婚約者の方との話し合いを継続することが期待できない状況になってしまっていた(詳しくは後出の「6」で説明します)こと等が理由でした。 [注3] 宮内庁のホームページによれば、11月30日の記者会見で秋篠宮皇嗣殿下は、金銭トラブルと言われている事柄に関する「多くの人が決して納得して喜んでくれる状況ではないと思うというふうに先ほどおっしゃっていましたけれども、そのために以前殿下が指摘されていたその問題をクリアして解決することが必要との考えについては今は、どのようにお考えでしょうか」という質問に対して、「多くの人が納得し喜んでくれる状況の前提として、今までもあった問題をクリア(するために)相応の対応をする必要があると申しました。私自身、これは人の家のことですので詳しくは知りませんけれども、じゃ、対応を全くしていないかと言えばそんなことはないと思います。そうですね。ただ一つ言えるのはそれはいろいろな対応をしているとしてもですね、やはりそれが見える形になるというのは必要なことではないかなあというふうに思っております」とおっしゃっています。 そのため、たとえ「1」注1で述べた懸念があるとしても、少なくとも金銭トラブルと言われている事柄については、私と母がどのような対応をしてきたのかを一定の範囲で「見える形」にするべきだと判断しました。 こういう経緯ですので、この文書では、金銭トラブルと言われている事柄に限って説明をするとともに、誤った情報をできる範囲で訂正しようと試みています。 金銭トラブルと言われている事柄以外にもありとあらゆる誤った情報が出回っていますが(金銭トラブルと言われている事柄に関するものについてはもちろん、それにとどまらない内容の報道や論評をみると、これまで私や母に対する名誉棄損、侮辱、プライバシー侵害など数多くの違法行為が繰り返されていると考えています。そしてそれらは、仕方のないことだとしてすべて受け入れるには限度を超えていると思います)、全てを訂正し始めると訂正しそびれたものが真実であると決めつけられる危険性もあり現実的ではありません。 [注4] 元婚約者の方の「返してもらうつもりはなかった」というご発言を録音した音声データが存在します(詳しくは後出の「5」注14で説明します)。 それを複数の弁護士に聞いてもらったうえでのアドバイスでした。 [注5] 元婚約者の方と対立することは極力避けたいと思ったため、対立するという選択はしませんでした。 元婚約者の方が縁のある方で一時期私と母に支援をしてくださった方である(詳しくは後出の「5」(1)(2)で説明します)というのも大きな理由でした。 [注6] 平成31年(2019)の文書を公表するまでの間に時間を要したのは、複数の弁護士に相談したうえであらゆる可能性を考えて方針を決める必要があったことに加え、母の代理人を引き受けて元婚約者の方との話し合いを担当してもらう弁護士を選定するまでに相応の時間がかかったこと等が理由でした。 [注7] たとえ具体的でなくともプライバシーに関わる事柄であることに変わりはありませんが、私と母の認識を一定の範囲で説明せざるを得ない状況にあると判断し、やむを得ないと考えて公表したのが平成31年(2019年)の文書の内容でした。 そして、この時から更に状況が変わったことにより、どこまでが「必要以上」に当たるかどうかの線引きを見直して公表したのが今回の文書です。 元婚約者の方のプライバシーへの配慮と公表できる内容の範囲に制約があることについては「1」注1を参照してください。 [注8] 平成31年(2019年)の文書で「このような経緯ですから母も私も元婚約者の方からの支援については解決済みの事柄であると理解してまいりました。 そのため、平成29年(2017年)12月から元婚約者の方のコメントだとされるものが連日報道される事態となり、私も母もたいへん困惑いたしました。 元婚約者の方のご意向を測りかねたからです」と書いたことから、私と母が「解決済みの事柄である」と主張しているかのように誤解されてしまったのだと思います。 しかし、私と母が「解決済みの事柄である」と理解してきたのは、平成29年(2017年)12月以降に金銭トラブルと言われている事柄が週刊誌で数多く取り上げられたことで元婚約者の方との間に認識の食い違いがありそうだと考えるようになった時点までのことです。 「解決済みの事柄であると理解してまいりました」という表現は、現在完了形ではなく過去完了形としての表現として書いたものです。 更に、その後の段落を続けて読んでいただければ分かるように、平成31年(2019年)の文書では「私も母も元婚約者の方からご支援を受けたことには今も感謝しておりますので、今後は元婚約者の方からご理解を得ることができるよう努めたいと考えております」と書いているように、その後は元婚約者の方とお互いの認識についてきちんと話し合い、ご理解を得た上で解決することを目指してきました。 「解決済みの事柄である」と主張するのであれば話し合いは必要ありません。 後出の「7」でも触れますが、週刊現代の記事にも、私と母が解決済みと主張していると誤解した記事が掲載されています。 [注9] 公にではありませんが、私と母が、贈与を受けたものだから金銭について返済する気持ちはありませんといった主張をしたことが過去に一度あります。 母が婚約を解消されて1年ほど経った平成25年(2013年)8月、元婚約者の方から、婚約解消時に元婚約者の方が「返してもらうつもりはなかった」とおっしゃったことと正反対の要求を手紙でいただいたことに対し、私と母は相談した弁護士のアドバイスに従って、同月6日、贈与を受けたものだと認識しているので要求には応じかねますと口頭で伝えるとともに、同じ内容のお手紙をお渡ししました(後出の「5」(4)でもこの手紙に触れています)。 手紙には、婚姻解消の際に元婚約者の方が「返してもらうつもりはなかった」(手紙の記載は「差し上げたものだ。当初より返済を求めるつもりはありませんでした」となっていますが、これについては後出の「5」注15で説明します)ことを根拠に、「ですから貴殿の返済請求している4,093,000円は小室佳代が貴殿から贈与を受けたものであって貸し付けを受けたものではありません。 従いまして金銭について返済する気持ちはありません」、「貴殿は2012年9月14日小室佳代に対し一方的に婚約破棄しておりその理由を具体的に明らかにしておりません。小室佳代は理由も告げられない一方的破棄により精神的に傷を負っております。それに対し謝罪もそれに対する補償も無い状態でこのような請求を受けることについては納得出来ません」と記載しました。 この手紙が流布されたこと、そして私や母が否定しなかったことがきっかけとなってあたかも私と母が「贈与を受けたのだから返さなくてよい」、「もらったものだから返済しなくてよい」と今でも反論し主張し続けているかのような誤解を招くことになったのだと思います。 しかし、平成25年(2013年)8月以降、私や母が贈与を受けたものだから返済は不要だという主張をしたことはありません。 報道が出てから私と母は実際の経緯について、あらためて弁護士に相談し、次の 【1】【2】のように整理し直しました。 その結果、返済する気持ちはありませんという主張をする際に述べた理由(元婚約者の方の発言を根拠にしていることと損害賠償請求との清算を踏まえたこと)自体を見直す必要はないものの、この理由を説明するにあたって「贈与」という表現をしたのは、必ずしも十分ではなかったと考えるに至りました。 この表現は元婚約者の方が「返してもらうつもりはなかった」とおっしゃったことに沿って用いたものであり、私や母はそのことを強調したつもりだったのですが、当時の私や母の言葉は十分ではなく、もう少し意を尽くした説明の仕方があったように思います。 【1】平成23年(2011年)4月から元婚約者の方が母との婚約を破棄するまでの間に母と元婚約者の方がやり取りしたお金について、個々のお金が貸し付け(借金)であったのかいただいたもの(贈与)であったのかは必ずしも明確ではありません。 母が「お借りできますか」と表現したものと「ヘルプ」と表現したものの両方があったようですから、このことからもどちらのケースもあった可能性があります。 母は元婚約者の方と婚約する際に金銭の使い途等についてお話をした(詳しくは後出の「5」(1)で説明します)ことから、基本的には結婚したら同じ家族になるということを前提にいただいているお金であって借金だとは思っていなかったようですが、一方で、お借りしてお返しするつもりで支援をお願いしたこともありました。 お願いしたときには母としては借り入れのつもりであったものでも、その後に元婚約者の方からあげたものだと口頭で言われたということもありました。 当時の2人ですら毎度明確な確認をしていたわけではないというのが実情でしょうし、万一確認をしていたとしても、証書もなく主なやり取りが口頭で(メールも一部あるようです)交わされていたため、当時の金員のやり取り全てを個別にとらえて、事後的に、あれが貸付であったのかそれとも贈与であったのかを明確にすることは困難です。 更に、本人たちの認識が食い違っているものもある(詳しくは後出の「5」注11で説明します)ことを考慮すると、婚約破棄の時点までは、貸し付けであったとすべきお金と贈与であったとすべきお金の両方が存在していた可能性があると整理するのが妥当だと思われます。 それが、平成24年(2012年)9月13日に元婚約者の方がおっしゃった「返してもらうつもりはなかった」という言葉によって、貸付金だったものについては(贈与だったことに転化するのではなく)母の返済義務が免除されたことになるでしょうし、贈与金だったものについては当初から贈与であったことが2人の間であらためて確認されたということになるでしょう。 あらためて弁護士に相談して以上のように整理してみると、元婚約者の方からのお金について一律に「贈与」と表現するのではなく、「返してもらうつもりはなかった」と言われたことをそのまま説明するのがより的確な説明だったと思います。 【2】元婚約者の方からの一方的な婚約破棄とこれに対する母の対応に従って整理すると、次のように整理することができます。 母は、元婚約者の方の「返してもらうつもりはなかった」との言葉を受けて、婚約破棄に関する損害賠償を請求する権利を放棄したと考えられます。 この元婚約者の方の言葉と母の対応によって、たとえ元婚約者の方が金銭の返還を請求する権利を持っていたとしても、それは母の権利(損害賠償請求権)と共に清算されたことになり、母が元婚約者の方へ金銭を返済する義務はなくなったと解釈することができます。 これに関しても、あらためて弁護士に相談して以上のように整理してみると、婚約破棄の時点までは貸付であった可能性のあるお金が贈与に転化するわけではありませんから、元婚約者の方からのお金を一律に「贈与」と表現したのは十分ではなく、「返してもらうつもりはなかった」と言われたことをそのまま説明するのがより的確な説明だったと思います。 金銭トラブルといわれる事柄が取り上げられるようになった後に、私と母はあらためて以上のように整理をし直しました。 そのため、平成31年(2019年)の文書でも「贈与」という表現はしていません。 同文書では、婚約解消時に元婚約者の方がおっしゃった「返してもらうつもりはなかった」という言葉を根拠に、当初の金銭授受の趣旨がどうであれ、【1】【2】の整理に基づいて、既に返済義務は一切ないと確認したと認識したことを説明しています。 【1】の整理は元婚約者の方の発言を根拠にしており、【2】の整理は損害賠償請求との清算を踏まえています。 上にも書いていますが、【1】【2】の整理の根本となる理由そのものは、平成25年(2013年)8月に元婚約者の方にお渡しした手紙で、返済する気持ちはありませんという主張をする際に述べた理由(元婚約者の方の発言を根拠にしていることと損害賠償請求との清算を踏まえたこと)と同じです。 ここで説明しているのは、あくまで、その理由を表現する言葉として私と母が「贈与」を用いたのは十分ではなく「返してもらうつもりはなかった」と言われたことをそのまま説明するのがより的確な説明だったと考えている、ということです。 なお、法的には理由を告げない一方的な婚約破棄は損害賠償請求の理由となる余地があるとは言え、支援を受けていたのであれば損害賠償を考えるというのは理解し難いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。 この考え方はあくまで過去の出来事を振り返って法的に評価をしていただいたものです。 [注10] このような経緯だったため、母が元婚約者の方から生活費等の支援を定期的に受けるようになったのは、東日本大震災の影響を受けた平成23年(2011年)4月以降のことでした。 東日本大震災以前については、「5」注11の【1】で説明しているような出来事がありました。 [注11] 元婚約者の方からの支援について、「本人たちの認識が食い違っているもの」(「5」注9の【1】も併せて見てください)を以下に挙げます。 元婚約者の方のお話として報道されている情報のなかから、私と母の認識と元婚約者の方の発信されている認識とが著しく異なっているもの、そして繰り返し目立つ形で報道されてきたものを選びました(これがすべてではないことについては「1」注1を参照してください)。 【1】元婚約者の方が私の大学の入学金や授業料を支払うために母に金銭を貸し付けたという報道がありますが、入学金と授業料についてはすべて私の貯金と奨学金で賄っています。 週刊現代の記事では、元婚約者の方は平成22年(2010年)11月1日に私に入学金を貸し付け、入学した翌年の春には授業料を貸し付けたとおっしゃっているようですが、それは正確な情報ではありません。 まず、私が入学したのは平成22年(2010年)9月2日ですし、そのことは元婚約者の方もご存知のことですから、既に入学している11月に入学金を貸し付けるというのは辻褄が合いません。 実際には以下のような経緯がありました。 まず、入学金は私が自分の貯金(アルバイト代)から納付しましたから、入学金について元婚約者の方から貸し付けを受けた事実はありません。 入学して最初の学期(秋学期)の授業料も同様に私の貯金から納付しました。 第二学期(冬学期)以降の授業料については奨学金で賄いたいと考えていたので、私は入学した後の9月21日に大学に奨学融資制度の利用申請をしました。 この制度を利用できることが決まったので、同年10月12日に金融機関と契約を締結したところ、11月24日に奨学金45万3000円が振り込まれ、これを11月26日に第二学期分の授業料として納付しました。 それ以降(初年度第三学期から卒業まで)の授業料については、すべて融資型の奨学金と給付型の奨学金の両方を利用して納付しました。 ですので、入学した翌年の春に授業料について元婚約者の方から貸し付けを受けた事実もありません。 「5」(1)で書いているように、母と元婚約者の方が婚約に向けてした話し合いのなかで、元婚約者の方は、私の学費を出すとおっしゃってくださいました。 婚約前か婚約後かは明確ではありませんが、家族なので圭くんの学費も出しますよ等とおっしゃってくださったこともありました。 母は元婚約者の方に、なるべく奨学金で支払うので、とお伝えしてはいたものの、婚約前から学費に関するやり取りがあったことから、奨学金が出ない場合は元婚約者の方が学費を出してくださるということで、安心感を持つことができありがたい気持ちでした。 特に、私が入学して初めて奨学金を申請する学期(冬学期)の授業料に関しては、元婚約者の方の言葉を頼りにさせていただきたい気持ちでいました。 母は、私の奨学金が受給できても年内には支給されないと思い込んでしまっていた(私が奨学金制度の内容をきちんと説明していなかったことと私が母の勘違いに気がついていなかったことが原因だと思います)ためです。 また別のとき(時期は明確ではありませんが、元婚約者の方の車の中で2人で会話をしていたときのことで、元婚約者の方が上に挙げた発言をされたときよりは後です)に、母と元婚約者の方との間で私の大学について話題になりました。 会話のなかで母が元婚約者の方に、私が入学金等をアルバイト代で賄ったことや第二学期(冬学期)の授業料については奨学金を申請することをお伝えしたところ、元婚約者の方が、それは感心だ、ぜひその分の授業料は私から入学祝いとさせて欲しい、父親の気持ちで渡したい、とおっしゃってくださいました。 母は、やはり元婚約者の方は私の大学生活を応援してくださっているのだと感じ、ありがたく入学祝いをいただくことにしました。母は、上に書いたような事情から、入学祝いのお話があって安堵の気持ちもありました。 これで万が一のことがあっても授業料を支払うことができると思ったためです。 ところが、その後すぐには元婚約者の方から入学祝いをいただくことができなかったので、授業料の納付時期が近づいてくるにつれ、母のなかで授業料に関する心配が大きくなっていきました。 母は、元婚約者の方が入学祝いのことを忘れていらっしゃるのではと思い始め、授業料の納付が間に合わなくなると困ると思いながらもどう言えばよいものかあれこれ悩んだ末、はっきりと送金をお願いするしかないという追い詰められた気持ちで、第二学期(冬学期)分の授業料分の送金をお願いしました。 そして、元婚約者の方は11月1日に45万3000円を母の口座へ送金してくださいました。 このような経緯がありましたが、今になって当時を振り返って母の行動について考えると、明らかに冷静さを欠いていたと思います。 上に書きましたように、私の奨学金は10月12日に受給が決定し、11月24日に支給され、11月26日にそのお金で第二学期(冬学期)の授業料を納付しました(母は実際に奨学金が支給されるまで自分の勘違いに気が付いていませんでした)。 元婚約者の方が振り込んでくださった分は、入学祝いをくださったことのお礼を元婚約者の方にお伝えし、ありがたくいただきました。 入学祝いというところから元婚約者の方は11月1日のお金を入学金だと勘違いなさったのかもしれませんが、これは入学祝いとして一学期分の授業料に相当する額をいただいたものであって貸し付けではありませんでした。 週刊現代の記事には、国際基督教大学と明治大学に合格し前者の方が授業料が高いのにも関わらずそちらに進学したいということで入学金などの学費支援を頼まれたと元婚約者の方がおっしゃっているといった内容もありましたが、入学金は私が自分で支払っていますし事実と異なります。 学費支援については「5」(1)でも書いているように元婚約者の方からの言葉がありましたが、結果的には学費は全て私が自分の貯金と奨学金で賄っています。 ちなみに、私が明治大学を受験したことはありません。 【2】平成24年(2012年)9月に私は大学の交換留学制度を用いて1年間カリフォルニア大学ロサンゼルス校へ留学しましたが、そのために十分な預金残高が必要であったことから、母が元婚約者の方にお願いをして一時的に200万円を送金していただいたことがありました。 無事にビザを取得することができたのでお返ししたいと母がお伝えしたところ、元婚約者の方が、いちいち振り込むのも面倒なので当面の生活費に充ててくださいとおっしゃってくださり、生活費に充てることになりました。 いちいち振り込むのも面倒なのでというのは、これから支援が必要になるときが来るだろうからまとめて取っておいてくださいという意味でおっしゃってくださったのだと思います。 週刊現代の記事では、元婚約者の方が留学費用として200万円を振り込んだとされていますが、事実と異なります。 留学費用に関しては、留学を支援する奨学金と大学の奨学金、私の貯金(アルバイト代)で賄いました。 母から生活費として使いたいと申し出たとする報道もありましたが事実ではありません。 [注12] 婚約破棄は母が申し入れたものだとする報道がありますが、まったくの誤りです。 元婚約者の方がそのような発言をしたものは見当たらないようですから、このような報道がされているのは不可思議です。 [注13] 経済的な問題について話し合ったうえで婚約したという経緯がありましたし、元婚約者の方が婚約した際におっしゃった、家族になるのだからこれからは金銭面も含めて全面的にバックアップします、金銭面で困ったことがあれば遠慮なくいつでも言ってくださいという言葉や、震災発生後の、困っているのに知らぬふりなどできません、家族になるのですから当然です、こういうときこそ協力し合わねば、婚約者という立場で良かった、頼られて嬉しいですといった言葉を信じていた母は、婚約解消の理由を想像して、自分への気持ちがなくなったということなのではないかと思ったものの、金銭の問題だとは思いませんでした。 [注14] このやりとりについては私自身も同席していて聞いています。 又、録音が存在しているので、元婚約者の方が「返してもらうつもりはなかった」とおっしゃったことは確認できています。 この録音については、平成25年(2013年)8月頃に元婚約者の方から突然手紙を受け取った際に相談した弁護士、これまでに相談した複数の弁護士、母の代理人の弁護士の全員に確認してもらっています(「3」注4を参照してください)。 この録音の該当箇所を抜粋すると次のようなやり取りがされています。 母が支援を清算させていただきたいと言い始め、それに対して元婚約者の方が、差し上げたものだ、当初より返済を求めるつもりはありませんでしたという趣旨のことをおっしゃった時点で、私が録音をしておいた方がよいのではと考え咄嗟に録音したものだったため、母の質問や元婚約者の方のお返事の一部は録音できていません。 このやり取りの後に婚約期間中の支援とは関係ない話題に移り、再び婚約期間中の支援についての話が出ることは最後までありませんでした。 元婚約者 「返してもらうつもりはなかったんだ」 母 「そんなのってあるの?」 元婚約者 「いやあ、あるんですかねって、だって、その時はだって・・・」 母 「だってあるんですかねってそんなの私不思議。そういう方と出会ったことがないから。そう」 元婚約者 「うん。返してもらうつもりは全くなく・・・お金出してましたよ」 この録音の存在については、母の代理人から元婚約者の方の窓口となった記者の方(詳しくは後出の「6」(1)で説明します)に伝えていますが、記者から元婚約者の方に伝えられているのかどうかについては確認が取れていません。 [注15] 週刊現代の記事では、8月に手紙を受け取った母がすぐには返答をしなかったとされていますが、直ちに返答していますので事実は異なります。 ただ、あまりにも急いでお返事をしようとしたためか、婚約破棄の日付が間違っている(手紙には婚約解消日について9月14日だと記載していますが、「5」(3)に書いてあるように実際には9月13日が婚約解消日でした)ほか、大変申し訳ないことに失礼にも元婚約者の方のお名前まで間違って記載しています。 また、何故か、きちんと録音されている「返してもらうつもりはなかった」というご発言ではなく、母の記憶に基づく、差し上げたものだ、当初より返済を求めるつもりはありませんでした(「5」注14を参照してください)、というご発言の方を記載しています。 いずれも後から見ると非常に理解しがたいことですが、元婚約者の方がご自分でおっしゃっていたことと正反対のことを書いた手紙を送ってこられたことに驚き気が動転していたことから、当時の私も母もこれらのことに全く気がつきませんでした。 お渡しした後も、「5」(5)でも書いているように元婚約者の方に納得していただけたと思っていたため、報道が出た後に改めて手紙を確認して、初めて上記のことに気がつきました。 [注16] 週刊現代の記事では、母が「400万円は借りたわけではなく、贈与である」という返答のみをしたとされていますが、これは事実と異なります。 「4」注9で説明しているように、母は婚約破棄理由の説明や慰謝料の手当てがないことを伝えています。 これに対して元婚約者が何もおっしゃらなかったことについては「5」(4)のとおりです。 なお、贈与税を負担しているのかという報道がありますが、母は贈与税を納付しています。 それまでは贈与税を納付する必要があると思っていなかったのですが、報道の後に知人から贈与税は納付しているのかと聞かれたことがきっかけで、念のためにということで納付しました。 [注17] 元婚約者の方はこのときのやり取りを録音して週刊誌等に提供していらっしゃるようです。 過去の週刊誌報道にはこの録音を私によるものだとするものがありましたが、元婚約者の方が録音したものです。 私と母は報道で見るまで録音の存在を知りませんでした。 [注18] 私と母と元婚約者の方は同じマンションの住人でしたから、お会いすれば挨拶を交わす間柄でしたし、平成29年(2017年)7月から平成30年(2018年)6月の期間は私がマンションの理事長となったことで、定期的に開催されるマンション管理組合や管理組合と管理会社との会議で元婚約者の方と度々顔を合わせています。 平成29年(2017年)5月に眞子様との報道が出た後には、元婚約者の方から「私も応援しています」との言葉をいただいたほどでした。 問題が解決していないと思われていたのであればお話をする機会はたくさんあったように思うのですが、婚約期間中の支援について話題になったことは一度もありませんでした。 [注19] 令和元年(2019年)5月8日に代理人が受け取った記者の名刺には週刊現代の「記者」であることが明記されていました。弁護士ではない週刊誌の記者が法律問題の代理人になることは弁護士法に違反する懸念がありましたから、代理人はそのことを令和元年(2019年)7月11日の最初の話し合いの際に元婚約者の方に指摘しましたが、弁護士を代理人に選任する考えはないという回答でした。 弁護士を選任しない理由については、受任してもらえる弁護士がいないという記者の説明を受けたにとどまります。 やむなく、話し合いを進めることを優先するために記者がこの件に関わることへ特段異論を唱えないことにして、記者は代理人ではなくあくまで元婚約者の方と連絡を取るため、話し合いを進めるための窓口であると考え、その範囲でのみ記者とやり取りをすることにしました。 記者からも、自分が関わっているのは元婚約者の方が代理人やマスコミ関係者とは直接連絡を取りたくないということにすぎず、そのための窓口であって自分も代理人であるとは考えていないという回答がありました。 [注20] 報道の中には、平成31年(2019年)の4月か翌年の令和元年(2019年)5月に両者が1度会ったきりであり、その後は話し合いはもちろん連絡すら取られていないとするものが多く見受けられましたが、これは事実と異なります。 これらの報道は記者の発言によるものだとされていましたが、代理人が記者に確認したところ、記者はそうした発言をしたことを強く否定していました。 ですから、このような報道が続いたことは不可思議です。 [注21] ここでアナウンスと言っているのは、金銭トラブルと言われている問題が一般人同士の事柄であるのにもかかわらず大きく取り上げられるようになっている現状から、話し合いで解決出来たとしてもそのことをアナウンスしない限り報道は収まらないだろうという考えからです。 [注22] 1は、それまでに元婚約者の方から金銭のやり取りに関する具体的な説明を直接受けたことが一度もなく、報道を通じて元婚約者の方のお話だとされるものが伝わってきたにすぎなかったこと、また、2010年11月に私の大学への入学金や翌年の授業料を貸し付けたという報道(「5」注11の【1】も参照してください)に代表されるように、事実と異なる報道が繰り返されてきたことから、報道されているような内容が本当に元婚約者の方のご認識なのかどうかを確認するためのものでした。 [注23] 2は、私と母の認識と元婚約者の方のご認識のどこがどのように異なるのかを確認し、食い違う部分に絞って話し合いを進めるためのものでした。 平成24年(2012年)9月13日に母が婚約解消を受け入れた際に元婚約者の方から「返してもらうつもりはなかった」等のお返事をいただいたという私と母の認識(「5」(3)及び「5」注14を参照してください)が元婚約者の方のご認識と食い違っているのかどうかを確認することを主な目的としていました。 [注24] 3は、情報や意見の共有は当事者間に限られることにして、率直かつ柔軟に話し合える環境を整えることを目指したものでした。 また、これまで元婚約者の方が私や母のプライバシーにかかわる(誤った)情報を無断で週刊誌などに公表・提供するという法律にも常識にも沿わない行動をとられてきたことを念頭に、これから始まる話し合いの経緯や内容についても誤った形で口外されてしまうのではという懸念を払拭するためのものでもありました。 そもそも、一般人同士の話し合いなので、本来はその内容を公表する必要はありませんし、公表すべきでもありません(「1」注1も参照してください)。 [注25] お金を返してもらえさえすればよいのならばなぜ直接連絡してくるのではなく週刊誌を利用したのかと代理人が尋ねたところ、元婚約者の方は、自分の母親に先方から何か言ってくるのが筋だと言われた、多くのマスコミに先方から連絡してくるのが筋だと言われた等の説明をされました。 8月8日の2度目の面談の際には、「直接連絡して脅しているかのようにとられるのが嫌だった」という説明がありました。 もし週刊誌が言ってもいないことを書いているのであればなぜそれを否定するなり止めるなりしなかったのかという問いに対しては、回答はありませんでした。 [注26] この時点で同年8月中には解決させようと話し合ったこともあって、代理人は元婚約者の方との間に、お互いが納得したうえでこの問題を解決させ、「解決済みであることをアナウンスしよう」という共通認識ができたと理解しました。 そういう文脈で代理人が「解決済みだとアナウンスすること」について言及したことはあります。 しかし、その時期は話し合いを始める前段階でした。 週刊現代の記事では、あたかも代理人が元婚約者の方に世間に向けて解決済みだとアナウンスさせることにこだわっていたかのような表現がされていますが、事実とは異なります。 [注27] 記者の説明によれば、元婚約者の方は熟考しており、またなかなか決断できない性格なので対応してくるのを待って欲しいということでした。 説得はしたものの、強く言いすぎると逆効果になると感じているという説明もありました。 そこで、記者を通した投げかけを継続しながら待つことにしました。 [注28] これは、元婚約者の方の日記がパソコンに記録されていており、その中から該当箇所を抽出して整理したものだという説明でした。 [注29] 週刊現代の記事には、代理人が、交渉を終了させるなら金銭問題は解決済みと元婚約者の方からアナウンスさせることにこだわった、元婚約者の方に解決したとアナウンスさせることに拘り、そうするように元婚約者に強く求めたとするものがありますが、決して解決したとは思っていないとおっしゃる方に意に反することを強いようとすることはありません。 1お金を求めることはしない、2そのための話し合いは必要ないのでやめたい、と言われたので、それではいわゆる金銭トラブルは解決したということでよいのかと尋ねたところ(そうだとおっしゃれば覚書等の締結作業に進むことになります)、決して解決したとは思っていないという回答が返ってきました。その回答内容の趣旨は分からないままでしたが、双方が十分に納得した形で解決することを目指してきたので、それでは解決するために、何を、どうしたらいいのかと、1年以上にわたり積極的に投げかけを続けることはしました。 しかし、解決したとは思っていないとおっしゃる方に対して、代理人が解決済みだとアナウンスするよう求めることなどありませんし、交渉を終了させるなら金銭問題は解決ずみと元婚約者の方がアナウンスすることにこだわったということもありません。 [注30] 「5」本文及び「5」注14でも説明しているように、平成24年(2012年)9月13日に元婚約者の方から一方的な婚約解消の申し出を受けた際、母が婚約期間中に受けた支援について清算させていただきたいとお伝えしたところ、元婚約者の方は「返してもらうつもりはなかった」とおっしゃいました。 当時の元婚約者の方の発言について客観的な録音が存在することについては記者にはっきりと伝えています。 それでも、本文でも述べた通り、解決したかったら400万円をポンと払えばよいと言われたこともありますし、録音や何と言ったかは関係ないという反応でした。 録音の存在やその内容の確認を求められることもありませんでした。 解決に向けて母の気持ちに変化がないかという問い合わせもいただきましたが、まずは元婚約者の方のお考えをきちんと説明していただかないと検討しようがないという考えに変わりがないことを伝えました。 「5」注14にも書いていますが、この録音の存在が記者から元婚約者の方に伝えられているのかどうかについては確認が取れていません。 [注31] 令和元年(2019年)7月11日に代理人が元婚約者の方と最初に面談した際も、元婚約者の方から私の母と直接会って話がしたいというご要望はいただきましたが、令和元年(2019年)8月8日に、認識の食い違いを確認できていない段階では応じることは難しい、まずは元婚約者の方のお考えをきちんと説明していただかないと検討しようがないとお答えしたことは本文で述べたとおりです。 まずは快諾していただいた3点を整理したうえで検討しましょうと提案し元婚約者の方も承諾されていましたので、その3点が整理できていない時点でこのご要望が出てきた理由は不明でしたが、理由を尋ねても会って話せば分かるという記者からの答えしか返ってきませんでした。 ちなみに元婚約者の方から私と直接会いたいと言われたことは一度もありません。 この点に関する週刊現代の記事は誤りです。 [注32] 記者は、平成31年(2019年)の文書に書かれている内容(私と母が認識している経緯等の説明)があまりにも精緻であり、いずれも反論は難しいことが理由のようだと言っていました。 [注33] このような経緯ですので、話し合いは「交渉」段階にすら至っていません。 その前段階に当たる、双方の認識の食い違いがどこにあるのかという点の整理・精査の段階で、もう金銭を求めることはしないという話になり、そのため、「認識の食い違いの整理」段階で話し合いが途切れてしまっています。 その意味では週刊現代の記事にある交渉は終わらせたいと伝えたというのは正確ではなく、もはや金銭の請求はしないし、そのための話し合いは不要なのでやめたいと言われたというのが正確です。 [注34] 週刊現代は、元婚約者の方の窓口となっていた記者が、少なくとも令和元年(2019年)5月8日に代理人に初めて会った時点(「6」注19を参照してください)では専属契約をしていた週刊誌です(現在は不明です)。 [注35] 週刊現代の記事によると、元婚約者の方はこのご意向を代理人に2019年末に伝えたとのことですが、正確には令和元年(2019年)11月13日のことでした。また、このご意向を世間に公表すると明確におっしゃるようになったのは遅くとも令和2年(2020年)10月5日のことでした。 いずれにしても、眞子様が令和2年(2020年)11月13日に公表された文書を理由にするのは無理があります。 [注36] 仮定の話ですが、もしきちんと話し合いが進んでもなお互いの認識の食い違いが解消されず対立も止むを得ないような状況になっていたとしたら、こちら側から初めて、平成25(2013年)8月のように金銭の性質に関する主張をしたかもしれません。しかしその場合でも、「4」注9で説明しているように、贈与を受けたのだから返さなくてよいという主張にはなりません。 以上