国連事務総長「接種されたワクチンの75%は10か国に」
一方で、ワクチンを公平分配する国際的な枠組み「COVAXファシリティ」は、これまでに7200万回分のワクチンを125か国に分配してきたと説明しました。
そのうえで「あと16億ドルの資金があれば18億回分のワクチンを中低所得国に分配できる」と述べて、国際社会によるさらなる資金支援が必要だと訴えました。
そのうえで「今も新型コロナウイルスの感染が続き、人々が日々、命の危険にさらされている。だからこそ、世界中の国々でワクチン接種ができるだけ早く進むよう、協力しなければならない」と強調し、各国に世界的なワクチンの公平な分配への協力を加速させるよう呼びかけました。
日本は去年9月、この枠組みへの参加をいち早く表明して、世界初の拠出国となり、これまでに2億ドルを拠出しています。 各国の拠出額はことし5月30日時点で、 ▼最も多いアメリカが25億ドル、 ▼2位のドイツが9億ドル余り、 ▼3位のイギリスが7億ドル余りなどとなっていますが、 すべての国や地域を合わせても70億ドルと、目標には届いていませんでした。 こうした中で、日本が新たに8億ドルを追加で拠出することになり、これまでと合わせた拠出額は10億ドルとなります。 不足していた分のかなりの部分を補えるうえ、合計の拠出額も世界有数の規模となります。 ワクチンをめぐっては、中国やロシアが自国企業による開発を推進し、幅広い地域に自国製の製品を配布する独自の「ワクチン外交」を展開していますが、日本政府は今後も国際的な枠組みを通じて支援を続けていく考えです。 このほか日本は「コールドチェーン」と呼ばれる低温での輸送網を途上国に整備する支援にも取り組んでいて、東南アジアやアフリカなどの国々に合わせて87億円を拠出して、ワクチンの保冷設備の購入などに充ててもらっています。
米副大統領「世界中で接種進むよう協力」
世界と日本のワクチンめぐる支援は