分科ぶんか会かいでは、2回かい目めの接種せっしゅを終おえて8か月かげつ以上いじょうたった人ひとを対象たいしょうとする案あんも示しめされましたが、委員いいんから「科学かがく的てきな根拠こんきょが不足ふそくしている」という指摘してきが相次あいつぎ今後こんご、科学かがく的てき知見ちけんを踏ふまえて検討けんとうしていくことになりました。

また、追加ついか接種せっしゅの時期じきについて「すでに接種せっしゅを受うけた医療いりょう従事じゅうじ者しゃが感染かんせんするケースが増ふえている」として早期そうきの開始かいしを求もとめる意見いけんが出でた一方いっぽう「まずは2回かいの接種せっしゅを終おえることを優先ゆうせんすべきだ」といった声こえも多おおく、引き続ひきつづき協議きょうぎしていくことになりました。

海外かいがいの状況じょうきょうですが、対象たいしょう者しゃは国くにによって異ことなります。

▽イスラエルは12歳さい以上いじょう

▽フランスは65歳さい以上いじょうの人ひとや重度じゅうどの免疫めんえき不全ふぜんがある人ひと、高齢こうれい者しゃ施設しせつの入居にゅうきょ者しゃなど

▽ドイツは60歳さい以上いじょうの人ひとや高齢こうれい者しゃ施設しせつの入居にゅうきょ者しゃ、免疫めんえき不全ふぜんがある人ひと、感染かんせん者しゃと定期ていき的てきに接触せっしょくする医療いりょう従事じゅうじ者しゃや救急きゅうきゅう隊員たいいんなどが対象たいしょうです。

▽イギリスは今月こんげつから50歳さい以上いじょうの人ひとや現場げんばで働はたらく医療いりょう従事じゅうじ者しゃや介護かいご職員しょくいん、基礎きそ疾患しっかんがある人ひとなどを対象たいしょうに追加ついか接種せっしゅを始はじめる予定よていです。

▽アメリカも現在げんざい、対象たいしょうとしている中等ちゅうとう度ど以上いじょうの免疫めんえき不全ふぜんがある人ひとに加くわえ、今月こんげつから2回かい目めの接種せっしゅを終おえて8か月かげつ以上いじょうたった人ひとも対象たいしょうに加くわえることを検討けんとうしていて17日にち夜よる、判断はんだんすることにしています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは対象たいしょうとなる人ひとや開始かいしする時期じきについて今後こんご、検討けんとうすることにしています。

また、通常つうじょうであれば3回かい目めの接種せっしゅを行おこなうかは日本人にっぽんじんでの臨床りんしょう試験しけんを行おこなったうえで判断はんだんするとしたうえで「2回かい接種せっしゅをした人ひとでもいわゆる『ブレークスルー感染かんせん』が起おこっている中なかでは、3回かい目めの接種せっしゅについて準備じゅんびをしておくことは必要ひつようだ。抗体こうたいの上あがり方かたに個人こじん差さがあるのと同おなじく、下さがり方かたにも個人こじん差さがある。また、抗体こうたいとは別べつに細胞さいぼう性せいの免疫めんえきが免疫めんえきの記憶きおくを獲得かくとくしていると考かんがえられていて、細胞さいぼう性せい免疫めんえきも半年はんとしで効果こうかが下さがるのかどうかはまだ分わかっていない。今後こんごの感染かんせん状況じょうきょうも踏ふまえながら3回かい目めの接種せっしゅを急いそぐのがいいのか、遅おそい時期じきになってもいいので毎年まいとし、接種せっしゅを行おこなうやり方やりかたにするのか考かんがえておくことが重要じゅうようだ」と述のべました。

▽ファイザーのワクチンの発症はっしょう予防よぼう効果こうかが88％で5.7ポイント

▽アストラゼネカが67％で7.5ポイント

それぞれ低下ていかするという報告ほうこくもあります。

追加ついか接種せっしゅから1か月かげつ後ごの中和ちゅうわ抗体こうたい価かが2回かい目め接種せっしゅの1か月かげつ後ごに比くらべて

▽55歳さい以下いかで5倍ばい以上いじょう

▽65歳さいから85歳さいで11倍ばい以上いじょうに

上昇じょうしょうしたと報告ほうこくしています。

追加ついか接種せっしゅの2週間しゅうかん後ごの中和ちゅうわ抗体こうたい価かが2回かい目め接種せっしゅの6か月かげつ後ごから8か月かげつ後ごまでと比くらべておよそ42倍ばいに増加ぞうかしたとしています。

追加ついか接種せっしゅ後ごに中和ちゅうわ抗体こうたい価かが増加ぞうかしたと報告ほうこくしています。

▽ファイザーのワクチンでは2回かい目めの接種せっしゅに比くらべて「頻度ひんどが同どう程度ていどか低ひくかった」

▽モデルナでは「許容きょようできる範囲はんいだった」「副ふく反応はんのうの半数はんすう以上いじょうは軽度けいどか中等ちゅうとう度どだった」

▽アストラゼネカでは「1回かい目めの接種せっしゅ後ごより少すくなかった」と

報告ほうこくされています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは

▽ファイザーと年内ねんないに1億おく9400万まん回分かいぶんの供給きょうきゅうを受うける契約けいやくを交かわし、来年らいねん初頭しょとうからさらに1億おく2000万まん回分かいぶんの供給きょうきゅうを受うけることを前提ぜんていに協議きょうぎを進すすめています。

▽モデルナからは年内ねんないに5000万まん回分かいぶん、来年らいねん初頭しょとうからもさらに5000万まん回分かいぶんの供給きょうきゅうを受うける契約けいやくを結むすんでいます。

▽アストラゼネカとは1億おく2000万まん回分かいぶんの供給きょうきゅうを受うける契約けいやくを結むすんでいます。

▽追加ついか接種せっしゅのために会場かいじょうや人員じんいんを新あらたに確保かくほしなくてはならず

▽対象たいしょう者しゃのうち2回かい目めの接種せっしゅから8か月かげつ以上いじょうたった人ひとを確実かくじつに把握はあくして、接種せっしゅ券けんを送おくる作業さぎょうも必要ひつようになります。

まだ、多おおくの自治体じちたいが2回かいの接種せっしゅへの対応たいおうに追おわれている中なかで追加ついか接種せっしゅが始はじまれば負担ふたんが増ふえるだけでなく、手続てつづきなどが複雑ふくざつになって混乱こんらんするおそれもあります。

＜東京とうきょう 豊島としま区く担当たんとう者しゃ＞

「2回かい目めの接種せっしゅを行おこなっている中なかで今いまから3回かい目めの接種せっしゅの準備じゅんびにまで手てが回まわるかが心配しんぱいだ。必要ひつようなワクチンがきちんと配送はいそうされるのか、接種せっしゅ券けんをどう送おくるのか、会場かいじょうをいつから確保かくほするのかなど課題かだいが多おおい」

＜東京とうきょう 足立あだち区く担当たんとう者しゃ＞

「接種せっしゅ会場かいじょうを常設じょうせつすることなども検討けんとうする必要ひつようがあるので、3回かい目めで終おわるのか今後こんごも毎年まいとし、接種せっしゅを行おこなっていくのか国くには長期ちょうき的てきなスケジュールを示しめしてほしい」

対象たいしょうとなるのは

▽高齢こうれい者しゃ施設しせつの入居にゅうきょ者しゃや

▽医療いりょう従事じゅうじ者しゃ

▽50歳さい以上いじょうの人ひとたちなどで

臨床りんしょう試験しけんの結果けっか、高たかい効果こうかが確認かくにんされているとして基本きほん的てきにファイザーかモデルナのワクチンを接種せっしゅし、モデルナの場合ばあいには半分はんぶんの量りょうにするとしています。

その理由りゆうとして

▽ワクチン接種せっしゅから時間じかんがたつと感染かんせんや発症はっしょうを防ふせぐ効果こうかが低下ていかするとみられ、中なかでもデルタ株かぶに対にたいしてこれらの効果こうかが低下ていかするとみられること

▽3回かい目めの接種せっしゅによりウイルスの働はたらきを抑おさえる「中和ちゅうわ抗体こうたい」の値ねが大おおきく上昇じょうしょうするという研究けんきゅう結果けっかが得えられていること

などを挙あげています。

FDA＝食品しょくひん医薬品いやくひん局きょくは17日にちに専門せんもん家かによる委員いいん会かいを開ひらいて接種せっしゅの是非ぜひについて検討けんとうすることにしています。

この中なかで専門せんもん家かは

▽患者かんじゃが重症じゅうしょう化かするのを防ふせぐ効果こうかはこれまでの接種せっしゅによって保たもたれているとしたうえで

▽追加ついかの接種せっしゅによってどのような効果こうかが得えられるのかまだ明確めいかくに示しめされていないなどとして

現時点げんじてんでは広ひろく一般いっぱんの人ひとに追加ついかの接種せっしゅを行おこなう必要ひつようは認みとめられず、まだ接種せっしゅをしていない人ひとを優先ゆうせんすべきだとしています。

ワクチンの追加ついか接種せっしゅをめぐっては、どのような効果こうかを期待きたいするのか、誰だれを対象たいしょうにするのかなどをめぐって専門せんもん家かの意見いけんは分わかれていて、議論ぎろんが続つづいています。