兵庫県の斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題で、県議会では、すべての会派と無所属議員、あわせて86人の議員全員が知事に対し、直ちに辞職するよう求めています。
17日は自民党や維新の会など県議会のすべての会派の代表者と議会運営委員長が19日の定例議会初日の対応を協議しました。
この中では、斎藤知事が19日の本会議までに辞職要求に応じなければ、本会議では、補正予算案の成立後、すべての会派と無所属議員が共同で知事に対する不信任決議案を提出し、その日のうちに全会一致での可決を目指す方針を確認しました。
不信任決議案が可決された場合、斎藤知事は10日以内に議会を解散するか、失職かを選択することになります。
斎藤知事 続投に重ねて意欲
斎藤知事は県庁で記者団に対し「3年前に知事に就任し、改革を進めてきたことにいろいろな思いを持った人もいたと思うが、県民の負託を受けて対応してきた。これからも改革を続けていきたい」と述べ、続投に重ねて意欲を示しました。
そのうえで、「知事としての判断は孤独な面もある。不信任決議案が可決された場合は、自分で考えて政治家としての対応を決断する」と述べ、議会の解散も排除せず検討する考えを改めて示しました。
知事 元副知事の聴取「表現がいきすぎた面あった」
斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題で当時の副知事が告発文書を作成した元局長に行った聴取について、斎藤知事は、ことばや表現にいきすぎた面があったとした一方で、県の対応に問題はないという認識を重ねて示しました。
県が行った内部調査で、片山安孝・元副知事が、告発文書を作成した元局長を聴取した際の記録が残されています。
この中では、告発文書の作成者が明らかになる前に、元局長の公用メールから文書の骨子とみられる内容が見つかったとして、元副知事が「ほんまに作った覚えはないと言い張るんか。片っ端から調べていくことになる」などと発言したことが記録されています。
これについて斎藤知事は17日記者団に対し「違法かどうかは別として、ことばの強さや内容などは、表現がいきすぎた面はあったと思う」と述べました。
一方で「文書を把握してからは県として法的にもきちんと対応してきたと思っている」と述べ、県の対応に問題はないという認識を重ねて示しました。