“新あらたな伝説でんせつ”「50-50」 大谷おおや翔しょう平たいら 初はつのプレーオフへ【解説かいせつ】

ドジャースのロバーツ監督かんとくが大谷おおや翔しょう平ひら選手せんしゅを形容けいようする際さいによく使つかうことばを、この日ひほど実感じっかんする日ひはありませんでした。6打数だすう6安打あんだ10打点だてん。そしてホームラン3本ほん、2盗塁とうるいでの「50-50」達成たっせい。

大谷おおや選手せんしゅ自身じしんが「これだけ打うてたことは人生じんせいでもない」と言いうほどの驚異きょうい的てきな活躍かつやくで、大リーグだいり-ぐ7年ねん目めで自身じしん初はじめてのプレーオフ進出しんしゅつを決きめるという記録きろく的てきな1日にちとなりました。

（ロサンゼルス支局しきょく 記者きしゃ 本間ほんま祥さち生せい）

偉業いぎょうは“思い出おもいでの地ち”で

この偉業いぎょうを成し遂なしとげた「場所ばしょ」と「日ひづけ」。

それこそが、大谷おおや選手せんしゅを「物語ものがたりの中なかにいる」と言いわしめているゆえんだと感かんじさせます。

今こんシーズン最初さいしょで最後さいごのマーリンズの本拠地ほんきょちでの3連戦れんせん。

会場かいじょうのマイアミの「ローンデポ・パーク」は、去年きょねんのWBC＝ワールド・ベースボール・クラシックの決勝けっしょうが行おこなわれた球場きゅうじょうです。みずからが最後さいごにマウンドに立たって日本にっぽんの世界一せかいいちを決きめた思い出おもいでの球場きゅうじょうで、大谷おおや選手せんしゅは大リーグだいり-ぐに新あらたな歴史れきしを刻きざみました。

この日ひ、大谷おおや選手せんしゅが1回かいにシーズン50盗塁とうるいに到達とうたつすると、相手あいての本拠ほんきょ地ちながらファンからは大だい歓声かんせいがあがり、大谷おおや選手せんしゅに打席だせきが回まわるたびに観客かんきゃくが立ち上たちあがり、球場きゅうじょう全体ぜんたいが期待きたい感かんに包つつまれたような雰囲気ふんいきでした。

“9月つき19日にち”は特別とくべつな日ひ

そして、この試合しあいが行おこなわれた現地げんち9月つき19日にちは、ちょうど1年ねん前まえに大谷おおや選手せんしゅが2度目どめとなる右みぎひじのじん帯じんたいの修復しゅうふく手術しゅじゅつを受うけた日ひです。

大谷おおや選手せんしゅは、その後そのごドジャースとプロスポーツ史上しじょう最高さいこう額がくで10年ねん契約けいやくを結むすび、新あたらしいチームでピッチャーとしてのリハビリをしながらバッターに専念せんねんするシーズンを過すごしてきました。

しかし、シーズン開幕かいまく直後ちょくごに、これまで公私こうしともにサポートしてもらってきた水原みずはら元もと通訳つうやくの違法いほう賭博とばくを巡めぐる問題もんだいが発覚はっかく。

今こんシーズン最初さいしょのホームランまでは9試合しあい、41打席だせきかかり、8月つきは打撃だげき不振ふしんに陥おちいるなど決けっして順風じゅんぷう満まん帆ほなシーズンではありませんでした。

ドジャースに加入かにゅうしたあとにはと話はなしていた大谷おおや選手せんしゅ。

シーズンの途中とちゅうでの離脱りだつと2回かい目めの手術しゅじゅつを余儀よぎなくされた失意しついの日ひからちょうど1年ねん後ご、プレーオフ進出しんしゅつを決きめたチームの歓喜かんきの輪わの中心ちゅうしんにいました。

大谷おおや選手せんしゅは去年きょねん7月つき27日にち、デトロイトで行おこなわれたタイガースとのダブルヘッダーの第だい1試合しあいで先発せんぱつとして完封かんぷう勝利しょうりを挙あげ、第だい2試合しあいで2打席だせき連続れんぞくホームランという活躍かつやくを見みせ、この日ひは投打とうだの二刀流にとうりゅうを象徴しょうちょうする「伝説でんせつの日ひ」と呼よばれました。

「9月つき19日にち」はこれを超こえる新あらたな伝説でんせつとして語り継かたりつがれる日ひになるかもしれません。

初はつのプレーオフへ

そして、10月つきからは大谷おおや選手せんしゅにとっては初はじめてのプレーオフの戦たたかいが始はじまります。

ドジャースは先発せんぱつピッチャーに離脱りだつが相次あいつぎ、決けっしてチーム状況じょうきょうがいいとは言いえません。

それでも大谷おおや選手せんしゅの「物語ものがたり」の続つづきはワールドシリーズで再ふたたび歓喜かんきの中心ちゅうしんにいる姿すがただと思おもわずにはいられない「50-50」の偉業いぎょう達成たっせいでした。

栗山くりやま英樹ひでき氏し「物語ものがたりとして与あたえられるすばらしいHR」

大谷おおや翔しょう平ひら選手せんしゅがプロ野球やきゅうの日本ハムにほんはむに入団にゅうだんした時ときの監督かんとくで、投打とうだの二刀流にとうりゅうの選手せんしゅとして育そだてた栗山くりやま英樹ひできさんはと話はなしていました。

また「50-50」を達成たっせいした球場きゅうじょうが、去年きょねんのWBC＝ワールド・ベースボール・クラシックの決勝けっしょうの舞台ぶたいで栗山くりやまさんが監督かんとくを務つとめた日本にっぽん代表だいひょうがアメリカを倒たおして優勝ゆうしょうを果はたした「ローンデポ・パーク」だったことについてはと話はなしていました。

その上うえでと、さらなる活躍かつやくを期待きたいしていました。