また欧米で急性肝炎になった子どもの多くでアデノウイルスが検出されていることについて「アデノウイルス自体はありふれたウイルスなので、患者から検出されたからといってすぐには原因だとは断定できないと思うが、アデノウイルスは飛まつを通じてだけでなく接触感染で広がることも多いので、手洗いはしっかりしてほしい」と話しています。
国内で確認された原因不明の肝炎の可能性がある患者は3人になりました。
WHO=世界保健機関によりますと、イギリスやアメリカなど12か国で主に10歳以下の子どもで急性肝炎の報告が相次ぎ、今月21日の時点で少なくとも169人の患者が報告され、このうち1人が亡くなっています。
厚生労働省によりますと、国内で新たに16歳以下の子ども2人が原因不明の急性肝炎と診断され入院したということです。
厚生労働省は、今月25日に原因不明の肝炎の可能性がある患者が初めて確認されたと発表していて、国内で確認された患者は3人となりました。
この3人の関連性は明らかにしていません。
WHOによりますと、海外で報告された患者からは一般的な肝炎ウイルスは検出されず、原因は分かっていませんが、患者の4割余りからはのどの痛みなどを引き起こすアデノウイルスが検出されています。
厚生労働省は、全国の自治体に同様の症状がある患者がいれば報告するよう求めるとともに海外での状況について情報収集を進めています。
専門家「今の時点では過度に心配する必要はないのでは」
小児科の医師で子どもの肝臓病に詳しい茨城県立こども病院の須磨崎亮名誉院長は「子どもでも軽い肝炎は一般的に起こるが、肝移植が必要だったり肝不全が出たりするようなケースはまれだ。報告が相次いでいる欧米と同様のことが日本でも起きるかどうかはまだよく分からない。子どもではA型からE型の肝炎には該当せず、原因がはっきりしない急性肝炎がしばしば起きるので実際に件数が増えているのか国や専門家がよく調べる必要はあるが、今の時点では一般の保護者が過度に心配する必要はないのではないか。ただ子どもに白目の部分が黄色く見える『おうだん』の症状が出たり、おう吐や下痢で元気がなくて水分が取れない状態になったりすれば、すぐに医療機関を受診してほしい」と話しています。
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