南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしん 評価ひょうかつたかたは?報告ほうこくしょ骨子こっしあん

Easy Japanese news
Nov 1, 2016 18:11
Furigana
일본 신문
東海とうかい地震じしんふくめた、南海なんかいトラフで想定そうていされる巨大きょだい地震じしんあらたな防災ぼうさい対策たいさく在り方ありかた検討けんとうしているくに検討けんとうかい調査ちょうさ部会ぶかいいちにちひらかれ、巨大きょだい地震じしん正確せいかく予測よそく困難こんなんだとあらためて指摘してきしたうえで、震源しんげんいき通常つうじょうことなる変化へんかきた場合ばあいに、どのような評価ひょうかつたかた可能かのうかなどを盛り込もりこんだ報告ほうこくしょ骨子こっしあんりまとめました。駿河するがわんから四国しこくおきにかけての南海なんかいトラフで想定そうていされる巨大きょだい地震じしんをめぐっては、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいのあと、南海なんかいトラフ全域ぜんいき震源しんげんいきとする巨大きょだい地震じしんへの対策たいさく切り替きりかえられるとともに、現状げんじょうでは、確度かくどたか地震じしん予測よそく困難こんなんだという専門せんもん見解けんかいしめされ、くにはことし9月くがつ検討けんとうかいもうけ、地震じしん予知よち前提ぜんていとした東海とうかい地震じしん対策たいさく見直みなおしをふくめてあらたな防災ぼうさい対策たいさく在り方ありかた議論ぎろんしています。

いちにちは、検討けんとうかいのもとに設置せっちされた調査ちょうさ部会ぶかいひらかれ、南海なんかいトラフの震源しんげんいき通常つうじょうとはことなる変化へんかきた場合ばあいに、どのような評価ひょうかつたかた可能かのうかなどを盛り込もりこんだ報告ほうこくしょ骨子こっしあんりまとめました。

それによりますと、現状げんじょうでは、巨大きょだい地震じしん発生はっせい時期じき規模きぼ正確せいかく予測よそくするのは困難こんなんだとあらためて指摘してきしたうえで、通常つうじょうことなる変化へんかについてよっつの具体ぐたいてきなケースをあげて評価ひょうかなどを検討けんとうしました。

このうち、震源しんげんいき一部いちぶだけがずれうごいた場合ばあいや、マグニチュードななクラスの規模きぼおおきな地震じしん震源しんげんいき発生はっせいした場合ばあいには、過去かこ統計とうけいてきなデータなどから、いち週間しゅうかんから週間しゅうかん程度ていどとく最初さいしょさん日間にちかんは、周辺しゅうへん巨大きょだい地震じしん発生はっせいする可能かのうせいたかまっているなどとえるのではないかとしています。

一方いっぽう東海とうかい地震じしん判定はんてい基準きじゅん想定そうていされている、震源しんげんいきのプレート境界きょうかい地震じしんまえおおきくずれうごく「前兆ぜんちょうすべり」のような現象げんしょう観測かんそくされた場合ばあいについては、地震じしん危険きけんせいはふだんよりはたかまっているとかんがえられるものの、過去かこ観測かんそくされた事例じれいがないため、現状げんじょうでは具体ぐたいてき評価ひょうかはできず、さらに検討けんとう必要ひつようだとしました。

検討けんとうかいでは報告ほうこくしょ骨子こっしあんまえ、これまでの東海とうかい地震じしん予知よち前提ぜんていとした仕組しくみをふくめて、防災ぼうさい対策たいさく見直みなおしや、あらたな情報じょうほう在り方ありかたなどについて今後こんご具体ぐたいてき議論ぎろんおこなわれる見通みとおしです。

よっつのケースとは

検討けんとうかい設置せっちされた調査ちょうさ部会ぶかいでは想定そうていされる南海なんかいトラフの巨大きょだい地震じしん震源しんげんいき通常つうじょうことなる変化へんか観測かんそくされた場合ばあいについて、よっつの具体ぐたいてき事例じれいをあげ、どのような評価ひょうかつたかた可能かのうかを検討けんとうしました。

(ケースいち

ひとは、南海なんかいトラフの震源しんげんいき一部いちぶだけがずれうごいた場合ばあいです。南海なんかいトラフでは、震源しんげんいき一部いちぶがずれうごいてマグニチュードはちクラスの巨大きょだい地震じしんきたあとに、隣接りんせつする領域りょういき巨大きょだい地震じしんがたびたびきています。

このうち、昭和しょうわいちきゅうねんの「昭和しょうわひがし南海なんかい地震じしん」が発生はっせいしたねんには、その西側にしがわ領域りょういきで、「昭和しょうわ南海なんかい地震じしん」が、いちはちよんねんには「安政あんせい東海とうかい地震じしん」が発生はっせいしたさん時間じかんに、その西側にしがわ領域りょういきで「安政あんせい南海なんかい地震じしん」がそれぞれ発生はっせいしています。

調査ちょうさ部会ぶかいは、世界せかい各地かくち地震じしん統計とうけいからも、同様どうよう現象げんしょう数多かずおお観測かんそくされているとしたうえで「今後こんごいち週間しゅうかんから週間しゅうかん程度ていどとく最初さいしょさん日間にちかん隣接りんせつする領域りょういき震源しんげんいきとする巨大きょだい地震じしん発生はっせいする可能かのうせいたかいと指摘してきできるのではないか」としています。

(ケース

ふたのケースは、南海なんかいトラフの震源しんげんいきで、想定そうていよりも規模きぼちいさい、マグニチュードななクラスの地震じしん発生はっせいした場合ばあいです。

南海なんかいトラフでは、巨大きょだい地震じしん発生はっせいするまえに、マグニチュードななクラスの地震じしん観測かんそくされた記録きろくはありませんが、ねんまえ東北とうほくおき巨大きょだい地震じしんでは、にちまえ震源しんげんちかくで、マグニチュードななさん地震じしん発生はっせいしています。

骨子こっしあんでは世界せかい全体ぜんたいると、マグニチュードななクラスの地震じしんのあと、さんねん以内いないにさらに規模きぼおおきな地震じしん発生はっせいした事例じれい全体ぜんたいよん程度ていどにあたるれいあり、このうちれいさんにち以内いない規模きぼおおきな地震じしん発生はっせいしているとしたうえで、「いち週間しゅうかんから週間しゅうかん程度ていどとく最初さいしょさん日間にちかん発生はっせい可能かのうせいたかいと指摘してきできるのではないか」としています。

ただ、いずれのケースでも、巨大きょだい地震じしんきないことも十分じゅうぶんかんがえられ、その場合ばあいに、観測かんそくデータなどをもとにどのような評価ひょうかをして情報じょうほうとしてつたえていくか、検討けんとうする必要ひつようがあると指摘してきしています。

(ケースさん

みっのケースは、南海なんかいトラフの震源しんげんいきで、地下ちかすい水位すいい変化へんかや、震源しんげんいきのプレート境界きょうかい長期ちょうきかんにわたってゆっくりとずれうご変化へんかなど、ねんまえ巨大きょだい地震じしんまえられたような、通常つうじょうとはことなる現象げんしょう複数ふくすう観測かんそくされた場合ばあいです。

これについて骨子こっしあんは、巨大きょだい地震じしん発生はっせいとどのような関連かんれんがあるか、科学かがくてき検証けんしょう十分じゅうぶんではなく、「ただちに巨大きょだい地震じしん発生はっせいするかしないかを判断はんだんすることはできない」としたうえで、さらに比較的ひかくてき規模きぼおおきな地震じしん発生はっせいしたり、すべりが拡大かくだいしたりしないかなど、その後そのご変化へんか注意深ちゅういぶか監視かんしする必要ひつようがあるとしています。

(ケースよん

よっのケースは、東海とうかい地震じしん判定はんてい基準きじゅん想定そうていされている、地震じしんまえ震源しんげんいきのプレート境界きょうかいおおきくずれうごく「前兆ぜんちょうすべり」のような現象げんしょう観測かんそくされた場合ばあいです。

これについて骨子こっしあんでは、巨大きょだい地震じしん発生はっせいする危険きけんせいはふだんよりは相対そうたいてきたかまっているものの、これまでに観測かんそくされたれいがないため、危険きけんせいがどれだけたかまっているかや、いつまでに巨大きょだい地震じしんきるかなど、具体ぐたいてき評価ひょうかはできないとしています。

そのうえで、いずれのケースについても現象げんしょう適切てきせつ観測かんそくし、なにきているのかをリアルタイムに解析かいせきすることが重要じゅうようだとして、内陸ないりくふくめた南海なんかいトラフ全域ぜんいき観測かんそく態勢たいせい強化きょうかするとともに、観測かんそくされたデータや解析かいせき結果けっか即時そくじ公開こうかいしていくことが重要じゅうようだと指摘してきしています。

予測よそく調査ちょうさ部会ぶかい検討けんとう経緯けいい

くにはこれまで東海とうかい地震じしんについては、いつどこで、どれくらいの規模きぼ地震じしんきるかを事前じぜん特定とくていする「地震じしん予知よち」の可能かのうせい唯一ゆいいつある地震じしんだとしてきました。

その根拠こんきょとしてきたのは、巨大きょだい地震じしんこるまえに、地盤じばんがゆっくりとずれうごく「前兆ぜんちょうすべり」とばれる現象げんしょうとらえられる可能かのうせいがあるとする理論りろんです。

このため気象庁きしょうちょうは、ごくわずかな地盤じばん変化へんか観測かんそくすることができる「ひずみけい」とばれる観測かんそく機器きき静岡しずおかけんなどのななか所かしょ設置せっちして、よん時間じかん態勢たいせい監視かんしつづけています。

しかし、想定そうていしていなかったねんまえ東北とうほくおき巨大きょだい地震じしんをきっかけに、内閣ないかく南海なんかいトラフでの巨大きょだい地震じしん想定そうてい見直みなおし、最大さいだいクラスを想定そうていするとともに、これまでの予知よち予測よそく在り方ありかたについて専門せんもんによる検討けんとうかい議論ぎろんおこないました。

さんねんまえりまとめられた報告ほうこくしょでは、直前ちょくぜん地盤じばん変化へんかとらえられないまま、巨大きょだい地震じしん発生はっせいする可能かのうせいがあることや、変化へんかとらえられたとしても地震じしん発生はっせいしないことがありるとしたうえで、「現在げんざい科学かがくてき知見ちけんから南海なんかいトラフできる地震じしん規模きぼ発生はっせい時期じきたか確度かくど予測よそくすることは一般いっぱんてき困難こんなんである」という見解けんかいをまとめました。

そのうえで、従来じゅうらい地盤じばん変動へんどう観測かんそくや、GPS観測かんそくなどで地殻ちかく変動へんどう変化へんかとらえられた場合ばあいには、「確実かくじつではあるが地震じしん発生はっせいする危険きけんせいがふだんよりたかまっている状態じょうたいにあるとみなすことはできる」としています。

このためくにはことし9月くがつに、南海なんかいトラフの巨大きょだい地震じしん防災ぼうさい対策たいさく在り方ありかた議論ぎろんする検討けんとうかい設置せっちしました。

いちにちひらかれた調査ちょうさ部会ぶかいはこの検討けんとうかいなかもうけられ、さんねんまえ報告ほうこくしょりまとめた委員いいんたちが、通常つうじょうことなる地震じしん活動かつどうやプレートのうごきが観測かんそくされた場合ばあいに、どのような評価ひょうか可能かのう科学かがくてき知見ちけんから検討けんとうすすめていました。

今回こんかい報告ほうこくしょ骨子こっしあんは、今後こんごひらかれる南海なんかいトラフの巨大きょだい地震じしん防災ぼうさい在り方ありかた議論ぎろんする検討けんとうかい提出ていしゅつされ、これまでの東海とうかい地震じしん予知よち前提ぜんていとした仕組しくみをふくめて、防災ぼうさい対策たいさく見直みなおしや、あらたな情報じょうほう在り方ありかたなどについてあらためて議論ぎろんおこなわれる予定よていです。

調査ちょうさ部会ぶかい座長ざちょう

調査ちょうさ部会ぶかい座長ざちょうつとめた名古屋なごや大学だいがく大学院だいがくいん山岡やまおかこうはる教授きょうじゅは「今回こんかい骨子こっしあんでは、南海なんかいトラフの震源しんげんいききる現象げんしょうについて、現在げんざい科学かがくでどこまで評価ひょうかできるか議論ぎろんおこない、科学かがくでわかる部分ぶぶんと、わからない部分ぶぶんをかなりはっきりすることができたのではないか。今後こんご検討けんとうかいでは、今回こんかいしめした評価ひょうか被害ひがい軽減けいげん役立やくだてるために、どのように社会しゃかいつたえいくかなどを議論ぎろんし、研究けんきゅうしゃ住民じゅうみん行政ぎょうせいそれぞれが納得なっとくするかたちめていくことが重要じゅうようだ」とはなしています。

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