News Up 陥没かんぼつ事故じこでも注目ちゅうもく 自治体じちたいトップのソーシャル発信はっしん

福岡ふくおか市しの高島たかしま市長しちょうは、自身じしんのフェイスブックやブログ、それにツイッターを使つかって、約やく３さん時間じかん半はん後ごに「博多はかた駅前えきまえ２に丁目ちょうめ交差点こうさてん付近ふきんで道路どうろ陥没かんぼつ事故じこが発生はっせいしました」「２に次じ被害ひがい対策たいさくでガスはすでに遮断しゃだん作業さぎょう中ちゅう」などと発信はっしんしました。その後そのご、周辺しゅうへんのビルに避難ひなん勧告かんこくを出だしたことや、下水道げすいどう管かんに被害ひがいが出でているため、利用りようを制限せいげんする必要ひつようがあること、それに復旧ふっきゅう作業さぎょうの方針ほうしんや見通みとおしについて投稿とうこうしました。

陥没かんぼつ事故じこで注目ちゅうもく 市長しちょうの情報じょうほう発信はっしん

福岡ふくおか市しのＪＲじぇいあ-る博多はかた駅前えきまえで、突然とつぜん道路どうろが陥没かんぼつし始はじめたのは８はち日にち午前ごぜん５ご時じごろ。５ご車線しゃせんある市道しどうが、幅はば約やく２に７ななメートル、長ながさ３さん０ぜろメートルにわたって崩れ落くずれおちました。

福岡ふくおか市しの高島たかしま市長しちょうは、自身じしんのフェイスブックやブログ、それにツイッターを使つかって、約やく３さん時間じかん半はん後ごに「博多はかた駅前えきまえ２に丁目ちょうめ交差点こうさてん付近ふきんで道路どうろ陥没かんぼつ事故じこが発生はっせいしました」「２に次じ被害ひがい対策たいさくでガスはすでに遮断しゃだん作業さぎょう中ちゅう」などと発信はっしんしました。その後そのご、周辺しゅうへんのビルに避難ひなん勧告かんこくを出だしたことや、下水道げすいどう管かんに被害ひがいが出でているため、利用りようを制限せいげんする必要ひつようがあること、それに復旧ふっきゅう作業さぎょうの方針ほうしんや見通みとおしについて投稿とうこうしました。

最もっとも拡散かくさんし関心かんしんを集あつめたと見みられるのは、「穴あなにたまった水みずは抜ぬかない」と述のべた投稿とうこうです。

復旧ふっきゅう作業さぎょうの手順てじゅんや見通みとおしに関にかんしてＱ＆Ａ形式けいしきで説明せつめいした中なかで市長しちょうは、対策たいさく本部ほんぶの工事こうじ担当たんとう者しゃの話はなしとして、地下ちか水すいと同おなじレベルまで水みずがたまったことで逆ぎゃくに地盤じばんが安定あんていしているため、水みずを抜ぬかずに、水みずの中なかでも固かたまる「流動りゅうどう化か処理しょり土ど」を入いれて穴あなを埋うめることを説明せつめいしました。

こうした情報じょうほう発信はっしんについてネットでは、「市民しみんの目線めせんが良よくわかってる」「下手へたな報道ほうどうより、福岡ふくおか市しの高こう島宗しまむね一郎いちろう市長しちょうの説明せつめいの方ほうが、早はやいし分わかりやすいし適切てきせつだね」「高島たかしま市長しちょうやるなぁ。こういうのが事後じごの安心あんしん感かんを呼よぶよね」などと、評価ひょうかするコメントが目立めだちました。

最近さいきん目立めだつ自治体じちたいトップの発信はっしん

大だい規模きぼな災害さいがいや事故じこが起おきたとき、自治体じちたいのトップが直接ちょくせつソーシャルメディアを使つかって情報じょうほうを発信はっしんした例れいとしては、熊本くまもと市しの大西おおにし市長しちょうも、ことし４月しがつの熊本くまもと地震じしんの際さい、ツイッターを使つかって積極せっきょく的てきに発信はっしんし続つづけました。

ライフラインの状況じょうきょうや被災ひさい者しゃへの支援しえん制度せいどなどの情報じょうほうを発信はっしんしたり、逆ぎゃくに水道すいどうの水みず漏もれ箇所かしょについて市民しみんに情報じょうほう提供ていきょうを求もとめたりしたほか、地震じしんで市内しないの動物どうぶつ園えんからライオンが逃げ出にげだしたというデマがネットに広ひろまったときは、動物どうぶつ園えんの管理かんり者しゃの立場たちばから、市しのホームページに掲載けいさいした情報じょうほう以外いがいは公式こうしき発表はっぴょうではないとツイートして、冷静れいせいな対応たいおうを呼よびかけました。

大西おおにし市長しちょうは一連いちれんの地震じしんが起おきる前まえから、趣味しゅみの音楽おんがくについて毎日まいにちツイートするなどして多おおくのフォロワーがいて、一定いっていの情報じょうほう発信はっしん力りょくがありました。それに加くわえて災害さいがい時じに積極せっきょく的てきに情報じょうほうのやりとりをしたことで、現在げんざいのフォロワー数すうは、地震じしん前まえの２に倍ばいほどの８はち万まん人にん近ちかくになっています。

市しの広報こうほう課かは、「市しの各かく部局ぶきょくの公式こうしきアカウントはフォロワーが数すう百ひゃく人にんから数すう千せん人にんぐらいで、市長しちょうの個人こじんアカウントを通つうじた発信はっしんは拡散かくさん力りょくがあって、非常ひじょうに有効ゆうこうだった」と話はなしています。

「災害さいがい時じこそ、指揮しき官かんは時間じかんがある」

評価ひょうかする声こえがある一方いっぽうで、非常時ひじょうじに最高さいこう責任せきにん者しゃの市長しちょうがツイッターなどで熱心ねっしんに情報じょうほう発信はっしんすることに、疑問ぎもんがあがったこともありました。

熊本くまもと市しの大西おおにし市長しちょうは会見かいけんで、「職員しょくいんは日々ひびの業務ぎょうむだけではなく、緊急きんきゅう対応たいおうで忙殺ぼうさつされています。一方いっぽう、トップである私わたしのところには、正確せいかくな情報じょうほうがいろいろと上あがってくる。ツイッターなら、その中なかでいち早いちはやく市民しみんの方ほうにお知おしらせしたほうがよい情報じょうほうを、私わたしが判断はんだんすることができます」と述のべています。

また、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいのときなどに情報じょうほうを発信はっしんした千葉ちば市しの熊谷くまがい市長しちょうも、「『災害さいがい時じの首長しゅちょうがそんな時間じかんあるの？』と思おもわれる方ほうもいらっしゃるかもしれませんが、実じつは災害さいがい時じこそ指揮しき官かんは時間じかんがあります。緊急きんきゅう時じは通常つうじょうの予定よていが全すべて無なくなり、常つねに報告ほうこくを受うけ、判断はんだんができる状態じょうたいにあります。暇ひまですし暇ひまでなければいけません」と述のべました。

「それぞれに合あった情報じょうほう発信はっしんを」

自治体じちたいの首長しゅちょうによる取り組とりくみについて、災害さいがい時じの情報じょうほう発信はっしんに詳くわしい群馬ぐんま大学だいがくの片田かただ敏孝としたか教授きょうじゅは、「災害さいがい時じに不安ふあんを感かんじている市民しみんにとっては、行政ぎょうせいの考かんがえや取り組とりくみがリアルタイムにわかることや、トップが自分じぶんたちと一体いったいとなって災害さいがいに向き合むきあおうとしているという安心あんしん感かんにつながるなどの点てんで、有効ゆうこうだと思おもう」と話はなしています。そのうえで、「いったん発信はっしんを始はじめると、その後そのごもリアルタイムで情報じょうほう提供ていきょうすることが期待きたいされる。軽かるい思おもいつきではできない、ということは自覚じかくしてほしい」と指摘してきしています。

また、自治体じちたいの首長しゅちょうによっては、ソーシャルメディアに対にたいする知識ちしきや関心かんしんに差さがあり、今後こんご、発信はっしんが上手じょうずな首長しゅちょうと、そうでない首長しゅちょうとの間まの格差かくさが生しょうじることも考かんがえられます。静岡しずおか大学だいがくの牛山うしやま素行そこう教授きょうじゅは、情報じょうほう発信はっしんの有効ゆうこう性せいは認みとめたうえで、「情報じょうほう発信はっしんをしない首長しゅちょうが『意識いしきの低ひくい、時代遅じだいおくれな人ひと』というような評価ひょうかがされてはいけないと思おもう。自治体じちたいが的確てきかくな情報じょうほうを発信はっしんすることが重要じゅうようで、首長しゅちょう自身じしんでなければならないということはなく、それぞれの自治体じちたいにとってやりやすい方法ほうほうをとることが必要ひつようだ」と話はなしています。