その結果、「バスに乗ろうとしたら乗車を拒否された」とか、「『双子用のベビーカーは畳まないと乗れない』と言われ、乗るのを諦めた」といった声が多く寄せられたということです。
このため、東京都やバス会社で作る団体などに対して、原則として畳まなくても乗れるようにすることや、ベビーカーを「車いすスペース」に置けるようにすることなどを求めています。
NHKがバス会社に取材したところ、都営バスは双子用ベビーカーで実験をした結果、通路部分を塞いでしまうとして、畳まないと乗れないとしているほか、一定の条件のもとで、畳まないで乗れるバス会社もあり、対応は一律ではありません。
一方、国土交通省の担当者は「そのまま乗るのが困難な場合もあると思うが、原則として畳まないで乗れるのが基本です。譲り合ってすべての人に快適に乗車してもらいたい」と話しています。
国交省設置の協議会「原則、畳まず乗れる」
国土交通省が設けた公共交通機関の代表などで作る協議会は、5年前、バスの構造上難しい場合やカーブや山道など走行環境が厳しい場合などを除いて、原則としてベビーカーは折り畳まずに乗れるようにするという報告をまとめています。
報告ではベビーカーの利用者も周囲の人との接触に気をつけることが必要だとしているほか、車いす用のスペースをベビーカーが利用しやすくするようにすることも求めています。
双子の母親「本当に困っている時 乗せてほしい」
都内に住む1歳9か月の双子の母親、秋澤春梨さんは子どもが生後2か月の時、病院に行くためにバスに乗ろうとした際、双子用のベビーカーを畳むよう求められ乗車を諦めました。
2人をだっこして、荷物も手に持ち、畳んだベビーカーも抱えて安全にバスに乗ることはできないと考えたからです。
持病のある子どもを都内の病院に通院させたいと考えていましたが、バスに乗れないために諦め電車で神奈川県まで通院しています。
秋澤さんは「朝や夕方の混んでいる時に無理やり乗ろうとは思っていません。炎天下や子どもの通院など本当に困っている時に乗せてほしいのです。お菓子などを用意して子どもを騒がせないようにしますし、手伝ってもらえなくても自分で乗れるように心構えもしています」と話していました。