グランプリファイナルは、先月まで行われたグランプリシリーズ6大会で上位の成績をおさめた選手たちが出場する大会で、イタリアのトリノで5日に開幕しました。
羽生選手はグランプリシリーズを2連勝して今大会に進み、3年ぶり5回目の優勝をかけて5日に行われた男子シングル前半のショートプログラムに出場しました。
羽生選手は演技冒頭の4回転サルコーと続く得意のトリプルアクセルを鮮やかに決めて高い出来栄え点を獲得しました。
しかし4回転からの連続ジャンプでは、最初のジャンプの着氷が乱れて予定していた連続ジャンプができず、大きく減点されました。
羽生選手は3つのスピンとステップでは最高評価のレベルフォーを獲得したものの、みずからが持つショートプログラムの世界最高得点に10点以上及ばない97.43で2位につけました。
大会2連覇中のアメリカのネイサン・チェン選手は冒頭の4回転ルッツや4回転からの連続ジャンプをほぼミスなく決めるなどレベルの高い安定した演技を披露して羽生選手に13点近い差をつける110.38をマークしてトップに立ちました。
男子シングルのフリーは7日に行われます。
羽生「調整できていたが本番に出し切れなかった」
羽生結弦選手は「冒頭の4回転サルコーやトリプルアクセルは悪くはなかったが、そのあとの連続ジャンプで力が入りすぎてしまった。ミスの仕方としてはあまりないパターンだった。しっかり調整できていたが、本番に出し切れなかった。情けないなと思うが、仕方がない」と言葉少なに振り返りました。
直前にアメリカのネイサン・チェン選手が高得点をマークしたことについて「得点は頭に入っていた。意識はあったが、キレイな演技をしてきちんとやれば超えられると思っていた」と話しました。
後半のフリーでここ2年、演技構成に組み込んでいない難度の高い4回転ルッツに挑むかどうかについて「調子次第だが、入れたいとは思う。自分が何をできるかしっかり考えないといけない。フリーに向けて1分1秒をしっかり過ごしたい」と話していました。