一般的に大リーグのボールは日本のプロ野球のボールよりも滑りやすいとされ、これまで大リーグに挑戦した多くの日本選手も対応に苦しんできました。
2014年には当時ヤンキースのピネダ投手が登板中に首筋に松やにがついていることが確認されて退場となり、10日間の出場停止処分を受けました。
アメリカのメディアは、こうした滑りやすいボールに苦しむピッチャーが少しでも指をかけやすくするためにルールで認められている滑り止めのロジンだけでなく、より粘着性のある禁止物質を長年使用してきたと伝えています。
使われている禁止物質は松やにのほか日焼け止めのクリームや整髪料などさまざまで、ピッチャーは登板前にあらかじめグローブの内側や首の裏、手首などにこうした物質を塗り付け、それをボールに付けていたとされています。
これらはもちろんルール違反ですが、近年、禁止物質がさらに進化したことでボールの回転数や変化球のキレが大きく向上したという疑惑があり、ここにきて問題が表面化した形です。
ヤンキースのエースで今シーズン7勝をあげているゲリット・コール投手は8日「こうした禁止物質を使ったことがあるか」と会見で問われ「正直、何と言っていいか分からない」と回答を避けました。
コール投手は「自分たちよりも前の世代から引き継がれてきた慣習というものはある。ただ、この件で現在は確かに境界線を越えているものもあると思う」と話し、大リーグで禁止物質が長年使われてきたことを示唆していました。
また、ダルビッシュ投手は5日、自身のツイッターに「ボールに問題があると大リーグ機構はわかっているのにずっと滑りまくるボールを提供してくる。わかってるんだからそっちを先にどうにかしましょう」と投稿し、ボールの問題を指摘しています。