ウクライナの調査機関「キーウ国際社会学研究所」が先月行った最新の世論調査によりますと「必要なだけ戦争に耐える用意がある」と答えた人の割合は57%で、この1年で16ポイント減少しました。
また「答えることが難しい」という人は11ポイント増え18%でした。
調査機関代表 “去年の苦戦が大きい”
研究所のフルシェツキー代表は「最も重要なのは前線の状況だ。ウクライナ東部で領土を失い、国民の気持ちや意見に影響を与えた。多くの人たちは何らかの和平合意に署名する方がよいと考え始めた」と述べ、ウクライナ軍が去年、苦戦を強いられたことが大きいと分析しました。
その上で「人々はどんな犠牲を払ってでも平和を求めているわけではない」とも述べ、和平に向けてはウクライナの安全を確保できるかが鍵になるとしています。
一方、ロシアの侵攻をめぐり早期終結に意欲を示すアメリカのトランプ次期大統領については「ウクライナの人々はトランプ氏が悪い平和と引き換えにウクライナを『売る』とは思っていない。よいことも悪いことも含めさまざまな期待を抱いている」と述べ、トランプ氏のメッセージに高い関心が寄せられていると指摘しました。
ウクライナは去年、東部のドネツク州やハルキウ州を中心に3600平方キロメートル以上の領土を失ったとみられていて、地元当局によりますと首都キーウへ避難した人は1年間で1万1000人増えました。
東部ドネツク州などから避難した12家族41人が暮らすキーウ市内の支援施設では、ロシアの侵攻ができるだけ早く終わって欲しいという声が聞かれました。
避難者 “戦争 耐えられない 和平を”
このうちドネツク州コスチャンチニウカから避難した女性は「戦争には耐えられません。『どこもいいが、自宅が最高だ』という言葉もあります。和平交渉が始まることを願っています」と話していました。
別の男性は「多くの友人や知人が亡くなり、悲しみや不幸を感じています。戦闘が停止し自宅に戻れることを願っています」と話していました。
また、別の女性は「戦争が始まってほぼ3年です。平和で平穏な暮らしがほしい。トランプ氏には、約束通りウクライナに平和をもたらすため、全力を尽くしてほしい」と話していました。