国内こくないでSAFの量産りょうさんのための施設しせつが建設けんせつされるのは初はじめてだとしています。

SAFが重視じゅうしされる理由りゆうは、脱だつ炭素たんそ社会しゃかいの実現じつげんに向むけて切迫せっぱくした事情じじょうがあります。

SAFの先進せんしん地ちで環境かんきょう意識いしきの高たかいヨーロッパでは、飛行機ひこうきを利用りようすることを「飛とび恥はじ」、つまり飛とぶのは恥はじということばもあるほど。

航空こうくう会社かいしゃには厳きびしい目めが向むけられています。

民間みんかんの航空こうくう機きの運航うんこうルールを定さだめるICAO＝国際こくさい民間みんかん航空こうくう機関きかんも2050年ねんに国際線こくさいせんの航空こうくう機きが排出はいしゅつする二に酸化さんか炭素たんその量りょうを実質じっしつゼロにすることを目標もくひょうにしています。

そのため、機体きたいの軽量けいりょう化かや効率こうりつ化かも進すすめられていますが、限界げんかいがあるといいます。

ほかのエネルギーに目めを向むけても、EVなどで活用かつようされるバッテリーは重量じゅうりょうがあって旅客機りょかくきには向むいていないとされ、水素すいそを燃料ねんりょうとするにはインフラ整備せいびが必要ひつようといった理由りゆうで、すぐに導入どうにゅうするのは難むずかしいとみられています。

旅客機りょかくきが強力きょうりょくな推進すいしん力りょくを得えるにはジェット燃料ねんりょうに頼たよらざるを得えず、そこで注目ちゅうもくされているのが、従来じゅうらいの化石かせき由来ゆらいの燃料ねんりょうに置き換おきかえて利用りようできる、SAFなのです。

今いま、争奪そうだつ戦せんとも言いえる状況じょうきょうが起おきています。

京都きょうと市しに本社ほんしゃがある、使用しよう済ずみ油ゆの回収かいしゅうや、燃料ねんりょうの製造せいぞうを行おこなう会社かいしゃ「レボインターナショナル」の京都きょうと府ふ八幡やはた市しにある事業じぎょう所しょ。

こちらには毎日まいにち、およそ10台だいのトラックが関西かんさいを中心ちゅうしんに飲食いんしょく店てんなどから回収かいしゅうしています。

会社かいしゃは現在げんざい、回収かいしゅうした油あぶらを、車くるま向むけのバイオディーゼル燃料ねんりょうの原料げんりょうなどとして活用かつようしていて、堺さかい市しの工場こうじょうが稼働かどうすればSAF向むけに供給きょうきゅうを始はじめる予定よていです。

かつては多おおくの回収かいしゅう業者ぎょうしゃが飲食いんしょく店てんなどから代金だいきんをもらって引き取ひきとっていましたが、需要じゅようの高たかまりに伴ともなって、今いまでは回収かいしゅう業者ぎょうしゃが逆ぎゃくに代金だいきんを支払しはらって買い取かいとるケースが増ふえているというのです。

このため、より高たかい代金だいきんを支払しはらう業者ぎょうしゃに顧客こきゃくを奪うばわれてしまうこともあるといいます。

こうした“争奪そうだつ戦せん”が起おきている背景はいけいについて、業界ぎょうかい団体だんたいの全国ぜんこく油脂ゆし事業じぎょう協同きょうどう組合くみあい連合れんごう会かいは、いち早いちはやくSAFの製造せいぞうに乗り出のりだしたヨーロッパなどで、使用しよう済ずみの油あぶらへの需要じゅようが高たかまっていることがあると分析ぶんせきしています。

ほとんどが家畜かちくの飼料しりょうの原料げんりょうなどとして利用りようされてきました。

ところが、近年きんねん海外かいがい向むけの需要じゅようが急激きゅうげきに高たかまり、令りょう和わ3年度ねんどには、3割わりにあたる12万まんトンが輸出ゆしゅつされました。

需要じゅようの高たかまりに伴ともなって、輸出ゆしゅつの際さいの取引とりひき価格かかくは、およそ2.6倍ばいに急騰きゅうとう。

使用しよう済ずみ油ゆの価値かちは急きゅう上昇じょうしょうし、争奪そうだつ戦せんにつながっているというのです。