Japanese News: G7広島サミットは何を残した？ウクライナの人そして被爆者は

G7広島ひろしまサミットが21日にちに閉幕へいまくしました。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうの出席しゅっせきも得えて国際こくさい秩序ちつじょを守り抜まもりぬく決意けついやG7の連帯れんたいを示しめすことができたとしています。

今回こんかいのサミットを被爆ひばく者しゃの人ひとたち、そしてウクライナの人ひとたちはどのように見みていたのか。

そして、サミットは何なにを残のこしたのか。

（22日にちの動うごきを随時ずいじ更新こうしんしてお伝おつたえします）

ウクライナからの避難ひなん者しゃ「G7に出席しゅっせきした決断けつだん評価ひょうかしたい」

21日にちに閉幕へいまくしたG7広島ひろしまサミットにウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうが参加さんかしたことについて、都内とないにいるウクライナの避難ひなん者しゃからは、サミットでの一連いちれんの外交がいこうが戦争せんそうの終結しゅうけつにつながることを期待きたいする声こえなどが聞きかれました。

去年きょねん4月つきにウクライナから日本にっぽんに避難ひなんし、「日本にっぽんウクライナ友好ゆうこう協会きょうかい」が運営うんえいする都内とないの料理りょうり店てんで働はたらくヴィクトリア・ステブリュクさんは、21日にち、G7広島ひろしまサミットに出席しゅっせきしたゼレンスキー大統領だいとうりょうの様子ようすをテレビで見守みまもったということです。

22日にち、NHKの取材しゅざいに応おうじたヴィクトリアさんは「ゼレンスキー大統領だいとうりょうが日本にっぽんに来きてくれたことはとてもうれしかったですし、G7という大おおきな国際こくさい会議かいぎに出席しゅっせきした決断けつだんを評価ひょうかしたいです」と話はなしていました。

そのうえで「戦争せんそうによって多おおくの人ひとが亡なくなっているウクライナの現状げんじょうをほかの国々くにぐにのリーダーに直接ちょくせつ伝つたえ、さらなる支援しえんやロシアへの制裁せいさいの継続けいぞくを呼よびかけることができたのは重要じゅうような機会きかいだったと思おもいます」と述のべ、サミットでの一連いちれんの外交がいこうが戦争せんそうの終結しゅうけつにつながってほしいと期待きたいを寄よせていました。

平和へいわ公園こうえんのフェンス撤去てっきょ市民しみんや観光かんこう客きゃくらでにぎわう

広島ひろしま市しの平和へいわ公園こうえんはG7広島ひろしまサミットの警備けいびに伴ともなって開幕かいまくの前日ぜんじつの18日にちから公園こうえんを囲かこむようにフェンスが設もうけられ、立ち入たちいりが制限せいげんされていました。

この制限せいげんは21日にち夜よるに解除かいじょされフェンスを撤去てっきょする作業さぎょうも始はじまったことから22日にちは市民しみんや観光かんこう客きゃくらが公園こうえんを訪おとずれていました。

訪おとずれた人ひとたちはG7の首脳しゅのうらが献花けんかした慰霊いれい碑ひの前まえまで足あしを運はこんだり、サミットのモニュメントの前まえで写真しゃしんを撮とったりしていました。

2歳さいの子こどもと一緒いっしょに訪おとずれた市内しないに住すむ夫婦ふうふは「首脳しゅのうが訪おとずれたことで被爆ひばく地ちのことが世界せかいに伝つたわったらいいなと思おもいます。子こどもが大おおきくなったら今回こんかいのことを伝つたえたいです」と話はなしていました。

また、インドネシア出身しゅっしんの女性じょせいは「きのうは入いれなかったのできょう来きました。首脳しゅのうが訪おとずれた場所ばしょに来くることができてうれしいです」と話はなしていました。

広島ひろしまサミット県民けんみん会議かいぎによりますと、フェンスの撤去てっきょは出入り口でいりぐちの周辺しゅうへんから優先ゆうせん的てきに行おこない、1週間しゅうかんから2週間しゅうかんほどかけて作業さぎょうを進すすめるということです。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうの記帳きちょう内容ないよう公表こうひょう

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうが、21日にち、広島ひろしま市しの原爆げんばく資料しりょう館かんを訪問ほうもんした際さいに「芳名ほうめい録ろく」に記帳きちょうした内容ないようが公表こうひょうされました。

それによりますと「資料しりょう館かんの訪問ほうもんに深ふかく感銘かんめいを受うけた。世界中せかいじゅうのどの国くにも、このような苦痛くつうと破壊はかいを経験けいけんすることがあってはいけない。現代げんだいの世界せかいに核かくによる脅おどしの居場所いばしょはない」と記しるしています。

ロシアのプーチン大統領だいとうりょうが核かく戦力せんりょくの使用しようも辞じさない構かまえを見みせる中なか、被爆ひばく地ち・広島ひろしまで核かくの脅おどしに屈くっしない姿勢しせいを示しめしています。

小倉おぐら桂子けいこさん「大統領だいとうりょうは泣なくのをこらえていたのだと思おもう」

21日にち、原爆げんばく資料しりょう館かんを訪おとずれたウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうに英語えいごでみずからの被爆ひばく体験たいけんを伝つたえた広島ひろしま市し在住ざいじゅうで被爆ひばく者しゃの小倉おぐら桂子けいこさん（85）が一夜いちや明あけて、思おもいを語かたりました。

22日にち、広島ひろしま市しの国際こくさいメディアセンターで報道ほうどう陣じんの取材しゅざいに応おうじた小倉おぐらさんは、原爆げんばく資料しりょう館かんを訪おとずれたゼレンスキー大統領だいとうりょうと面会めんかいしたときの様子ようすについて「私わたしの被爆ひばく体験たいけんを話はなすと、ゼレンスキー大統領だいとうりょうは何なにもおっしゃらず、厳きびしい顔かおをして、声こえも出でないという感かんじでした。おそらく、自分じぶんの国くにと重ね合かさねあわせて、泣なくのをこらえていたのだと思おもいます。街まちはどんなに壊こわされても再建さいけんすることができますが、いちばん大切たいせつなのは人ひとの命いのちです。子こどもたちの命いのちを守まもってくださいとお伝おつたえしました」と話はなしました。

また、小倉おぐらさんは、原爆げんばく資料しりょう館かんを訪おとずれたすべての首脳しゅのうたちに証言しょうげんをしたということで「知しることが戦争せんそうをやめさせる一番いちばん最初さいしょの平和へいわ運動うんどうで、それが今回こんかいだと思おもう。彼かれらのやり方やりかたで、戦争せんそうを終おわらせてほしい。核兵器かくへいきの事実じじつを少すくなくとも私わたしはお話おはなしできたし、皆みなさんは感かんじられたと、自信じしんを持もって言いえます」と話はなし各国かっこくの首脳しゅのうが核兵器かくへいきの廃絶はいぜつに向むけて動き出うごきだすことに期待きたいを示しめしました。

G7首脳しゅのうと1人にんで面会めんかい “長ながい間まの葛藤かっとう追つい体験たいけんしてください”

広島ひろしま市長しちょう「首脳しゅのうたちに広島ひろしまの思おもい受け止うけとめてもらえたと思おもう」

湯崎ゆざき知事ちじは22日にち、G7広島ひろしまサミットを支援しえんしてきた広島ひろしまサミット県民けんみん会議かいぎの会長かいちょうとして記者きしゃ会見かいけんしました。

この中なかで湯崎ゆざき知事ちじは「交通こうつう規制きせいなどで県民けんみんの皆様みなさまにはさまざまな不便ふべんをかけたが協力きょうりょくのおかげで、円滑えんかつな開催かいさいができたことにお礼おれいを申し上もうしあげる」と述のべました。

そのうえで「サミットを通をつうじて広島ひろしまのすばらしさを感かんじてもらえたと思おもうので、このチャンスを活用かつようして、今後こんごも平和へいわ発信はっしんや、産業さんぎょうと観光かんこうの振興しんこうにつなげていきたい」と述のべました。

また、県民けんみん会議かいぎの副ふく会長かいちょうを務つとめる広島ひろしま市しの松井まつい市長しちょうは「平和へいわ公園こうえんや原爆げんばく資料しりょう館かんを訪問ほうもんした首脳しゅのうたちには広島ひろしまの思おもいをしっかり受け止うけとめてもらえたと思おもう」と述のべました。

そして、ウクライナのぜレンスキー大統領だいとうりょうが急きゅうきょサミットに参加さんかしたことに触ふれ「ウクライナ政府せいふ側がわからも今いまの美うつくしい広島ひろしまを見みて復興ふっこう支援しえんをお願おねがいしたいという話はなしもあった。今後こんごも世界せかいの為政いせい者しゃや若わかい世代せだいへの平和へいわの発信はっしんに取り組とりくみたい」と述のべました。

キーウの市民しみん今後こんごの軍事ぐんじ支援しえんに期待きたいする声こえ

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうがG7広島ひろしまサミットに対面たいめんで参加さんかしたことについて、首都しゅとキーウの市民しみんからは21日にち、歓迎かんげいする声こえや今後こんごの軍事ぐんじ支援しえんに期待きたいする声こえが相次あいつぎました。

このうち、30代だいの男性だんせいは「ゼレンスキー大統領だいとうりょうが世界せかいを飛び回とびまわってくれてうれしいです。ウクライナには支援しえんが必要ひつようで大統領だいとうりょうはそれを各国かっこくに伝つたえてくれています」と話はなしていました。

また、アメリカが同盟どうめい国こくなどとともにウクライナの兵士へいしへのF16戦闘せんとう機きの訓練くんれんを開始かいしするなど新あらたな軍事ぐんじ支援しえんを表明ひょうめいしたことについては「長ながい間ま、待まっていました。F16戦闘せんとう機きならキーウに飛とんでくるミサイルを撃ち落うちおとし、防空ぼうくう能力のうりょくを高たかめてくれます」と歓迎かんげいしていました。

20代だいの女性じょせいは「サミットはウクライナで何なにが起おきたのかを伝つたえるすばらしい機会きかいだと思おもいます」と話はなし大統領だいとうりょうの対面たいめんでのサミット参加さんかを評価ひょうかしていました。

子連こづれの30代だいの女性じょせいはF16戦闘せんとう機きについて「本当ほんとうにすばらしい。私わたしたちには保護ほごが必要ひつようですし、領土りょうどを取り戻とりもどす必要ひつようがあります」と歓迎かんげいしたうえで、今月こんげつに入はいってロシア軍ぐんによる攻撃こうげきが増ふえていることに触ふれ戦闘せんとう機きの供与きょうよが早期そうきに実現じつげんすることに期待きたいを示しめしていました。

原爆げんばく資料しりょう館かん 4日にちぶりに開館かいかんオープン前まえには行列ぎょうれつも

G7広島ひろしまサミットの開催かいさいに伴ともなって今月こんげつ18日にちの正午しょうごから21日にちまで休館きゅうかんしていた原爆げんばく資料しりょう館かんが22日にちから再開さいかいし、多おおくの外国がいこく人じんなどが訪おとずれています。

4日にちぶりに開館かいかんすることから、オープン前まえには外国がいこく人じんを中心ちゅうしんに多おおくの人ひとが列れつをつくって開館かいかんを待まちました。

そして、午前ごぜん8時半じはんにオープンすると並ならんでいた人ひとたちは続々ぞくぞくと中なかに入はいり、展示てんじに見入みいっていました。

また、サミットの開催かいさいにあわせて資料しりょう館かんの窓まどガラスに貼はられていた目張めばりが剥へがされる様子ようすも見みられました。

並ならんでいたカナダ人じんの男性だんせいは「もともとはもっと早はやく訪おとずれる予定よていでしたがサミットの影響えいきょうで予定よていを後うしろ倒たおししました。サミットの開催かいさいと同おなじ時期じきに展示てんじを見みることで、広島ひろしまに起おこったことをより学まなぶことができると思おもいます」と話はなしていました。

また、アメリカから資料しりょう館かんを訪おとずれた女性じょせいは「きのう訪おとずれる予定よていでしたが、閉しまっていることに気付きづき、きょう来くることにしました。原爆げんばくによって広島ひろしまに何なにが起おこったか知しりたいと思おもいます」と話はなしていました。

原爆げんばく資料しりょう館かんはサミットをきっかけに来館らいかん者しゃが増加ぞうかすることが予想よそうされることから7月つき末まつまでは通常つうじょうよりも1時間じかん長ながい午後ごご7時じまで開館かいかんすることにしています。

メイン会場かいじょう宇品うじな島とうの人ひとたちが警備けいびを終おえた警察官けいさつかんを見送みおくる

21日にちまで3日間にちかんにわたって開催かいさいされたG7広島ひろしまサミットでは、全国ぜんこくから派遣はけんされた警察官けいさつかんなど最大さいだい2万まん4000人にんの態勢たいせいで警備けいびが行おこなわれました。

メイン会場かいじょうとなったホテルがある広島ひろしま市し南みなみ区くの宇品うじな島とうでは、サミット開催かいさいの4日にち前まえから立ち入たちいりが制限せいげんされ21日にちに解除かいじょされました。

規制きせいの解除かいじょで島しまで警備けいびにあたった警察官けいさつかんが所属しょぞくに戻もどることから、22日にちは地元じもとの子こどもなど多おおくの人ひとたちが沿道えんどうに集あつまって警察官けいさつかんを見送みおくりました。

子こどもたちは「ありがとう」や「感謝かんしゃ」と書かかれた紙かみを掲かかげて沿道えんどうに立たち、警察官けいさつかんを乗のせた車両しゃりょうに向むかって手てを振ふって見送みおくっていました。

警察けいさつ車両しゃりょうに乗のった警察官けいさつかんも敬礼けいれいして住民じゅうみんにあいさつし「ご協力きょうりょくありがとうございました」などと呼こかけていました。

見送みおくりに来きた小学校しょうがっこう6年生ねんせいの児童じどうは「ありがとうという気持きもちで見送みおくりました。『お疲おつかれさまでした』という思おもいが伝つたわっていたらいいです」と話はなしていました。

また、見送みおくりを企画きかくした元宇品もとうじな町まちの門かど隆たかし興おき町内ちょうない会長かいちょうは「何事なにごともなく終おわりほっとしています。警備けいびにあたってくれた警察官けいさつかんのおかげなので感謝かんしゃしています」と話はなしていました。

避難ひなん者しゃ「世界せかいが侵略しんりゃくに立ち向たちむかい平和へいわ訪おとずれるのでは希望きぼうわいた」

21日にち夜よる、G7広島ひろしまサミットに参加さんかしたウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうが、ロシアを改あらためて非難ひなんしたうえで、将来しょうらい的てきにウクライナを復興ふっこうさせる決意けついを示しめしたことについて、埼玉さいたま県内けんないの避難ひなん者しゃからは、サミットを契機けいきに各国かっこくの対応たいおうに変化へんかが起おきて侵攻しんこうが終おわってほしいという希望きぼうの声こえが聞きかれました。

ステファニヤ・シトニツカさん（75）は、埼玉さいたま県内けんないで暮くらす娘むすめを頼たよって、去年きょねん5月つき、キーウ州しゅうから埼玉さいたま県けん川口かわぐち市しに避難ひなんしました。

21日にち夜よる、同おなじく避難ひなんしてきたイリーナ・スヴィドランさん（65）とゼレンスキー大統領だいとうりょうの会見かいけんをパソコンで見守みまもり、ステファニヤさんは、「大統領だいとうりょうの話はなしが心こころに響ひびきました。ウクライナで起おきていることをサミットの場ばから世界せかいに伝つたえられてよかったと思おもいます」と話はなしていました。

そのうえで、「すべての国々くにぐにが大統領だいとうりょうの話はなしに耳みみを傾かたむけ、ウクライナを支援しえんしてほしいです。今回こんかいのサミットによって各国かっこくの対応たいおうに変化へんかが起おきてウクライナ人じんの安全あんぜん確保かくほやロシアへの制裁せいさいなどにつながるのではないかと期待きたいしています。終おわりのない戦争せんそうはないはずです」と話はなしていました。