日本新闻: 【随時更新】ハマスさらに人質2人を解放死者は6400人超えに

イスラエル軍ぐんとイスラム組織そしきハマスによる大だい規模きぼな軍事ぐんじ衝突しょうとつで双方そうほうの死者ししゃ数すうが6400人にんを超こえ、このうち5000人にんあまりが死亡しぼうしたガザ地区ちくでは医療いりょう状況じょうきょうの悪化あっかが深刻しんこく化かしています。

一方いっぽう、地上ちじょう侵攻しんこうの準備じゅんびを進すすめるイスラエル軍ぐんは、ガザ地区ちく内ないに入はいって限定げんてい的てきな軍事ぐんじ作戦さくせんを行おこなったと明あきらかにし、現地げんちでは緊張きんちょうが高たかまっています。

※24日にち（日本にっぽん時間じかん）の動うごきを随時ずいじ更新こうしんでお伝おつたえします。

《軍事ぐんじ的てきな動うごき》

イスラエル軍ぐん大だい規模きぼな地上ちじょう侵攻しんこうへ準備じゅんび

イスラエル軍ぐんはガザ地区ちくへの空爆くうばくを続つづけるとともに周辺しゅうへんに戦車せんしゃ部隊ぶたいなどを集結しゅうけつさせ大だい規模きぼな地上ちじょう侵攻しんこうへの準備じゅんびを進すすめています。

イスラエル軍ぐんの報道ほうどう官かんは23日にち「ガザ地区ちくに深ふかく入はいって夜間やかんに戦車せんしゃと歩兵ほへい部隊ぶたいが襲撃しゅうげきを行おこない、テロリストの部隊ぶたいを殺害さつがいした」と述のべ、ガザ地区ちく内ないで限定げんてい的てきな軍事ぐんじ作戦さくせんを行おこなったことを明あきらかにしました。

そのうえで「襲撃しゅうげきは行方ゆくえがわからない人質ひとじちについての情報じょうほうを集あつめ、居場所いばしょを突き止つきとめることも目的もくてきだった」と述のべ、人質ひとじちについての情報じょうほう収集しゅうしゅうも狙ねらいだったと説明せつめいしました。

これに対にたいしイスラム組織そしきハマスも23日にち、ガザ地区ちく南部なんぶのハンユニスの付近ふきんで、境界きょうかい線せんをこえて侵入しんにゅうしてきたイスラエル軍ぐんの戦車せんしゃ1台だいとブルドーザー2台だいを破壊はかいしたとSNSで主張しゅちょうしていて現地げんちでは緊張きんちょうが高たかまっています。

死者ししゃは6400人にん超こえ

今月こんげつ7日にち以降いこうのイスラエルとハマスとの一連いちれんの衝突しょうとつでは、イスラエル側がわで少すくなくとも1400人にんが、ガザ地区ちくでは5087人にんが死亡しぼうし双方そうほうの死者ししゃは6400人にんを超こえています。

ガザ地区ちくとヨルダン川よるだんがわ西岸せいがん地区ちく子こどもの死者ししゃ1903人にんに

パレスチナの保健ほけん省しょうは23日にち、今月こんげつ7日にちにイスラエルとハマスの一連いちれんの衝突しょうとつがはじまってからのガザ地区ちくとヨルダン川よるだんがわ西岸せいがん地区ちくでの死者ししゃや医療いりょう状況じょうきょうについて発表はっぴょうしました。

それによりますと、これまでに死亡しぼうしたのは、ガザ地区ちくで5087人にん、ヨルダン川よるだんがわ西岸せいがんで95人にんだということで、このうち、双方そうほうあわせて子こどもの死者ししゃは1903人にんにのぼっているということです。

そして空爆くうばくなどにより全壊ぜんかいした住宅じゅうたくがあわせて2万まん6684棟むねに上のぼっているほか、イスラエル軍ぐんがガザ地区ちく北部ほくぶの住民じゅうみんに対にたいし南部なんぶへの退避たいひを通告つうこくする中なか、これまでに140万まん人にんが住すまいを追おわれたということです。

このうち68万まん人にん以上いじょうは親戚しんせきなどのもとに身みを寄よせていて、7万まん人にん近ちかくがおよそ150か所かしょある国連こくれん機関きかんの学校がっこうに、10万まん人にん余あまりがモスクや教会きょうかいなどに避難ひなんしているということです。

医療いりょう体制たいせいのひっぱくや避難ひなん生活せいかつによって衛生えいせい環境かんきょうが悪化あっかするなか、皮膚ひふ病びょうや下痢げりなどの症状しょうじょうも確認かくにんされているとして、戦闘せんとうが長引ながびくなか住民じゅうみんの健康けんこう状況じょうきょうのさらなる悪化あっかが懸念けねんされます。

ハマスさらに人質ひとじち2人にんを解放かいほう

こうした中なか、ハマスは23日にち、エジプトとカタールによる調停ちょうていを受うけて、ガザ地区ちくで拘束こうそくしている外国がいこく人じんを含ふくむ200人にん以上いじょうの人質ひとじちのうち2人にんを解放かいほうしたと発表はっぴょうしました。

2人にんはともにイスラエル国籍こくせきを持もつ、80歳さい代だいなどの高齢こうれいの女性じょせいで、ICRC＝赤十字せきじゅうじ国際こくさい委員いいん会かいも解放かいほうを手助てだすけして23日にちの夜よるにもガザ地区ちくから出でられることになったとSNSで発表はっぴょうしました。

人質ひとじちが解放かいほうされるのは今月こんげつ20日にちの、アメリカ国籍こくせきを持もつ親子おやこ2人にんに続つづいて2回かい目めです。

この2人にんについてハマスはこれまでに先さきに解放かいほうされた女性じょせい2人にんと同おなじ手順てじゅんで解放かいほうする用意よういが出来できているにもかかわらず、イスラエル側がわが受け入うけいれを拒否きょひしたとSNSで主張しゅちょうし、イスラエル側がわが否定ひていしていました。

ハマスは「敵てきが受け入うけいれを拒否きょひしているのは承知しょうちしているが、差し迫さしせまった人道じんどう上じょうの理由りゆうにより解放かいほうした」としています。そのうえで「引き渡ひきわたしを終おえるために調停ちょうてい国こくとの間まで合意ごういした手続てつづきのうちイスラエルは8つ以上いじょうを違反いはんしている」と主張しゅちょうしています。

ガラント国防こくぼう相しょう海軍かいぐん基地きちで激励げきれい

イスラエルのガラント国防こくぼう相しょうはガザ地区ちくに近ちかいイスラエルのアシュドッドにある海軍かいぐん基地きちを訪おとずれ、「まもなく始はじまる作戦さくせんに備そなえを続つづけよ。我々われわれは次つぎの段階だんかいへの準備じゅんびが完全かんぜんに出来できている。作戦さくせんは陸海空りくかいくうの多面ためん的てきな作戦さくせんになる。君きみたちが必要ひつようだ」と激励げきれいしました。

ガラント国防こくぼう相しょうをめぐっては、このところ地上ちじょう侵攻しんこうの開始かいし時期じきなどをめぐってネタニヤフ首相しゅしょうとの不ふ協和きょうわ音おんがメディアで報ほうじられていて、イスラエル首相しゅしょう府ふは23日にち、国防省こくぼうしょうと連名れんめいで2人にんの不和ふわを否定ひていする異例いれいの声明せいめいを発表はっぴょうしました。

声明せいめいは「首相しゅしょうと国防こくぼう相しょうと参謀さんぼう総長そうちょうは明確めいかくな目標もくひょうのもと互たがいに完全かんぜんな信頼しんらい関係かんけいで結むすばれている」としたうえで、「メディアは軍ぐんと我々われわれの一体いったい性せいを損そこなうような誤あやまった報道ほうどうを控ひかえ責任せきにんある態度たいどを示しめすべきだ」としてイスラエル政府せいふ内ないの意見いけんの相違そういをめぐる報道ほうどうに神経しんけいをとがらせています。

《ガザ地区ちくの現状げんじょう》

ガザ地区ちくへ支援しえん物資ぶっしが搬入はんにゅう 3日にち連続れんぞく

OCHA＝国連こくれん人道じんどう問題もんだい調整ちょうせい事務所じむしょの発表はっぴょうによりますと、23日にち、水みずや食料しょくりょう、それに医薬品いやくひんなどの物資ぶっしを積つんだトラック20台だいがガザ地区ちくに入はいったということです。

支援しえん物資ぶっしには燃料ねんりょうは含ふくまれず、パレスチナ難民なんみんを支援しえんするUNRWA＝国連こくれんパレスチナ難民なんみん救済きゅうさい事業じぎょう機関きかんでは、今後こんご2日にち以内いないに燃料ねんりょうが尽つき、水みずや食料しょくりょうの供給きょうきゅう、医療いりょうにも影響えいきょうが出でるおそれがあるとしています。

支援しえん物資ぶっしが搬入はんにゅうされたのは3日にち連続れんぞくで、人道じんどう状況じょうきょうの改善かいぜんに向むけて今後こんごも継続けいぞく的てきに行おこなえるかが焦点しょうてんです。

ガザ地区ちくでは、イスラエル軍ぐんの空爆くうばくにより推定すいていでおよそ140万まん人にんが家いえを追おわれ、このうちおよそ58万まん人にんが国連こくれんが指定していした150の緊急きんきゅう避難ひなん所しょに避難ひなんしているということです。

避難ひなん所しょ1か所かしょあたりの平均へいきんの避難ひなん者しゃの数かずはすでに収容しゅうよう基準きじゅんの2.5倍ばい以上いじょうに達たっし、支援しえん関係かんけい者しゃから過密かみつ状態じょうたいだと報告ほうこくされているということです。

ガザ地区ちく医療いりょう状況じょうきょうは悪化あっか

双方そうほうの緊張きんちょうが高たかまるなかパレスチナの保健ほけん省しょうは、23日にち、一連いちれんの衝突しょうとつが始はじまってからの深刻しんこくな医療いりょう状況じょうきょうの悪化あっかを発表はっぴょうしました。

それによりますとガザ地区ちくとヨルダン川よるだんがわ西岸せいがんでは、あわせて54人にんの医療いりょう関係かんけい者しゃが死亡しぼうしたほか、50台だいの救急きゅうきゅう車しゃが攻撃こうげきをうけおよそ半数はんすうが使つかえなくなったということです。

またガザ地区ちくでは35か所かしょの病院びょういんのうち10か所かしょが空爆くうばくや燃料ねんりょう不足ふそくで機能きのう停止ていしに陥おちいっているということです。

中なかには外科げか手術しゅじゅつが麻酔ますい無なしで行おこなわれたり、携帯けいたい電話でんわの明あかりを頼たよりに行おこなわれたりしている例れいもあるとしていて人道じんどう状況じょうきょうの悪化あっかに歯止はどめがかからない状態じょうたいが続つづいています。

「寝ねる布団ふとんもない状態じょうたい」

NHKのスタッフが23日にち南部なんぶラファで取材しゅざいした国連こくれんが運営うんえいする学校がっこうには、およそ3500人にんが避難ひなんしていて35ある教室きょうしつだけでは避難ひなん者しゃを受け入うけいれることができず、校庭こうていにテントを張はったり階段かいだんの踊り場おどりばにマットレスをしいたりして過すごしている人ひともいます。

校庭こうていでは1日にち1人にんあたり1枚まいだけ配給はいきゅうされるパンを運はこぶ子こどもや水みずをペットボトルにくんでいる子こどもたちの姿すがたも見みられました。

学校がっこうに避難ひなんしている女性じょせいは「イスラエル軍ぐんはすべてを破壊はかいしていて、もうどこにも安全あんぜんな場所ばしょはありません。ここに避難ひなんしたあとも寝ねる布団ふとんもない状態じょうたいです」と窮状きゅうじょうを訴うったえていました。

《外交がいこう関連かんれんの動うごき》

国連こくれん緊急きんきゅう特別とくべつ会合かいごうを26日にちに開催かいさいへ

イスラエル軍ぐんとハマスの大だい規模きぼな軍事ぐんじ衝突しょうとつをめぐって国連こくれんの安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいでは今月こんげつ18日にち、人道じんどう支援しえんのための戦闘せんとうの一時いちじ的てきな停止ていしなどを求もとめる決議けつぎ案あんの採決さいけつが行おこなわれ、12か国かこくが賛成さんせいしましたが、常任じょうにん理事りじ国こくのアメリカが拒否きょひ権けんを行使こうしして否決ひけつされました。

アメリカは決議けつぎ案あんにイスラエルの自衛じえい権けんが言及げんきゅうされていないことなどを理由りゆうとしてあげ、アメリカのイスラエル擁護ようごの姿勢しせいが浮き彫うきぼりになりました。

これを受うけてヨルダンなどアラブ諸国しょこくが国連こくれん総会そうかいの緊急きんきゅう特別とくべつ会合かいごうを開ひらくよう要請ようせいし、ニューヨークの国連こくれん本部ほんぶで26日にち午前ごぜんから、日本にっぽん時間じかんの26日にち夜よるから開催かいさいされることが決きまりました。

緊急きんきゅう特別とくべつ会合かいごうは193すべての国連こくれん加盟かめい国こくが参加さんかできるため、多おおくの国くにが意見いけんを表明ひょうめいする見通みとおしです。

アラブ諸国しょこくとしては地上ちじょう侵攻しんこうへの準備じゅんびを進すすめるイスラエルに対にたいして圧力あつりょくをかける狙ねらいがあるものとみられます。

国連こくれん総会そうかいの緊急きんきゅう特別とくべつ会合かいごうはロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを受うけて去年きょねんからたびたび開催かいさいされましたが、パレスチナ情勢じょうせいをめぐって緊急きんきゅう特別とくべつ会合かいごうが開ひらかれるのは2018年ねん以来いらい、およそ5年ねんぶりです。

露ろラブロフ外相がいしょうとイラン大統領だいとうりょうが会談かいだんアメリカをけん制けんせい

ロシアのラブロフ外相がいしょうは23日にち、イランの首都しゅとテヘランで開ひらかれた会議かいぎの出席しゅっせきにあわせてライシ大統領だいとうりょうと会談かいだんしました。

イラン大統領だいとうりょう府ふによりますと、会談かいだんではイスラエル・パレスチナ情勢じょうせいについても意見いけんが交かわされ、ライシ大統領だいとうりょうは「ガザで起おきていることは無む防備ぼうびで罪つみのない女性じょせいや子こどもたちに対にたいするひどい犯罪はんざいだ。これは欧米おうべいの国々くにぐにによる直接的ちょくせつてきな支援しえんによって行おこなわれている」と述のべ、イスラエルを支持しじするアメリカなどを非難ひなんしました。

一方いっぽう、会談かいだんの後のち、記者きしゃ会見かいけんを行おこなったラブロフ外相がいしょうは「アメリカは空母くうぼや兵士へいしをこの地域ちいきに派遣はけんするなど最さい前線ぜんせんで介入かいにゅうしようとしている。紛争ふんそうが拡大かくだいする危険きけん性せいが高たかまる」と述のべ、中東ちゅうとうでのアメリカ軍ぐんの動うごきを批判ひはんしました。

ロシアとイランはともに激はげしく対立たいりつするアメリカへの対抗たいこう軸じくとして最近さいきん、関係かんけいを強化きょうかしていて、イスラエル・パレスチナ情勢じょうせいが緊迫きんぱく化かする中ちゅうアメリカへのけん制けんせいも強つよめています。

英えいスナク首相しゅしょう病院びょういんの爆発ばくはつ “ガザから発射はっしゃの物体ぶったいの可能かのう性せい高たかい”

今月こんげつ17日にちにガザ地区ちく北部ほくぶの病院びょういんで発生はっせいし、多おおくの犠牲ぎせい者しゃが出でた爆発ばくはつについて、イギリスのスナク首相しゅしょうは23日にち、議会ぎかいで情報じょうほう機関きかんや兵器へいきの専門せんもん家かによる分析ぶんせき結果けっかとして「ガザ地区ちく内ないからイスラエルに向むけて発射はっしゃされた物体ぶったい、またはその一部いちぶによってもたらされた可能かのう性せいが高たかい」という見方みかたを明あきらかにしました。

爆発ばくはつをめぐって、これまでイスラエル側がわは関与かんよを否定ひていし、ハマスとは別べつの武装ぶそう組織そしき「イスラム聖戦せいせん」が発射はっしゃしたロケット弾だんによるものだと主張しゅちょうしているほか、アメリカやカナダもこれを支持しじする分析ぶんせき結果けっかを発表はっぴょうしています。

一方いっぽう、ハマスのほか、エジプト、ヨルダン、サウジアラビアなどのアラブ諸国しょこくはイスラエルによる攻撃こうげきだとして非難ひなんしていました。

スナク首相しゅしょうは「物事ものごとがとても繊細せんさいなときは、使つかうことばに特とくに注意ちゅういし、事実じじつのみに基もとづいて行動こうどうする責任せきにんがある。この事件じけんについての誤報ごほうは地域ちいきに悪あく影響えいきょうを及およぼした」と述のべ、発生はっせい当初とうしょの報道ほうどうでハマス側がわの主張しゅちょうが大おおきく取り上とりあげられたことを批判ひはんしました。