容疑者に専門的なITの知識はなく、「AIに聞けば何でもできると思った」などと供述しているということです。
逮捕されたのは、川崎市の無職、林琉輝容疑者(25)です。
警視庁によりますと、去年3月に、不正なプログラムの情報を引き出す目的で自宅のパソコンやスマホから、インターネット上に公開されている複数の対話型の生成AIに質問を繰り返し、コンピューターウイルスを作成したとして、不正指令電磁的記録作成の疑いが持たれています。
作成したのは「ランサムウエア」と呼ばれる身代金要求型のコンピューターウイルスで、攻撃対象のデータを暗号化したり、暗号資産を要求したりするプログラムが組み込まれていたということです。
容疑者に専門的なITの知識はなく、調べに対し「金を稼ぎたかった。AIに聞けば何でもできると思った」などと容疑を認めているということです。
このウイルスが実際に使われた形跡はなく、これまでのところ被害は確認されていないということです。
生成AIを悪用したコンピューターウイルスの作成の摘発は全国初とみられます。
生成AIをめぐっては、犯罪などに悪用されるリスクが世界中で懸念される中、国内でも法規制について議論が始まっています。