パンデミック(感染症の世界的な流行)に襲われた社会の悲惨さなどを描き、出版社が最初は「非常に非現実的」として突き返した小説が新型コロナウイルスの蔓延で注目を浴び、このほど初めて刊行されました。
この小説は英国スコットランドの作家、ピーター・メイ氏(68)が2005年に執筆した「Lockdown」です。
物語の舞台はパンデミックの発生源となるロンドンで、当局が都市封鎖を迫られる過程などを描きました。現実味を帯びさせるため米英両国が02年から準備したとするパンデミックへの対応策に関する文書を参考にしたということです。
シナリオライター出身のメイ氏によると、出版社は当時、極めて非現実的で不合理な内容として刊行を拒否しました。これを受けメイ氏は出版を後回しにし、最後にはこの小説を書いたことすら忘れていたということです。