東京目黒区にあるクリニックの発熱外来では、今週に入って受診と検査を希望する人が増加し、1日の受診者が1か月前の2倍となる20人余りとなっています。
検査結果を日付順にまとめた一覧表をみると、先月上旬には検査を受けた患者のうち陽性となる人は1割前後でしたが、今月からは7割ほどまで増えています。
また、朝から発熱外来の受診を求める電話が相次ぎ、午前中に一日の予約枠がすべていっぱいになりましたが、その後も電話が鳴りやまず、受付のスタッフが対応に追われていました。
また、猛暑日が続いた先週は、「熱中症になった」として受診した患者が、実際は新型コロナに感染していたケースが5件相次いだということです。 このためクリニックでは問診で状況を詳しく聞き取ったうえで、屋内の涼しい場所に移動したあとも体調が悪化したり熱が上がったりした場合は、熱中症ではなく新型コロナやそれ以外の病気の疑いがあると慎重に見分けているということです。
4回目のワクチン接種は前回の接種から5か月がたった60歳以上の人などを対象に進められていますが、接種を終えた人は6日公表分までで全国でおよそ130万人となっています。 特に高齢者の中には体が不自由だったり厳しい暑さもあったりして接種会場に出向くことが難しい人も少なくありません。 このため東京 渋谷区の在宅医療の専門クリニックでは先週から医師が直接、高齢者の自宅を訪問して4回目のワクチン接種を行う取り組みを始めています。
男性の妻は「毎日暑くてなかなか外に出られず自宅で接種を受けられてとても助かります」と話していました。 このクリニックではコロナの自宅療養者の往診も行っていますが、先月下旬以降、患者が症状を悪化させて往診を依頼するケースが増え始めているということです。 感染の第6波ではのどの痛みを訴える患者が多かったのに対し、最近は強いけん怠感やおう吐、下痢などの症状を訴えるケースが多いということです。
県は、出雲保健所の業務がひっ迫しているとして、5日から事務職の職員50人を追加で応援に出すことを決めるとともに、調整を進めて今後さらに50人を追加し、保健所の体制を強化することを確認しました。 <福岡県 独自のコロナ警報発動>
このため福岡県は、6日、県独自のコロナ警報を発動しました。 コロナ警報の発動は、先月1日に解除されて以来です。 これを受けて服部知事は記者会見し、3密の回避や換気など基本的な感染対策の徹底とともにワクチンの接種や無料の検査の活用などを呼びかけました。 一方、福岡県は現時点では飲食店への営業時間の短縮などは要請しない方針です。
「BA.5」について濱田特任教授は「いままで流行していたタイプのオミクロン株に比べて感染力がやや強く、免疫を持っている人もかかってしまうことがある。『BA.2』から置き換わるだけでなく、ある程度、感染者数が増えることは避けられない。各国からの報告では感染した場合の重症度は今のところあまり変わらず、従来のオミクロン株と同程度だとされている。ただ、感染者数がどんどん増えれば、重症になる人もでるので、注意していく必要がある」と指摘しました。
具体的には▽発熱患者などが確実に検査を受けられるよう対応できる医療機関を拡充し、▽検査キットを事前に配布する準備なども進めるよう求めています。 また、▽高齢の患者が増えることも想定して病床の確保や臨時の医療施設を開設する準備などを進めるとともに▽高齢者施設から要請があれば医師や看護師などを派遣できる体制を確保するよう求めています。 さらに▽自宅療養者が急増した場合に備え、地域の医療機関と連携して、往診のほか、オンラインによる診療や健康観察などを行う仕組みを整備してほしいとしています。 ▽このほか熱中症の患者も増えていることから、救急搬送が困難な状況に陥らないよう新型コロナと通常の医療などを両立することも呼びかけています。 厚生労働省は「今後、オミクロン株のうちより感染が広がりやすいとされる『BA.5』に置き換わりが進む可能性がある。ワクチンの3回目接種の効果も徐々に減少しているうえ、夏休みなどで接触の機会が増えることも予想され、感染拡大に対応できるよう自治体は体制を強化してほしい」としています。
「熱中症」で受診も新型コロナ感染判明のケースも
厳しい暑さ 自宅でワクチン接種の取り組みも
各地で感染者増加へ対応する動き
専門家「『BA.5』影響か 感染者数増加避けられない」
【詳しく】オミクロン株「BA.5」とは 国内でも広がり 最新状況
「早めにワクチン接種を のどの痛み せきあれば医療機関受診」
厚労省 自治体に医療提供体制整備など求める通知