「統一とういつ教会きょうかい被害ひがい者しゃ家族かぞくの会かい」は2003年ねんから旧きゅう統一とういつ教会きょうかいをめぐる金銭きんせんトラブルや脱会だっかいに関にかんする相談そうだん支援しえんを行おこなっています。

この団体だんたいの立たち上あげに携たずさわった60代だいの夫婦ふうふは、25年ねん前まえに妻つまが旧きゅう統一とういつ教会きょうかいの関連かんれん施設しせつに通かようようになりました。

旧きゅう統一とういつ教会きょうかいだと知しったのは、施設しせつに通かよい始はじめてから1年ねんほどたったときでしたが、「やめようと思おもえばいつでもやめられるからもう少もうすこし勉強べんきょうしよう」と考かんがえ、そのまま続つづけ、その後そのご、高額こうがくの印鑑いんかんを買かったり、韓国かんこくにある関連かんれん施設しせつに通かよったりして、関かかわりを深ふかくしていったということです。

ある日ひ、妻つまのかばんの中なかから旧きゅう統一とういつ教会きょうかいに関にかんする本ほんをたまたま見みつけ、入信にゅうしんに気付きづいた夫おっとは、家族かぞくを脱会だっかいさせたい人ひとたちが集あつまるグループに参加さんかし、およそ1年ねん半はんかけて脱会だっかいさせたということです。

29日にちの初はつ会合かいごうを視聴しちょうした夫婦ふうふは「国くにには期間きかんを限定げんていするのではなく、継続けいぞく的てきに相談そうだんできる窓口まどぐちをスピード感かんをもって設置せっちしてほしい」と話はなしました。

そのうえで「消費しょうひ者しゃトラブルとしての相談そうだんは　被害ひがいのほんの一部いちぶで、まだ表ひょうになっていない被害ひがいをすくいあげる体制たいせいづくりについても検討けんとうしてもらいたい」と話はなしていました。

このうち2010年ねんに旧きゅう統一とういつ教会きょうかいに1億おく円えん余あまりの賠償ばいしょうを命めいじた福岡ふくおか地方ちほう裁判所さいばんしょの判決はんけつでは、「勧誘かんゆう者しゃは元もと信者しんじゃの不安ふあんや恐怖きょうふ心しんにつけ込つけこみ、心理しんり的てきな圧力あつりょくをかけて献金けんきんを迫せまった」などと指摘してきし、その後そのご、原告げんこく勝訴しょうそで確定かくていしました。

刑事けいじ事件じけんに発展はってんするケースも相次あいつぎ、2009年ねんには「このままでは命いのちがなくなる」などと不安ふあんをあおって10数すう万まん円えんから100万まん円えん余あまりの印鑑いんかんを購入こうにゅうさせたとして、印鑑いんかん販売はんばい会社かいしゃの幹部かんぶなどを務つとめる信者しんじゃ7人にんが特定とくてい商しょう取引とりひき法ほう違反いはんの疑うたがいで逮捕たいほされ、旧きゅう統一とういつ教会きょうかいの施設しせつが家宅かたく捜索そうさくを受うけました。

信者しんじゃのうち幹部かんぶ2人にんは執行しっこう猶予ゆうよのついた有罪ゆうざい判決はんけつが確定かくていし、残のこる5人にんは罰金ばっきんの略式りゃくしき命令めいれいを受うけました。また、2020年ねん、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょが旧きゅう統一とういつ教会きょうかいなどに470万まん円えん余あまりの賠償ばいしょうを命めいじた判決はんけつでは、元もと信者しんじゃが行おこなった2013年ねんごろの献金けんきんについて「不安ふあんや恐怖きょうふ心しんをあおられ続つづける中なかで献金けんきんをしたと認みとめられる」として違法いほうな行為こういだと指摘してきしていて、裁判さいばんはその後そのご、最高裁さいこうさいまで争あらそわれましたが、1審しんの判断はんだんが維持いじされ、確定かくていしました。

「霊感れいかん商法しょうほう」は、旧きゅう統一とういつ教会きょうかい以外いがいにも、山梨やまなし県けんの有限ゆうげん会社かいしゃ「神かみ世界せかい」グループが、東京とうきょう・港みなと区くのサロンで5人にんの客きゃくから祈きとう料りょうの名目めいもくで合あわせて現金げんきん1340万まん円えんをだまし取だましとったとされるいわゆる「神かみ世界せかい事件じけん」では、2011年ねん、グループの実質じっしつ的てきな代表だいひょうが逮捕たいほされ、その後そのご、有罪ゆうざい判決はんけつが確定かくていしています。

消費しょうひ者しゃ契約けいやく法ほうでは、「霊感れいかん」を「除じょ霊れいや災わざわいの除去じょきょ、運勢うんせい改善かいぜんなど超ちょう自然しぜん的てきな現象げんしょうを実現じつげんする能力のうりょく」としていて、「霊感れいかん商法しょうほう」は「霊感れいかんなどの合理ごうり的てきな実証じっしょうが困難こんなんな特別とくべつな能力のうりょくを知見ちけんとして、そのままでは重大じゅうだいな不ふ利益りえきが生しょうじるなどと不安ふあんをあおり、契約けいやくの締結ていけつを迫せまること」などとしています。

消費しょうひ者しゃ庁ちょうは、具体ぐたい的てきな事例じれいとして「私わたしは霊れいが見みえる。あなたには悪霊あくりょうがついておりそのままでは病状びょうじょうが悪化あっかする。この数珠じゅずを買かえば悪霊あくりょうが去さる」などと告つげて不安ふあんをあおり、高額こうがくな商品しょうひんを売うりつけるケースなどを上あげています。

宗教しゅうきょう法人ほうじんのほか、法人ほうじん格かくがなくても組織そしきとしての体裁ていさいがある団体だんたいであれば、消費しょうひ者しゃ契約けいやく法ほうの適用てきよう対象たいしょうとなり、契約けいやくを取り消とりけす権利けんりは、最長さいちょうで契約けいやく締結ていけつから5年ねん前まえまでさかのぼって行使こうしすることができます。

「開運かいうん商法しょうほう」は、最近さいきんでは「占うらないサイト」や「占うらないアプリ」などに関にかんする相談そうだんが多おおくを占しめているということです。

国民こくみん生活せいかつセンターは、旧きゅう統一とういつ教会きょうかいをめぐる一連いちれんの問題もんだいを受うけて、全国ぜんこくの消費しょうひ生活せいかつセンターなどに寄よせられた「霊感れいかん商法しょうほう」に関にかんする過去かこの相談そうだん内容ないようを洗い出あらいだす作業さぎょうを進すすめていて、検討けんとう会かいと情報じょうほうを共有きょうゆうして、今後こんごどのような対応たいおうができるか検討けんとうしていくとしています。

また、コンプライアンス宣言せんげん以降いこうのトラブルについては、7月つき17日にちに出だした声明せいめいで「過去かこに自主じしゅ的てきに献金けんきんした信徒しんとが、その後そのご心変こころがわりして返還へんかんを求もとめるケースがあり、2009年ねん以降いこうもごく僅わずかだが、あるのは事実じじつだ。そうしたケースについては誠意せいいをもって対処たいしょし、解決かいけつに向むけて取り組とりくんでいる」としています。