川崎市で
開かれている「KAWASAKIしんゆり
映画祭」が
慰安婦問題を
扱った
映画の
上映を
中止したことに
抗議して、
別の
2つの
作品の
上映を
予定していた
映画製作会社の「
若松プロダクション」は
上映の
取りやめを
決め、
会見で
監督が「
表現の
場が
失われている
流れに
異議申し立てをする」
などと
説明しました。
若松プロダクションは、「KAWASAKIしんゆり
映画祭」が
慰安婦問題を
扱った
映画「
主戦場」の
上映を
中止したことに
抗議して、「
止められるか、
俺たちを」と「11.25
自決の
日~
三島由紀夫と
若者たち」の
映画祭での
上映を
取りやめることを
決め、29
日、
東京都内で
記者会見を
開きました。
会見では、「止められるか、俺たちを」の監督を務めた白石和彌さんが、「ことしに入ってからあいちトリエンナーレの問題などの中で、表現の場が失われている流れがある。この流れに異議申し立てをして、問題提起の1つとして上映取りやめを決めました」と経緯を説明しました。
そのうえで、「具体的にはどういうものか分からないが、川崎市が懸念を示した瞬間に何らかの圧力だとわれわれは思っている。映画祭側も映画人として映画を守るべきだし、そこにプライドを持ってほしい。どんな圧力を受けたとしても、そこで映画のために戦ってくれる姿勢が1ミリでもあれば、僕らはその背中を押します」と話していました。
また、「止められるか、俺たちを」の脚本を担当した井上淳一さんは、「事なかれ主義で、『大きな問題が起こる前にやめておこう』ということが起きている。今後、映画祭では政治的な映画は初めからリストアップしないとか、そういうことが起こるのではないか。しんゆり映画祭は愛のある映画祭だと思っていたので、だからこそ悲しい」と話していました。
若松プロダクションによりますと、上映を取りやめた2つの作品は、映画祭とは別に川崎市内の文化施設で無料で上映する予定だということです。
川崎市の対応を批判
若松プロダクションの会見では、映画「主戦場」を配給している会社の代表、木下繁貴さんが最後に発言し、「このまま『主戦場』の上映が中止になってしまうと悪い前例になってしまうので、会社としては映画祭側に改めて上映をしてほしいと強く願っています」と訴えました。
そのうえで、「行政側、公権力が文化に対して口出しをしてくる、圧力をかけてくる、形を変えた検閲を行おうとしていると感じました」と川崎市の対応を批判しました。