松岡さんは31日記者会見し、体に障害がある人が、脳の信号でものを動かせる装置を開発したことなど、脳科学やAIの研究に取り組んできたことを紹介しました。
また、パナソニックに転身した理由について、松岡さんは「仕事や子育て、家事などをすべて完全にこなすのは難しく、これを変えていけるような製品やサービスの開発に携わりたいと考えた」と述べました。
そして、「従来の家電からセンサーまで、これだけ幅広く手がけている会社は、世界的にもあまりなく、専門のAIやロボットの知見を生かして、人々の暮らしをよくするものをつくりたい」と抱負を述べました。
会社によりますと、松岡さんは、シリコンバレーを拠点とし、家電や通信、AIなどを融合した新たな製品やサービスの開発を指揮するということです。
松岡陽子さんは、48歳。
16歳の時にプロのテニスプレーヤーを目指して単身で渡米しますが、けがをしたことから断念し、カリフォルニア大学バークレー校を卒業後、マサチューセッツ工科大学の大学院に進んで、電気工学やコンピューター科学の博士号を取得しました。
そして、ロボットや脳科学の研究者として、カーネギーメロン大学やワシントン大学で教べんをとり、2007年にはアメリカで「天才賞」として知られる、マッカーサー・フェローにも選ばれています。
2009年には、自動運転の車の開発などで知られるグーグルの研究部門、「X」の創設に中心メンバーの1人として携わりました。
松岡さんはその後、アップルでヘルスケア製品の開発を担ったほか、パナソニックに就職する直前は、グーグルの副社長として、スマートホーム事業のCTO=最高技術責任者も務めていました。
シリコンバレーでは、「Yoky=ヨーキー」の愛称で広く知られていて、パナソニックでも、これまでの経験を生かして、シリコンバレーを拠点に次世代製品の開発を指揮する予定です。