新型しんがたコロナ 国くにの感染かんせん者しゃデータ集約しゅうやくシステム 入力にゅうりょくが現場げんばの負担ふたんに

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん者しゃのデータをリアルタイムで集約しゅうやくする国くにの新あたらしい情報じょうほうシステムで、患者かんじゃが急増きゅうぞうする北海道ほっかいどうでは医療いりょう機関きかんなどが入力にゅうりょく作業さぎょうに対応たいおうしきれず、先月せんげつのデータのおよそ3割わりが入力にゅうりょくできていないことが関係かんけい者しゃへの取材しゅざいで分わかりました。

専門せんもん家かは「ひっ迫ひっぱくする現場げんばに負担ふたんをかけるべきではない」と運用うんようの見直みなおしを求もとめています。「HER-SYS」は、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん状況じょうきょうをリアルタイムで把握はあくしようと、国くにが5月つきに導入どうにゅうを始はじめた情報じょうほうシステムで、全国ぜんこくの医療いりょう機関きかんや保健所ほけんじょは感染かんせん者しゃのデータを直ただちに入力にゅうりょくするよう求もとめられています。

ところが関係かんけい者しゃによりますと、北海道ほっかいどうでは医療いりょう機関きかんや保健所ほけんじょが急増きゅうぞうする患者かんじゃの対応たいおうに追おわれて入力にゅうりょく作業さぎょうに手てが回まわらず、先月せんげつ、感染かんせんが確認かくにんされた5600人にん余あまりのデータのうち、およそ3割わりが今月こんげつ10日にちの時点じてんでも入力にゅうりょくできずにいるということです。

このため北海道ほっかいどうによりますと、現在げんざいは、保健所ほけんじょが医療いりょう機関きかんからファックスで届け出とどけでを受うける従来じゅうらいの方法ほうほうで感染かんせん状況じょうきょうを把握はあくしているということです。

北海道ほっかいどうは、「応援おうえんの職員しょくいんを保健所ほけんじょに派遣はけんしても患者かんじゃの聞き取ききとりなどに人手ひとでが割さかれ、入力にゅうりょくが追おいつかない状況じょうきょうだ。膨大ぼうだいな業務ぎょうむがある中なかでこれ以上いじょうの対応たいおうはできない」としています。

感染かんせん症しょうの調査ちょうさ分析ぶんせきが専門せんもんで、国立こくりつ病院びょういん機構きこう三さん重じゅう病院びょういんの谷口たにぐち清きよし州しゅう臨床りんしょう研究けんきゅう部長ぶちょうは、「入力にゅうりょくされたデータが集計しゅうけいも公表こうひょうもされず、対策たいさくに使つかわれていないのであれば、これ以上いじょう入力にゅうりょくする必要ひつようはない。ひっ迫ひっぱくする現場げんばの負担ふたんを増ふやすべきではなく、地域ちいきが効率こうりつのいい対策たいさくをするにはどのような情報じょうほう共有きょうゆうが必要ひつようか検討けんとうし直なおすべきだ」としています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、「入力にゅうりょく作業さぎょうを担になう現場げんばが大変たいへんな状況じょうきょうにあることは認識にんしきしている。負担ふたんの軽減けいげんやデータの活用かつよう方法ほうほうの改善かいぜんについて専門せんもん家かと協議きょうぎしたい」としています。