また、その11分後には、「キーウの何か所かでほかに爆発があった。救助隊や医療チームが現場に向かっている」と投稿しました。
ウクライナのシュミハリ首相は22日の会議で、「計画停電を緩和したいが、寒くなるにつれて電力消費量が増えている。状況によって緊急停電が発生するおそれもある」と述べ、危機感を募らせています。
そのうえで「この冬を乗り切り、ロシアが寒さを恐怖と支配の道具にしないようにするには発電機など多くのものが必要だ」と述べ、本格的な冬に向けて民生分野での支援を強化するよう各国に訴えました。
そして今後の見通しについては「少なくとも来年3月末まで計画停電が続く可能性が高い」とする見方を示しました。 そのうえで「攻撃で電力網に大きな損傷があった場合は、計画停電だけでなく緊急停電が発生するおそれがある」と述べ、暖かい衣服や毛布などを用意して停電に備えるよう呼びかけました。
ガスの一部が経由地のウクライナにとどまっていると主張した形で、ロシア側はこの問題が解決されない場合は、今月28日以降、モルドバへの供給量を削減するとしています。 これに対して、天然ガスを輸送しているウクライナの会社は22日、声明で、ロシアからの天然ガスはすべてモルドバへ輸送していると反論しました。 そして「ロシアがガスを政治的圧力に利用するのは初めてではない。事実を操作している」と非難しました。 モルドバの今の政権は欧米寄りの立場を示し、ウクライナへ軍事侵攻したロシアを批判しています。 モルドバは国内で消費される天然ガスをロシアに依存していて、冬が到来しエネルギーの需要が高まる中、ロシアとしてはモルドバに揺さぶりをかけるねらいもあるとみられます。
ロシア軍の攻撃は南部でも続き、ザポリージャ州のスタルフ知事は22日、州内の町で人道支援物資が配られているさなかに砲撃を受け、1人が死亡、2人がケガをしたと明らかにしました。 ウクライナ軍が今月、奪還した南部の要衝ヘルソンでも、ドニプロ川の対岸からロシア軍の砲撃が繰り返され、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「軍事的な必然性はない。ひどい戦争犯罪が今も続いている」とSNSで非難しました。 各地で発電所などインフラ施設が被害を受ける中、ウクライナのベレシチュク副首相は21日、ヘルソンの住民に対し、冬の間は国内の別の地域に避難するよう呼びかけました。 ウクライナの大手電力会社のトップは21日、ロシア軍によるインフラ施設への攻撃が続けば、緊急停電の可能性もあるとして「防寒着や毛布を備蓄し、長時間の停電に備えてほしい」と呼びかけました。 WHO=世界保健機関は、病院などで燃料や電気が不足し、厳しい冬の到来で、多くの患者が危険な状態に置かれるとして危機感を示しています。
このうち、キーウ中心部の集合住宅も被害を受け、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官がSNS上に投稿した動画では複数の部屋が激しく燃えている様子がわかります。 攻撃から1週間がたとうとしていた21日、NHKの取材班が現場を訪れました。集合住宅の壁には穴があき、焼け焦げるなど大きな被害を受けていました。
管理人によりますと、室内にミサイルが飛び込んできて爆発し、火が燃え広がり、この部屋に1人で暮らしていた75歳の女性が亡くなったということです。管理人は「女性は、室内で横たわって亡くなっているのがみつかり、住民はみんな悲しんでいます」と話していました。
この女性の台所の窓にもいくつかの破片があたり、一部が壊れたほか、炎で焼けたあとが残っていました。 現場は、首都の中心部にある閑静な住宅街で、住民たちは、近くに軍事施設もない場所で犠牲者が出たことを悲しむとともにロシア軍に対する憤りをあらわにしていました。 42歳の住民の女性は「市民が殺されて、恐ろしい気持ちもあるし怒りもあります」としたうえで、「私たちは抵抗を続け、ウクライナ軍を応援します。被害は受けましたがここで暮らし続けます」と力強く話していました。
ウクライナ全土で23日も計画停電
ゼレンスキー大統領“病院にミサイル攻撃 乳児ら死亡”
ゼレンスキー大統領 “冬乗り切るには発電機など必要”
ウクライナ 電力会社 “3月末まで計画停電続くか”
ロシア政府系ガス会社 “モルドバ向け天然ガス供給量 削減も”
ウクライナ ロシア軍の攻撃激化 住民に一時避難呼びかけ
ミサイル攻撃集合住宅では
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる23日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ウクライナ 首都キーウで“複数の爆発” 市長がSNSに投稿