浜松はままつ５ご人にん死傷ししょう事故じこ “ 責任せきにん能力のうりょくなし”２に審しんで無罪むざい判決はんけつ 東京とうきょう高裁こうさい

無罪むざいを言い渡いいわたされたのは、浜松はままつ市しの無職むしょくで中国ちゅうごく籍せきの36歳さいの女性じょせいです。平成へいせい27年ねん５月ごがつ、浜松はままつ市し中なか区く鍛冶かじ町まちのスクランブル交差こうさ点てんで車くるまを急きゅう発進はっしんさせて歩行ほこう者しゃを次々つぎつぎとはね、近ちかくに住すむ水鳥みずとり真希まきさん（当時とうじ31）を死亡しぼうさせ、４よん人にんにけがを負おわせたとして殺人さつじんや殺人さつじん未遂みすいなどの罪つみに問とわれました。

１いち審しんで被告ひこく側がわは責任せきにん能力のうりょくがなかったと無罪むざいを主張しゅちょうしましたが、静岡しずおか地方ちほう裁判所さいばんしょ浜松はままつ支部しぶはおととし７月しちがつ、責任せきにん能力のうりょくがあったと判断はんだんし、検察けんさつの求刑きゅうけいどおり懲役ちょうえき８はち年ねんを言い渡いいわたしていました。

29日にちの２に審しんの判決はんけつで東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょの朝山あさやま芳かおる史し裁判さいばん長ちょうは「当日とうじつ、統合とうごう失調しっちょう症しょうが悪化あっかした状態じょうたいだったことや、事故じこのあと突然とつぜん激はげしく興奮こうふんした状態じょうたいだったことから、行為こういを制御せいぎょする能力のうりょくが残のこっていたか合理ごうり的てきな疑うたがいがある」として、責任せきにん能力のうりょくがなかったと判断はんだんし、１いち審しんの判決はんけつを取り消とりけして無罪むざいを言い渡いいわたしました。

東京とうきょう高等こうとう検察庁けんさつちょうの山上やまがみ秀明ひであき次席じせき検事けんじは「判決はんけつ内容ないようを十分じゅうぶんに精査せいさ・検討けんとうし、適切てきせつに対処たいしょしたい」というコメントを出だしました。

遺族いぞく「病気びょうき理由りゆうに罪つみを償つぐなわないのは理解りかいできない」

裁判さいばんに被害ひがい者しゃの立場たちばで参加さんかしてきた水鳥みずとり真希まきさんの夫おっとの達也たつやさん（35）は判決はんけつの後のち、涙なみだを流ながしながら取材しゅざいに応おうじ、「あれだけのことをしたのに、病気びょうきを理由りゆうに罪つみを償つぐなわないのは理解りかいできない。妻つまになんと伝つたえていいのかわからない」と話はなしていました。