阿蘇山あそさんなど “火山かざん活動かつどうの高たかまりが見みられる” 火山かざん噴火予知連ふんかよちれん

火山かざんの専門せんもん家かなどでつくる火山かざん噴火ふんか予知よち連絡れんらく会かいの定例ていれいの会合かいごうが20日にち、気象庁きしょうちょうで開ひらかれ、全国ぜんこくの火山かざんについて最近さいきんの活動かつどうや今後こんごの見通みとおしを取とりまとめました。

このうち、熊本くまもと県けんの阿蘇山あそさんは去年きょねん12月つきごろから火山かざん活動かつどうの高たかまりがみられ、衛星えいせいからの測定そくていで地下ちか深ふかくのマグマだまりにマグマの蓄積ちくせきが進すすんでいることを示しめすデータが確認かくにんされたということです。

また、火山かざんガスの一いち日にち当あたりの放出ほうしゅつ量りょうは、去年きょねん12月つきが500トンでしたが、先月せんげつ以降いこうは1000トンから2000トンに増ふえています。

このほか中岳なかだけ第だい一いち火口かこうの南側みなみがわの温度おんどが去年きょねん12月つきから上昇じょうしょうし先月せんげつには585度どを観測かんそくしたことなどから、「マグマなどの動うごきを示しめすとされる火山かざん性せい微動びどうは落ち着おちついているが、中岳なかだけ第だい一いち火口かこう周辺しゅうへんに影響えいきょうを及およぼす噴火ふんかが発生はっせいする可能かのう性せいがある」としています。

また、北海道ほっかいどうの駒ヶ岳こまがだけは去年きょねん12月つきから山頂さんちょうの火口かこう付近ふきんの浅あさいところを震源しんげんとする地震じしんが起おきているほか、衛星えいせいからの測定そくていでは火口かこう付近ふきんの膨張ぼうちょうを示しめす地殻ちかく変動へんどうが観測かんそくされているということです。

さらに山頂さんちょうに設置せっちされた監視かんしカメラによる観測かんそくで、火口かこうの噴気ふんきの頻度ひんどが増加ぞうか傾向けいこうにあることから、これまでの「噴火ふんかの兆候ちょうこうは認みとめられない」とする評価ひょうか結果けっかを見直みなおし、「やや活発かっぱつ化かする傾向けいこうが認みとめられ、今後こんごの火山かざん活動かつどうの推移すいいに注意ちゅういが必要ひつようだ」としています。

このほか、今月こんげつ14日にちに爆発ばくはつ的てきな噴火ふんかが起おきて噴煙ふんえんの高たかさが上空じょうくう5000メートルまで達たっした鹿児島かごしま県けんの桜さくら島とうについては、その後そのごも火山かざんガスの放出ほうしゅつ量りょうが多おおい状態じょうたいが続つづいていることなどから、再ふたたび噴火ふんか活動かつどうが活発かっぱつ化かする可能かのう性せいがあるとしています。

火山かざん噴火ふんか予知よち連絡れんらく会かいの会長かいちょうで九州きゅうしゅう大学だいがくの清水しみず洋ひろし名誉めいよ教授きょうじゅは、「阿蘇山あそさんも駒ヶ岳こまがだけも火山かざん活動かつどうが上向うわむきなので注意ちゅういが必要ひつようだ。過去かこの事例じれいでは火山かざん性せい微動びどうが増ふえてから短みじかい時間じかんで噴火ふんかしたり前兆ぜんちょう現象げんしょうがわかりにくいまま水蒸気すいじょうき爆発ばくはつが起おきたりしているので警戒けいかいを怠おこたってはいけない」と話はなしています。