最大の
争点は、
逮捕から1
年以上あとに
現場近くのみそタンクから
見つかった
衣類についた
血痕の
色の
変化です。
衣類は有罪判決の決め手となった証拠ですが、袴田さんが隠したものかどうかを検証するため、1年以上みそに漬かった状態でも血痕に赤みが残るかどうか、弁護側と検察の双方が主張を繰り広げました。
13日の決定で、東京高裁の大善文男裁判長は、弁護側が示した実験結果などについて、「1年以上みそに漬けられると血痕の赤みは消えることが、専門家の見解からも化学的に推測できる。袴田さんが犯行時に着ていたという確定判決の認定には合理的な疑いが生じる」として、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」にあたると判断し、再審開始を認めました。
さらに、「衣類は事件から相当な期間が経過したあとに第三者がタンクに隠した可能性が否定できず、事実上、捜査機関による可能性が極めて高い」と厳しく批判しました。
また、袴田さんの釈放についても、「無罪になる可能性や再審開始決定に至る経緯、袴田さんの年齢や心身の状況に照らして相当だ」として、引き続き認めました。
決定に不服がある場合、5日以内に検察は最高裁判所に特別抗告することができますが、決定が確定すれば、裁判がやり直されることになります。
東京高裁の前では支援者らから喜びの声
東京高等裁判所の
前では、
再審を
認める決定が
出された
直後の
午後2
時すぎ、
裁判所から
出てきた
弁護士が「
再審開始」や「
検察の
抗告棄却」と
書かれた
紙を
掲げると、
集まった
支援者らから
大きなどよめきが
起きました。
そして、「よくやった」とか「よかった」といった喜びの声があがっていました。
その後、
袴田さんの
姉の
ひで子さんが、
裁判所から
笑顔で
出てきて、「
再審が
認められ
本当にうれしいです。56
年間闘ってきて、
この日がくるのを
心待ちにしていました。
これで
やっと肩の
荷が
下りた
感じがします」と
話していました。
また、弁護団の小川秀世弁護士は「当然の決定だと思いますが、本当にうれしいです。検察に対しては特別抗告をしないよう要請します」と涙を流しながら話していました。
そして、ひで子さんと小川弁護士が抱き合って喜びを分かち合うと、支援者から大きな拍手が送られていました。
このあと、袴田さんの支援者20人余りは午後3時前に東京高等検察庁の前に集まり、プラカードを掲げながら「検察は再審開始決定に従え」とか「袴田さんに真の自由を」などとシュプレヒコールをあげていました。
東京高検「主張認められず遺憾 適切に対処したい」
再審の
開始を
認める決定を
受け、
東京高等検察庁の
山元裕史次席検事は「
検察官の
主張が
認められなかったことは
遺憾で
ある。
決定の
内容を
精査し、
適切に
対処したい」という
コメントを
出しました。
きょうの袴田さんの様子は
支援者によりますと、
袴田巌さんは、13
日は
午前9
時半ごろに
起床し、
朝食にみかんやりんご
などの
果物を
食べたということです。
ひで子さんが袴田さんのひげをそったり、髪を整えたりしていました。
ひで子さんは決定文を受け取るため東京高裁に向かい、袴田さんは同行しません。
ひで子さんが「きょうは東京へ行ってくるから。一晩、泊まってくるからね」と伝えると、袴田さんは「あ、そう」と応じていました。
午後は、支援者の運転する車で、幼少期に足を運んでいた浜松市浜北区の「岩水寺」を訪れました。
袴田さんは寺の本堂の前でさい銭箱にお金を投げ入れると、静かに手を合わせ、線香をあげていました。
また、寺の近くにある大きな仏像の前でも手を合わせていました。
そして記者から「きょうはどんな日ですか」と声をかけられると、「勝つことだね。勝つ日だと思うがね」などと話していました。
ボクシング界の支援団体「感無量のひと言」
元プロボクサーの
袴田巌さん
に対して、ボクシング
界は
支援団体を
設立して
拘置所で
袴田さんに
面会したり、
再審を
求めるデモを
行ったりする
など、
長年にわたって
活動してきました。
再審を認める決定について、支援団体の中心メンバーで元東洋太平洋バンタム級チャンピオンの新田渉世さんは、「感無量のひと言だ。ほかの支援者や弁護団の活動のたまものだが、ボクシング界でも精いっぱい支援してきたのでうれしい。まだ確定ではないが、ボクシング界の大先輩である袴田さんに勝利の見込みが出てきたので、おめでとうと伝えたい」と喜びを話しました。
その上で、「検察には特別抗告をしないように求めていきたい」と話していました。
X認証マーク “EUの法律に違反” 暫定的見解 ヨーロッパ委員会
大手IT企業への規制を強めているEU=ヨーロッパ連合の執行機関、ヨーロッパ委員会は、旧ツイッターのXの青い認証マークについて、利用者にアカウントの信頼性を誤解させるなどEUの法律に違反しているという暫定的な見解を示しました。Xを所有するイーロン・マスク氏は「法廷での公開のたたかいを楽しみにしている」とXに投稿し、争う構えを見せました。
Source: NHK
Jul 13, 2024 08:07
旧統一教会 “教団に返金求めない”念書は無効 最高裁が初判断
旧統一教会の元信者や家族が教団に支払った献金を返すよう求めた裁判で、最高裁判所は11日、高齢の元信者が書いた「教団に返金を求めない」という念書は無効だとする判断を示しました。その上で、献金を勧誘した行為の違法性や教団の責任について、東京高等裁判所で審理をやり直すよう命じました。
Source: NHK
Jul 11, 2024 17:07
花王 アイリスオーヤマのアイマスク販売差し止めを申し立て
大手日用品メーカーの「花王」は、自社製品とデザインが類似し、意匠権を侵害しているとして、生活用品メーカーの「アイリスオーヤマ」が販売する4つの製品の販売差し止めなどを求める仮処分を東京地方裁判所に申し立てました。
Source: NHK
Jul 9, 2024 17:07
袴田巌さん再審 姉 ひで子さん 検察の死刑求刑に心境明かす
58年前に静岡県で一家4人が殺害された事件で、再審=やり直しの裁判が行われている袴田巌さんの姉のひで子さんが、3日に東京都内で会見し、再審で検察が改めて死刑を求刑したことについて、「検事はそう言わないとおさまらないのだと思う。私は平気でした」と心境を明かしました。
Source: NHK
Jul 3, 2024 22:07
旧優生保護法下で強制不妊手術 きょう最高裁で判決
旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが「戦後最大の人権侵害で憲法に違反していた」として国に賠償を求めている5つの裁判で、最高裁判所大法廷は3日に判決を言い渡します。最高裁は統一的な判断を示す見通しで、「時間の壁」とも呼ばれる除斥期間についてどのように判断するか、注目されます。
Source: NHK
Jul 3, 2024 06:07
Upgrade to use this feature
Are you sure you want to test again?
The number of free newspaper readings has been used up today.
Please upgrade your account to read unlimited newspapers
This feature is only available for registered users!
Login
or
Register