東京 江東区の
マンションで、80
歳女性が
手足を
縛られて
死亡していた
事件で、
事前に
家に
現金が
いくらあるか
尋ねる「アポ
電」と
呼ばれる
電話があっただけでなく、
電話線が
切断される
など、ことし
1月と
2月に
渋谷区で
起きた
強盗事件と
多くの
共通点があることが
捜査関係者への
取材で
分かりました。
東京 江東区東陽の
マンションの
部屋で
先月28
日、
加藤邦子さん(80)が、
口や
手足を
縛られて
死亡していた
事件では、
事前に
電話で
家に
現金が
いくらあるか
尋ねる「アポ
電」があった
ほか、
電話機が
壊され、インターホンの
本体が
持ち去られていました。
そして、黒い服にマスク姿の不審な3人組が出入りする姿が防犯カメラに写っていました。
その後の調べで、現場の状況などから、ことし1月と2月に渋谷区の初台と笹塚で起きた強盗事件と多くの共通点があることが分かりました。
いずれも被害者は高齢者で、事前に「アポ電」があったほか、手足を縛られたうえ、部屋が激しく荒らされていました。
1月の現金2000万円が奪われた初台の事件では、通報を遅らせようと、固定電話のコードが切断されていたほか、現金400万円が奪われた2月の笹塚の事件では、インターホンのカメラに体を近づけて顔が写らないようにしていました。
警視庁は、同じグループによる事件とみて捜査しています。
実際のやり取りは…
去年7月、渋谷区に住む高齢夫婦の自宅に、息子を名乗る男から電話がかかってきた際の音声が残されていました。
男は初めに、「桃をたくさんもらったので実家に送った」などと話し、母親の警戒心をといたうえで、「ちょっと相談事がある」と言って、会社の金を3000万円、横領してしまったと打ち明けました。
「金は株の購入で使ってしまった」と説明し、このあと株を売れば横領した金額は戻ってくるが、「きょう監査が入る予定で、すぐに300万円が必要だ」と母親に頼み続けます。
母親は、息子が会社の金を使い込むことはありえないと伝えますが、男は実家まで説明に行くから金を貸してほしいと頼み込みます。
そして、男は、詐欺の電話ではないと伝えたうえで、「300万円から500万円ぐらい銀行にあるでしょ。かき集めたら、いくらぐらいになる?」と話して、銀行口座にいくらあるか、執ように尋ね続けます。
約4分間、口座の残高を尋ね続けましたが、母親は答えず、父親に電話を代わったあと、息子ではないと確信し、電話を切りました。
警視庁によりますと、こうした「アポ電」の件数は、年間約1万件ずつ増加していて、去年1年間では3万4658件、確認されているということです。