３みっつ子この母ははへの実刑じっけい判決はんけつ 執行しっこう猶予ゆうよ求もとめる署名しょめい２に万まん5000件けん超ちょう

これに対にたいして名古屋なごや地方ちほう裁判所さいばんしょ岡崎おかざき支部しぶは、今月こんげつ15日にち、「３みっつ子この育児いくじを懸命けんめいに行いったことに同情どうじょうはできる」とした一方いっぽう、「執行しっこう猶予ゆうよをつけるほど軽かるい事案じあんではない」として、懲役ちょうえき３さん年ねん６ろくか月かげつの判決はんけつを言い渡いいわたしました。

弁護べんご側がわは、刑けいが重おもすぎるとして、名古屋なごや高等こうとう裁判所さいばんしょに控訴こうそすることにしています。この判決はんけつを知しった子育こそだて中ちゅうの母親ははおやの間まで同情どうじょうする声こえが高たかまり、２に審しんでは執行しっこう猶予ゆうよをつけるよう求もとめる署名しょめい活動かつどうがネット上じょうで始はじまりました。

署名しょめい活動かつどうを始はじめたのは、大阪おおさか市しに住すむ直島なおしま美佳みかさん（51）です。

事件じけんの当事者とうじしゃの母親ははおやとは面識めんしきはありませんが、直島なおしまさんも、不妊ふにん治療ちりょうをして３みっつ子こを出産しゅっさんした経験けいけんがあります。

豊田とよだ市しの事件じけんが起おきたときにニュースを見みて自分じぶんと同おなじ境遇きょうぐうだと感かんじ、実刑じっけい判決はんけつが出でたことを知しって、署名しょめい活動かつどうを始はじめたということです。

直島なおしまさんは、「３みっつ子こを育そだてることの大変たいへんさが理解りかいされていないのではないかと感かんじた」といいます。「１いち日にちにおむつを３さん人にん合あわせて30回かいかえる、ミルクも24回かいあげる、しかも３さん人にんバラバラに起おきて泣なくので、私わたしは24時間じかん起おきているような感かんじです。

子こどもが１いち歳さいになるまで、記憶きおくがほとんどありません」。直島なおしまさんも子こどもが生後せいご11か月かげつのころが１いち番ばんつらかったということで、そのころに子こどもが保育園ほいくえんに入はいることができなければ、自分じぶんも事件じけんを起おこしていたかもしれないと振り返ふりかえっています。

署名しょめいの呼よびかけ文ぶんでは、「虐待ぎゃくたい死しは許ゆるされることではありません。でも、３さん年ねん６ろくか月かげつは長ながすぎます。服役ふくえきを終おえて出でてきた時とき、２に人にんのお子おこさんは５ご歳さい半はんです。11か月かげつから５ご歳さい半はんまで母親ははおやに会あえずに過すごすことになります。２に人にんの子こどもに向き合むきあって育そだてながら罪つみを償つぐなうほうがいいと思おもいます」と訴うったえました。

ネット上じょうでは、母親ははおやがすぐに子育こそだてに戻もどるとまた疲弊ひへいしてしまうといった慎重しんちょうな意見いけんも見みられましたが、直島なおしまさんは、本人ほんにんに子育こそだての意欲いよくがあり、今後こんごは周囲しゅういのサポートを受うけられるということを支援しえん団体だんたいから聞きいているということです。

母親ははおやは、22日にち保釈ほしゃくされ、ネット上じょうでコメントを発表はっぴょうしました。

この中なかで、署名しょめい活動かつどうについて、「多おおくのみなさまが、３みっつ子こ育児いくじの大変たいへんさに共感きょうかんして声こえをあげてくださったこと、減刑げんけいの署名しょめいをしてくださったことを弁護士べんごしの先生せんせいから聞ききました。１いち人にんではないと感かんじ、次男じなんと残のこされた２に人にんの子こどもたちへの思おもいや、孤独こどくと絶望ぜつぼうに押おしつぶされそうな拘置こうち所しょでの生活せいかつの大おおきな心こころの支ささえになりました。本当ほんとうにありがとうございました」と感謝かんしゃのことばを述のべています。

事件じけんについては、「毎日まいにち次男じなんを思い出おもいだし、胸むねが張り裂はりさけそうな思おもいです。次男じなんの命いのちを奪うばったことは決けっして許ゆるされることではなく、私わたしの命いのちをかけても償つぐないきれないことだと思おもいますが、これからの一生いっしょうをかけて償なっていきたいと思おもっています」と述のべています。

そのうえで、今後こんごのことについては、「残のこる２に人にんの子こどもたちの母ははでもあることを考かんがえると、１いち日にちも早はやく子こどもたちとともに生活せいかつしていきたいと思おもいます。その際さいには、児童じどう相談そうだん所しょにご指導しどういただき、また、家族かぞく、病院びょういん、カウンセラー、多胎たたい支援しえんや地域ちいきの方々かたがたなど、多おおくのみなさまの助たすけを借かりながら、しっかりと子こどもたちに向き合むきあっていくつもりです」とつづっています。

直島なおしまさんは、３みっつ子この場合ばあい、支援しえんを受うけるための行動こうどうを起おこすことすら難むずかしいと話はなしています。

直島なおしまさんは、３さん人にんの子こを自分じぶん１いち人にんで外そとに連れ出つれだすのが体力たいりょく的てきに難むずかしいため、自治体じちたいの集団しゅうだん健けん診みにも行いけなかったという実体験じつたいけんがあり、相談そうだん窓口まどぐちにたどりつくことすら難むずかしい現状げんじょうを知しってほしいと考かんがえています。

３みっつ子この親おやとして何なによりも助たすかるのは、周囲しゅういの人ひとたちや外出がいしゅつ先さきで出会であった人ひとたちのさりげない手助てだすけだといいます。

「優やさしい店員てんいんさんがいるコンビニが近ちかくにあって、子こどもが走り回はしりまわっても怒おこらずに見守みまもってくれて、それだけでありがたいです。外出がいしゅつ先さきで子こどもが走り回はしりまわっているとき、一瞬いっしゅん、『このまま子こどもを置おいて、私わたし１いち人にんで家いえに帰かえれば楽らくになれる』という考かんがえがよぎるときがあります。事件じけんを起おこしたお母おかあさんも、子こどもを置おいて家出いえでしたりしなかったと考かんがえると、よく11か月かげつの間ま、頑張がんばったなと思おもいます」（直島なおしまさん）

直島なおしまさんは事件じけんの担当たんとうの弁護士べんごしと相談そうだんしながら、今後こんごも署名しょめい活動かつどうを続つづけていくということです。

ネット上じょうで広ひろがる同情どうじょうの声こえ

ネット上じょうでは、同おなじように子育こそだてに追おわれる母親ははおやたちから、実刑じっけい判決はんけつを受うけたことに同情どうじょうする声こえや、支援しえん制度せいどの充実じゅうじつを求もとめる声こえが相次あいついでいます。

ツイッターなどでは、子育こそだてをする母親ははおやたちから、今回こんかいの実刑じっけい判決はんけつについて、

「つらい。私わたしは双子ふたごでも限界げんかいだったのに。泣なきながら自治体じちたいに電話でんわしたけど、なんにも助たすけてくれなかった」とか、「誰だれにも頼たよれず、24時間じかん寝ねる間まもなく育児いくじをしていた母親ははおやだけが、この事件じけんを起おこしてしまったわけではないのでは」、「母ははとして涙なみだなしでは見みられない。子こどもはかわいいです。とても大切たいせつです。だからこそ孤独こどくの中なか、子育こそだてに行き詰いきづまる苦くるしみもよくわかります。渦中かちゅうにいる人ひとなら皆みな、自分じぶんは運うんがよかったのだと思おもえるのではないでしょうか。この方ほうもお子おこさんもかわいそうでなりません」といった同情どうじょうする声こえが相次あいついで投稿とうこうされています。

一方いっぽうで、「すぐに子育こそだてに戻もどるのは危険きけんだと思おもいます。うつの治療ちりょうと周まわりのサポート体制たいせいが整ととのうことを大前提だいぜんていにするべき」とか、「さまざまな分野ぶんやの専門せんもん家かによって、時間じかんをかけてきちんと検討けんとうされてほしい」などと母親ははおやが社会しゃかいに戻もどる前まえに支援しえんの在り方ありかたを考かんがえるべきだという慎重しんちょうな意見いけんも見みられました。

また、今回こんかい、事件じけんが起おきたのが、双子ふたごや３みっつ子こを育そだてている「多胎たたい家庭かてい」だったことについては、「この母子ぼしを救すくうサポート体制たいせいがない社会しゃかい全体ぜんたいの責任せきにんだと思おもう」、「この事件じけんをきっかけに多胎たたい児じの母ははが子育こそだてしやすい体制たいせいづくりを（求もとめます）」などと、早急そうきゅうに社会しゃかい全体ぜんたいで支援しえんの体制たいせいづくりを進すすめるべきだと訴うったえる投稿とうこうも相次あいついでいます。