“平成が終わルンです”使い捨てカメラで記録へ
平成最後の日となる来月30日の様子を写真に収めようというイベントが始まっています。
そこで使われるのは平成のヒット商品使い捨てカメラ。
平成生まれのクリエーターたちが企画しました。イベントの名前は「平成が終わルンです」。
平成の始まりと終わりの年を西暦で示したオリジナルTシャツを用意し、これを購入した平成生まれの2000人にカメラも配付します。
そして、4月30日の様子を写真に撮ってもらい、それを集めて写真展を開く計画です。
現在は応募者への発送作業が行われていて、スタッフはみな平成生まれです。
時給は自分が生まれた西暦と同じ金額にしています。
24日は、平成9年生まれのスタッフが時給1997円で働いていました。
イベントを企画した峯尾雄介さんは「スマートフォンやデジタルカメラは何枚も撮れて加工もできるが使い捨てカメラは現像するまで何が写っているかわからないところにおもしろさがある。参加者には平成最後の日を自分らしく切り取ってもらいたい」と話していました。
はんこ業者に予約注文相次ぐ
都内のはんこメーカーには、新元号のゴム印の予約注文が相次いで寄せられています。
東京 豊島区にあるはんこの製造販売会社では、来月1日から二重線と新しい元号をまとめて押して書類の元号を訂正できるゴム印を製造する予定です。
現在、インターネットやファックスによる予約注文を受け付けていますが、これまでに学校や企業、個人商店などから合わせて数百個の注文が寄せられているということです。
また、大手企業からも1万個近くのゴム印の見積もり依頼があったということです。
この会社では昭和から平成に元号がかわった際、ゴム印の注文が殺到して資材が足りなくなったほか、連日深夜まで対応に追われたということです。
今回は新元号が発表されしだい、すぐに製造や発送に取りかかれるよう社員が資材をあらかじめパッケージから出したり、ゴム印の持ち手を組み立てたりするなど準備を進めていました。
はんこ製造販売会社「吉報堂」の小嶋茂男社長は「平成の間にIT化が進んで書類が減ったと思っていたので、ここまで注文が来るとは予想してませんでした。新元号発表の日が近づくにつれて改元に向けた準備をイメージする人が増えているように感じる。なるべく早く、注文した人の手元に商品が届くよう準備を進めたい」と話していました。
システム改修やテストなど準備着実に 経産省が呼びかけ
経済産業省は、ことし1月下旬から2月中旬にかけて、製造業や流通業などの企業2700社余りを対象に改元に向けたシステム改修の準備状況について調査を行いました。
それによりますと、システムの中で「元号」が使われているかどうか調査が済んでいないと答えた企業が、20%ありました。
また、システムの改修を計画している500社余りの企業のうち、48%が「テストをまだ計画していない」と回答しました。
経済産業省は、システム改修が不十分な場合には、日付が認識されず、データの処理ができなくなる不具合が生じる可能性があると指摘しています。
経済産業省の中野剛志情報技術利用促進課長は「30年前の昭和から平成の時と比べて、いまは情報システムの規模も異なり、非常に複雑に連携しているため自分のところのシステムが大丈夫だからと言って安心はできない。システム間の連携についてテストをしてみて、大丈夫か確認するというのが最大のポイントになる」と述べ、システムの改修やテストなどの準備を着実に進めるよう呼びかけています。
明治安田生命は「安明」の仮元号でテスト
改元に合わせてシステムの改修を進めている企業は、新しい元号が発表されたあとの作業の負担を減らそうと、仮の元号を使ってテストを繰り返しています。
生命保険大手の「明治安田生命」は、個人向けの保険契約およそ700万件を管理するシステムの改修作業を進めています。
システム上、データは西暦で管理していますが、およそ150種類の顧客向けの通知や官公庁に提出する書類などでは、元号を使うこともあるため、改修が必要になったということです。
今回、新元号の発表から改元まで1か月と、期間が限られることから、発表後の作業の負担を減らそうと仮の元号を使って前もって作業を進めることにしました。仮の元号は会社名から取った「安明」とし、ことし5月1日以降の日付を入力した際に仮元号がうまく表示されるか、プログラムごとにテストを繰り返しています。
改修はおよそ1年半かけて進めてきたということで、明治安田生命情報システム部の打木靖人グループマネジャーは、「4月1日の発表のあとは最終確認の段階になる。新しいシステムが動く5月1日以降お客さまや関係者にご迷惑がかからないよう万全の態勢を取りたい」と話していました。
行政システムの改修進める 名古屋市
皇位継承に伴い5月1日に改元が行われることから、自治体では、「平成」などの和暦を扱う行政システムを新たな元号に対応したものに改修する必要があります。
こうした改修の費用は、規模の大きな自治体ほど高くなる傾向があるということで、名古屋市は、およそ4億8000万円をかけて80余りのシステムの改修作業を進めてきました。
各部署では、来月1日の新元号の発表を受け、入力テストなどの詰めの作業を進め、皇位継承に伴う10連休が明ける5月7日までに完了させる方針です。
名古屋市では、昭和から平成への改元の際、大勢の職員が手作業で膨大な量の文書の書き換えに当たりましたが、今回は、デジタル化が進む中、システムの改修が作業の中心となっています。
名古屋市保険年金課の木村剛課長は「前回の改元当時、書類に『平成』と掘られたゴム印を懸命に押して回ったのを覚えている。事前にシステムのテストを繰り返し、5月以降の事務が間違いなく行えるよう改修を進めていきたい」と話しています。