Japanese News: スケートボード男子ストリート堀米小野寺白井が代表に内定

アーバンスポーツのパリオリンピック予選よせんシリーズ第だい2戦せんは、23日にちにスケートボード男子だんしストリートの決勝けっしょうが行おこなわれ、選考せんこうレースで出遅でおくれていた東京とうきょうオリンピック金きんメダリストの堀ほり米雄よねお斗と選手せんしゅが優勝ゆうしょうし、逆転ぎゃくてんで2大会たいかい連続れんぞくのオリンピック代表だいひょうに内定ないていしました。また、14歳さいの小野寺おのでら吟ぎん雲くも選手せんしゅと白井しらい空そら良りょう選手せんしゅも代表だいひょう内定ないていを決きめました。

パリオリンピックのスケートボードの代表だいひょう選手せんしゅは、対象たいしょうとなる国際こくさい大会たいかいで得えられるポイントに基もとづく世界せかいランキングで決きまり、今回こんかいの予選よせんシリーズ第だい2戦せんが選考せんこうレース最後さいごの大会たいかいです。

スケートボード男子だんしストリートの決勝けっしょうは、45秒間びょうかん滑すべって技わざを何なん度ども繰り出くりだす「ラン」を2回かい、1回かいの技わざで勝負しょうぶする「ベストトリック」を5回かい行おこない、それぞれの得点とくてんの高たかい3回かいの合計ごうけいで争あらそわれました。

最大さいだい3人にんのオリンピック出場しゅつじょう枠わくを争あらそう日本にっぽん選手せんしゅは4人にんが出場しゅつじょうし、ここまで日本にっぽん勢ぜい5番手ばんてと出遅でおくれていた堀米ほりごめ選手せんしゅは、前半ぜんはんのランで90点てんを超こえる高こう得点とくてんをマークしました。

後半こうはんのベストトリックでは、3回かい目めに、270度ど回転かいてんしてボードの後うしろ部分ぶぶんをレールに滑すべらせる新あたらしい技わざを決きめ、97.10の高こう得点とくてんをマークしました。

堀米ほりごめ選手せんしゅは合計ごうけいを283.01とし、この2年間ねんかんの選考せんこう大会たいかいで初はじめて優勝ゆうしょうを果はたし、逆転ぎゃくてんで2大会たいかい連続れんぞくのオリンピック代表だいひょうに内定ないていしました。

また、世界せかいランキング1位いにつけていた小野寺おのでら選手せんしゅが得意とくいのボードを回転かいてんさせる技わざなどを駆使くしして2位いに入はいり、東京とうきょうオリンピック代表だいひょうの白井しらい選手せんしゅが3位いで、日本にっぽん勢ぜいが表彰台ひょうしょうだいを独占どくせんしました。

この結果けっか、小野寺おのでら選手せんしゅと白井しらい選手せんしゅもパリオリンピックの代表だいひょうに内定ないていしました。

選考せんこうレースで、日本にっぽん勢ぜいの2番手ばんてにつけていた根ね附ふ海うみ龍りゅう選手せんしゅは7位いに終おわり、初はじめてのオリンピック出場しゅつじょうはなりませんでした。

堀米ほりごめ「みんなが驚おどろく新あたらしい技わざで2連覇れんぱをねらいたい」

大だい逆転ぎゃくてんで2大会たいかい連続れんぞくのオリンピック代表だいひょうに内定ないていした堀ほり米雄よねお斗と選手せんしゅは「オリンピックの選考せんこう大会たいかいは、この2年間ねんかん、ずっとうまくいかなくて、前回ぜんかいの中国ちゅうごく上海しゃんはいの大会たいかいで予選落よせんおちした時点じてんで、もうオリンピックには行いけないと思おもっていた。それでも、もう1回かいチャンスがあることを知しって、きつい状況じょうきょうではあったが、その少すこしの可能かのう性せいにかけて、最後さいごまで信しんじ切きれたのが、この勝かちにつながったと思おもう」とほっとした表情ひょうじょうで語かたりました。

そのうえで、パリオリンピックへ向むけては「少すこしずつ光ひかりが見みえてきた感かんじがするので、このまま集中しゅうちゅうを途切とぎれさせずに頑張がんばりたい。みんなが驚おどろく新あたらしい技わざで2連覇れんぱをねらいたい」と話はなしていました。

小野寺おのでら「すごく攻せめて楽たのしく滑すべる自分じぶんのスタイル見みせたい」

代表だいひょう内定ないていを決きめた小野寺おのでら吟ぎん雲くも選手せんしゅは「2位いになれてすごくうれしいが、ベストトリックが最後さいごに決きまらなかったので、そこは悔くやしい。今回こんかいの大会たいかいは、すごく暑あつくて、風かぜが強つよいこともあったが、それにも負まけず自分じぶんに勝かてたのはよかった。オリンピックでは、すごく攻せめて楽たのしく滑すべるという自分じぶんのスタイルをすべて見みせたい」と話はなしていました。

白井しらい「本当ほんとうに長ながくつらい戦たたかいだったが100点てん満点まんてん」

2大会たいかい連続れんぞくのオリンピック代表だいひょうの座ざをつかんだ白井しらい空そら良りょう選手せんしゅは「本当ほんとうに長ながくつらい戦たたかいだったので、やっと決きまってほっとしている。今回こんかいは頭あたまを使つかって、誰だれに勝かたなきゃいけないのか、リスクなく戦たたかえるかを考かんがえながら取り組とりくんだので、100点てん満点まんてんだった。パリでは、いい技わざを披露ひろうして、いい結果けっかを出だせたらと思おもう」と話はなしていました。

堀ほり米雄よねお斗と “オリンピックで2連覇れんぱが夢ゆめ”

スケートボード男子だんしストリートの堀ほり米雄よねお斗と選手せんしゅは、東京とうきょう都と出身しゅっしんの25歳さい。

6歳さいのときに、父親ちちおやの影響えいきょうでスケートボードを始はじめ、中学生ちゅうがくせいからストリートの種目しゅもくに本格ほんかく的てきに取り組とりくむようになりました。

優すぐれたバランス感覚かんかくや、巧たくみなボードさばき、高たかさのあるジャンプなどが持ち味もちあじで、高校こうこう卒業そつぎょう後ごにアメリカに渡わたり、世界せかい最高峰さいこうほうのツアー大会たいかいに参戦さんせんするなどして実力じつりょくを高たかめて、世界せかいトップレベルの実力じつりょくを身みにつけました。

2021年ねんの世界せかい選手権せんしゅけんでは、初はじめて金メダルきんめだるを獲得かくとくし、スケートボードが初はじめて採用さいようされた東京とうきょうオリンピックでは、地元じもと江東こうとう区くの会場かいじょうで、270度ど回転かいてんしてレールに飛び乗とびのりボードの先端せんたんを滑すべらせる大技おおわざを「ベストトリック」で決きめ、金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。

その後そのごは、日本にっぽんのスケートボード界かいの顔かおとして、競技きょうぎの普及ふきゅう活動かつどうや映像えいぞう作品さくひんの制作せいさくなどに力ちからを入いれながら、「オリンピックで2連覇れんぱすることも自分じぶんの夢ゆめ」として、パリオリンピックの選考せんこう対象たいしょうとなる国際こくさい大会たいかいに参戦さんせんしました。

しかし、「Xゲームズ」など、選考せんこう対象たいしょう外がいの国際こくさい大会たいかいでは実力じつりょくを見みせるものの、オリンピックの選考せんこう大会たいかいでは、なかなか上位じょういに進すすめず、日本にっぽん選手せんしゅどうしの代表だいひょう争あらそいから出遅でおくれていました。

2023年ねん12月つきに東京とうきょうで行おこなわれた世界せかい選手権せんしゅけんでは、3位いに入はいって意地いじを見みせたものの、2024年ねん5月つきの予選よせんシリーズ第だい1戦せんでは、予選よせんで敗退はいたいし17位いに終おわり、

代表だいひょう入いりへあとがない状況じょうきょうから、逆転ぎゃくてんで2大会たいかい連続れんぞくとなるオリンピック代表だいひょうの座ざをつかみました。

270度ど回転かいてんしてレールに飛び乗とびのり、着地ちゃくちするときに再ふたたび270度ど回転かいてんする堀米ほりごめ選手せんしゅの名前なまえがついたオリジナル技わざ「ユウトルネード」は、高こう得点とくてんが期待きたいできる大技おおわざで、パリオリンピックでは日本にっぽんのエースとして2連覇れんぱが期待きたいされます。

小野寺おのでら吟ぎん雲くも “将来しょうらいの夢ゆめは宇宙うちゅうでスケートボード”

スケートボード男子だんしストリートの小野寺おのでら吟ぎん雲くも選手せんしゅは、神奈川かながわ県けんの中学生ちゅうがくせいで14歳さい。

7歳さいから本格ほんかく的てきにスケートボードを始はじめました。

スピード感かんのある滑すべりと高たかさのあるジャンプ、それに技わざの成功せいこう率りつの高たかさも兼ね備かねそなえ、ボードの後うしろ側がわを斜ななめにして、レールなどに滑すべらせる「ブラントスライド」を使つかった技わざや、ボードを裏表うらおもてに2回転かいてんさせる「ダブルフリップ」を使つかった技わざなどを得意とくいとしています。

当初とうしょは、国際こくさい大会たいかいを中心ちゅうしんに出場しゅつじょうして実績じっせきを重かさね、海外かいがいで知しられる存在そんざいとなりました。

国内こくないで2回かい目めの大会たいかい出場しゅつじょうとなった2022年ねんの日本にっぽん選手権せんしゅけんでは、難なん度どの高たかい技わざを次々つぎつぎと成功せいこうさせて、いきなり初はつ優勝ゆうしょうし、一気いっきに注目ちゅうもくを集あつめました。

2023年ねん2月つきの世界せかい選手権せんしゅけんでは、銅メダルどうめだるを獲得かくとくし、2023年ねん5月つきに千葉ちば市しで行おこなわれた世界せかい最高峰さいこうほうの大会たいかい「Xゲームズ」では、この種目しゅもくで史上しじょう最年少さいねんしょうの優勝ゆうしょう者しゃとなるなど、活躍かつやくを続つづけました。

パリオリンピックの選考せんこう大会たいかいでも、安定あんていした戦たたかいぶりを見みせ、2024年ねん5月つきの中国ちゅうごくでの予選よせんシリーズ第だい1戦せんで、日本にっぽん勢ぜいトップの2位いに入はいるなど、初はつのオリンピックでも、その高たかいスキルでメダル獲得かくとくが期待きたいされています。

将来しょうらいの夢ゆめを「宇宙うちゅうでスケートボードをしたい」と語かたるなど、スケールの大おおきさを感かんじさせる若手わかてトップスケーターの1人にんです。

白井しらい空そら良りょう自身じしんの名前なまえがついた独創どくそう性せいの高たかい大技おおわざが持ち味もちあじ

スケートボード男子だんしストリートの白井しらい空そら良りょう選手せんしゅは、神奈川かながわ県けん出身しゅっしんの22歳さい。

5歳さいのときにスケートボードを始はじめ、現在げんざいは、自身じしんが設計せっけいに携たずさわった神奈川かながわ県けん寒川さむかわ町まちの練習れんしゅう場じょうを拠点きょてんとしています。

1回かいのトライで技わざを競きそう「ベストトリック」を得意とくいとし、空中くうちゅうで180度ど回転かいてんしたあとに前側まえがわの車軸しゃじく部分ぶぶんで滑すべる「ソラグラインド」や、バックで進すすみながら空中くうちゅうで360度ど回転かいてんして、レールに車軸しゃじく部分ぶぶんを滑すべらせる「シライケーン」といった自身じしんの名前なまえがついた独創どくそう性せいの高たかい大技おおわざが持ち味もちあじです。

2019年ねんに国際こくさい大会たいかいで優勝ゆうしょうするなど実績じっせきを重かさね、2021年ねんの世界せかい選手権せんしゅけんでは、前まえの年としに負おった左ひだりひざ前まえ十じゅう字じじん帯じんたいを断だん裂する大だいけがを乗り越のりこえて銅メダルどうめだるを獲得かくとくしました。

しかし、メダル獲得かくとくも期待きたいされた東京とうきょうオリンピックでは、予選よせんでミスが続つづいて、上位じょうい8人にんによる決勝けっしょうに進すすめず、9位いに終おわりました。

そして、「このままでは終おわれないし、あんな経験けいけんは二度にどとしたくない」と、パリオリンピックでの巻き返まきかえしを誓ちかい、選考せんこう対象たいしょうの大会たいかいでは、2023年ねん6月つきのイタリアの大会たいかいで2位い、2023年ねん12月つきの世界せかい選手権せんしゅけんでは、金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。

世界せかいランキング1位いで臨のぞんだ2024年ねん5月つきの予選よせんシリーズの第だい1戦せんでは、13位いに終おわりましたが、激はげしい代表だいひょう争あらそいを勝ち抜かちぬき、2大会たいかい連続れんぞくのオリンピックの切符きっぷをつかみました。

技わざを決きめたあとに見みせる、刀かたなを振ふり抜ぬく「侍さむらいポーズ」が代名詞だいめいしで、パリオリンピックではメダル獲得かくとくも期待きたいされます。

「地獄じごくのようだった」堀ほり米雄よねお斗と一いち回まわり強つよくなって五輪ごりんに

世界せかい屈指くっしの高たかいレベルで日本にっぽん選手せんしゅがオリンピックの代表だいひょう争あらそいを繰り広くりひろげてきた、スケートボードの男子だんしストリート。

東京とうきょうオリンピック金きんメダリストの堀ほり米雄よねお斗と選手せんしゅが選考せんこうレースの最後さいごの大会たいかいで優勝ゆうしょうし大だい逆転ぎゃくてんでパリへの切符きっぷをつかむという劇的げきてきな結末けつまつとなりました。

堀米ほりごめ選手せんしゅ自身じしんが「地獄じごくのようだった」と語かたるこの2年間ねんかんの選考せんこうレースを経へて、初はつ代金だいきんメダリストはまた一いち回まわり強つよくなってオリンピックの舞台ぶたいに帰かえってきます。

【“地獄じごくから抜け出ぬけだしたい”】

アーバンスポーツのオリンピック予選よせんシリーズ第だい2戦せん。

選考せんこうレース最後さいごの大だい一番いちばんで優勝ゆうしょうを決きめて取材しゅざいエリアに現あらわれた堀米ほりごめ選手せんしゅは、この2年間ねんかん、見みたことのないようなほっとした表情ひょうじょうを見みせました。

堀米ほりごめ選手せんしゅは「オリンピックの予選よせんに関にかんしては何なにをやってもうまくいかない。この“地獄じごく”から抜け出ぬけだしたかった。最終さいしゅう戦せんで希望きぼうの光ひかりが少すこしだけ見みえていた。この結果けっかは自分じぶんでもすごいびっくり」と苦くるしかった心境しんきょうを率直そっちょくな言葉ことばにしました。

東京とうきょうオリンピックで頂点ちょうてんに立たち、スケートボード界かいの顔かおとなった堀米ほりごめ選手せんしゅが、2連覇れんぱを目指めざして臨のぞんだパリオリンピックの選考せんこうレース。

しかし、思おもうような結果けっかがでませんでした。

選考せんこうレースの大会たいかいでは決勝けっしょうにすら残のこれないケースも多おおく東京とうきょう大会たいかいのあと台頭たいとうしてきた勢いきおいある若手わかての日本にっぽん勢ぜいに世界せかいランキングでも遅おくれをとってきました。

そして、選考せんこうレースの最後さいごを締しめくくる、予選よせんシリーズ2戦せんのうち、5月つきの中国ちゅうごくでの第だい1戦せん。

2回かいのランでミスが出でるなどしてまさかの予選よせん敗退はいたい。

一いち度どはパリオリンピック出場しゅつじょうを「あきらめた」という堀米ほりごめ選手せんしゅですが、ぎりぎりチャンスがあると知しり、「完全かんぜんに吹っ切ふっきれた」と最後さいごの第だい2戦せんにかけてきました。

【光ひかった「ラン」の改善かいぜん】

予選よせんシリーズ第だい2戦せんでこれまでと大おおきく変かわったのが、前半ぜんはんの45秒びょう滑すべる「ラン」でした。

これまでの選考せんこう大会たいかいではミスが目立めだち、成功せいこうしても得点とくてんが伸のびなかった「ラン」。

今こん大会たいかいでは予選よせんから、この「ラン」の中なかに堀米ほりごめ選手せんしゅの代名詞だいめいしともいえる大技おおわざ、「ノーリーバックサイド270ノーズスライド」を盛り込もりこむなど、格段かくだんに難なん度どを上あげてきました。

その結果けっか、準決勝じゅんけっしょう・決勝けっしょうともに「ラン」で90点てん台だいの高こう得点とくてんをマークして試合しあいを優位ゆういに進すすめ、1回かいの技わざで勝負しょうぶする得意とくいの「ベストトリック」で突き放つきはなすという理想りそうの展開てんかいを作つくりあげました。

堀米ほりごめ選手せんしゅを子こどものころから知しる日本にっぽん代表だいひょうの早川はやかわ大輔だいすけコーチは「ベストトリックでやるような難むずかしい技わざを、ランに盛り込もりこんだのが大おおきい。技わざのバリエーションもあった。何なにより雄お斗とのランはかっこよかった」とその滑すべりをたたえました。

そのうえで早川はやかわコーチは、「予選よせんシリーズ第だい1戦せんからの1か月かげつは本当ほんとうにすごく頑張がんばったと思おもう。絶対ぜったい乗のってやるという執念しゅうねんがあった」と最終さいしゅう戦せんにかけてきた堀米ほりごめ選手せんしゅの思おもいを代弁だいべんしました。

【夢ゆめの“五輪ごりん2連覇れんぱ”へ】

決勝けっしょうのベストトリックでは2つの新あたらしい技わざを決きめるなど、圧倒的あっとうてきな力ちからを見みせて、本来ほんらいの姿すがたを取り戻とりもどした日本にっぽんのエース。

「苦くるしい時期じきを経へてまた強つよくなったのでは？」と質問しつもんすると、堀米ほりごめ選手せんしゅは「自分じぶんではあまり分わからないが、苦くるしいことは自分じぶんで乗り越のりこえるしかないので。出だしきれる技わざを全部ぜんぶ出だして、これまでとは違ちがう戦たたかい方かたで攻せめようと思おもった。最初さいしょから最後さいごまで吹っ切ふっきれたのがよかったのかなと思おもう」と話はなしました。