村尾選手は初戦の2回戦は開始1分足らずで大外刈りで一本勝ちして、準々決勝では相手が3回目の指導を受けて反則負けとなり、準決勝に進みました。
準決勝は地元のフランスのマキシメ ゴエル・ヌギャップ ハンボウ選手と対戦し、開始2分10秒に小外刈りで技ありを奪い、その後も攻め続け、開始3分33秒に大内刈りで2つめの技ありを取って合わせ技一本で勝ちました。
決勝は最大のライバルで東京大会の金メダリスト、ジョージアのラシャ・ベカウリ選手と対戦し、開始1分に谷落としで技ありを奪いました。
このあとも村尾選手は積極的に技を仕掛けますが、開始2分37秒には逆にすくい投げで技ありを奪われ、さらに延長戦に入る直前に小内刈りで2つめの技ありを取られて、合わせ技一本で敗れ銀メダルでした。
金メダルはベカウリ選手で銅メダルはヌギャップハンボウ選手とギリシャのセオドロス・ツェリディス選手でした。
村尾“本当にきつい 悔しさが残る”
オリンピック初出場で銀メダルを獲得した村尾選手は、決勝直後のインタビューでと話すと、繰り返し後ろを向いて涙を拭う様子を見せました。
そしてと話していました。
また、表彰式のあとのインタビューではと話しました。
そのうえで積極的に技を出しながらも敗れた決勝戦を振り返りと話していました。
勝ちを引き寄せるため「まずは組み手の部分が大事」
村尾選手は海外選手の層が厚いこの階級で、初出場ながら銀メダルを獲得しました。
村尾選手のです。
高校3年生だった2018年の国際大会、グランドスラム大阪では3位になるなど若い頃から実績を重ねてきました。
東京オリンピックの代表争いでは敗れましたが「高みを目指して本当に強くなりたいという一心でやっていたので、そこが落選後も頑張れる1つの理由だった」とその悔しさがパリへの原動力となりました。
パリ大会に向け、去年の世界選手権では銅メダルを獲得するなど、着実に結果を残してきましたが去年の夏には左ひざをけがするアクシデントに見舞われました。
それでも「今できる100%を突き詰めてやり抜けた。日頃の練習ではすごいストレスを感じることがあったが、そこを乗り越えてステップアップできた」と思うような稽古が積めない時期も成長につなげたと胸を張っていました。
さらに、みずからの勝ちを引き寄せるために必要な要素をと分析して初の舞台に臨みました。
パリの畳でも強さ見せる
パリの畳では初戦から鍛えてきた組み手で相手を圧倒し、開始44秒で大外刈りを決めて一本勝ち。
続く準々決勝でも終始攻めて相手の反則負けで、勝ち進みました。
準決勝は開催国フランスの選手で、地元の大きな声援の中でも冷静に攻め、足技で技ありを重ねて合わせ技一本を奪いました。
そして、決勝では東京大会の金メダリスト、ジョージアのラシャ・ベカウリ選手との対戦。同じ2000年生まれで、ジュニア時代からしのぎを削ってきた選手でもあります。
今回のでした。 村尾選手は遠い間合いからしっかりと組み合って投げる一方ベカウリ選手は距離を詰めてのトリッキーな攻めを得意としています。 村尾選手は事前に想定していたとおり、徹底してベカウリ選手を懐に入れないようにしのぎながら、みずからのペースに持ち込み、試合開始1分、谷落としで技ありを奪いました。 しかし、攻めのスタイルを巧みに変えながらじわじわと間合いを詰めるオリンピックチャンピオンに徐々にペースを乱され、すくい投げで技ありを取り返されました。 そして、試合時間終了間際、もつれる展開から小内刈りで再び技ありを奪われて、村尾選手が敗れました。 男子代表で村尾選手の担当コーチを務める小野卓志コーチは「技の打ち合いになることは想定していた。捨て身を多いし、間合いも急接近にしてくることは想定していたが、」と厳しく自分に向き合いました。 それでも、とすでに4年後を見据えて力強く語りました。