アメリカの連邦議会は来月から始まる新たな会計年度の予算案を今月中に成立させる必要がありますが、与党・民主党と、財政規律を重視する野党・共和党の間で合意に至っていません。
このため議会上院では26日、交渉時間を確保するため、民主・共和両党が11月17日まで予算の執行を続けるための「つなぎ予算」の案を超党派でまとめました。
ただ、議会下院では、多数派を占める共和党の保守強硬派の一部の議員がウクライナ支援に反対するなど大幅な歳出削減を主張していて、「つなぎ予算」の成立の見通しも立っていません。
今月30日までに「つなぎ予算」を成立できなければ来月1日以降、連邦政府職員の人件費などが手当てできなくなり、政府機関の一部が閉鎖される懸念が高まっています。
ホワイトハウスのジャンピエール報道官は26日、声明を発表し「下院共和党は上院とともに自分たちの仕事をして、人々の生活を翻弄する政治的な駆け引きをやめるべきだ」として共和党に対応を求めました。
下院では、共和党のマッカーシー議長が党内の調整にあたっていますが、保守強硬派の議員は主張が認められなければ議長の解任を求める構えを見せて圧力を強めていて、合意が得られるめどは立っていません。
米国防次官 “ウクライナ支援にも影響出かねない”
政府機関の一部が閉鎖に追い込まれた場合の影響について、アメリカ国防総省で兵器の調達などを担当するラプランテ国防次官は26日、シンクタンクが開いたイベントで「ひどいことになる。来週、ウクライナに送る兵器の性能などを確かめる試験を行う予定だが、何らかの措置が講じられなければ、できそうにない」と述べ、必要な人員を確保することができず、ウクライナへの軍事支援にも影響が出かねないと懸念を示しました。