生活せいかつ保護ほごの支給しきゅう額がくについて国くには、当時とうじの物価ぶっかの下落げらくなどを反映はんえいする形かたちで、2013年ねんから2015年ねんにかけて最大さいだいで10％引き下ひきさげました。

これについて、広島ひろしま県内けんないの受給じゅきゅう者しゃたちが「憲法けんぽうで保障ほしょうされた最低さいてい限度げんどに満みたない生活せいかつ状況じょうきょうを強しいられている」などとして、自治体じちたいが行おこなった支給しきゅう額がくの引き下ひきさげの取り消とりけしを求もとめていました。

2日にちの判決はんけつで、広島ひろしま地方ちほう裁判所さいばんしょの大濱おおはま寿美としみ裁判さいばん長ちょうは「物価ぶっか変動へんどうを指標しひょうとして生活せいかつ扶助ふじょ基準きじゅんの改定かいていを行おこなう場合ばあいには、専門せんもん技術ぎじゅつ的てきな考察こうさつに基もとづいて判断はんだんする必要ひつようがあるが、国くにの判断はんだんは、統計とうけいなどの客観きゃっかん的てきな数値すうちとの合理ごうり的てきな関連かんれん性せいや専門せんもん的てき知見ちけんとの整合せいごう性せいを欠かいていて、裁量さいりょう権けんの範囲はんいを逸脱いつだつして違法いほうだ」などとして、原告げんこく52人にんの訴うったえを認みとめ、広島ひろしま市しなど6つの市しと町まちに対にたいして支給しきゅう額がくの引き下ひきさげを取り消とりけすよう命めいじました。

原告げんこくの弁護べんご団だんによりますと、全国ぜんこく29の裁判所さいばんしょで起おこされた同様どうようの裁判さいばんの1審しん判決はんけつは今回こんかいが22件けん目めで、引き下ひきさげを取り消とりけしたのは12件けん目めです。

原告げんこく「晴はれやかな気分きぶん」

判決はんけつを受うけて、原告げんこくや代理人だいりにんの弁護士べんごしが広島ひろしま市し中なか区くで記者きしゃ会見かいけんを開ひらきました。

この中なかで、原告げんこくの1人にんで広島ひろしま市し安佐南あさみなみ区くに住すむ中村なかむら絹枝きぬえさん（79）は「裁判さいばん長ちょうのことばを聞きいて勝かったと確信かくしんした時ときはうれしく感かんじました。裁判さいばんは9年間ねんかんも続つづきましたが、きょうは晴はれやかな気分きぶんになれたので、もし控訴こうそされても頑張がんばっていきたいです」と話はなしていました。

代理人だいりにんの津村つむら健太郎けんたろう弁護士べんごしは「被告ひこくにあたる自治体じちたいは控訴こうそしてくると思おもいますが、これまでに全国ぜんこく12の裁判所さいばんしょで受給じゅきゅう者しゃの主張しゅちょうが通とおったので、国くにには政策せいさくを変更へんこうしてもらいたいと思おもいます」と話はなしていました。