このため、売り上げは感染拡大前の同じ時期の6割から7割ほどにとどまっているということです。
さらに追い打ちをかけているのが仕入れている商品の値上げです。
原材料価格の高騰や円安などの影響で、仕入れ先からは連日のように値上げを知らせる連絡があります。中には一気に30%以上価格が引き上げられたケースや複数回にわたって何度も値上げが行われた商品もあるということです。
仕入れている商品の急激な値上げに対し、この会社では販売価格への転嫁が追いついていないのが現状です。販売価格を引き上げると買い求める人が減ってしまうおそれがあるからです。
地域での祭りの中止が相次ぐ中、家で祭りの気分を楽しみたいとする家庭から人気だということで、新たな需要を取り込めると期待しています。 「ヤマギシ」の松田朝子さんは「仕入れ先からこんなに頻繁に値上がりの連絡がきたことは過去にはなかった。薄利多売の商品が多く、こちらが値上げするにも限界がある。コロナも物価高も早くおさまってほしい」と話しています。
ことしはコロナ禍で初めて移動制限のない夏休みとなり、団体の宿泊客が増えると期待していました。 しかし、感染の「第7波」の影響で7月からキャンセルが増え始め、8月は予約客の半数以上がキャンセルとなったうえ、電気代やガス代、それに食材の値上がりなども重なって経営環境は厳しさを増しています。 旅館ではこのまま団体客に頼るだけでは経営が立ち行かないと考え、個人や家族連れの「日帰り客」を取り込もうと、国の補助金を活用して個室の貸し切り風呂を新たに設け、人との接触を避けながら源泉かけ流しの温泉を楽しめる環境を整えました。 さらに、日帰りで客室や温泉、地元の食材を使った料理をセットで楽しめる夏限定の特別プランを考案して旅行代金の割り引きなどがある「県民割」が適用されるようにし新たな顧客の獲得に取り組んでいます。
コロナ禍で離職が相次いだ影響で人手不足の状況が続いていますがこうした取り組みによって客の満足度を下げずに効率的な運営ができるよう工夫を重ねています。 「ホテル圓山荘」の竹本博昭社長は「お客様を増やすと言っても、なかなか難しいが、私たちには温泉という強みがある。新たなチャレンジをしながら事業を継続していくことがコロナ禍で助けてくれた人たちへの恩返しだと思っている」と話していました。
土佐市にある不織布の加工メーカーは大手化粧品会社から注文を受けて化粧用のパックなどを製造し、この商品が売り上げ全体の6割程度を占めていました。
そこで、この会社はコロナ禍で広がるキャンプのブームにいち早く目をつけ、不織布の技術を生かしたアウトドア専用のキッチンペーパーを開発しました。
これまでにおよそ1万個を出荷し、アウトドア用品メーカーが展開しているキャンプ場などでも販売されるなど、着実に販路を広げているということです。 「三昭紙業」の塩田竜也営業部長は「時代が速いスピードで変化している中で、新たな提案をしなければ生き残っていけない。キャンプ用品も新たな経営の柱にしたい」と話していました。
団体客の低迷が続く 個人客や日帰り客をターゲットに
“爆買い”需要からの転換