高級車ブランド、メルセデス・ベンツを
展開するドイツのダイムラーは、
中国の
自動車メーカーの
吉利グループが
株式の
9%
余りを
取得し、
筆頭株主になったことを
明らかにし、
電気自動車の
開発などをめぐってどのような
提携が
進むかに
注目が
集まっています。ドイツの
大手自動車メーカー、ダイムラーが
23日に
開示した
資料によりますと、
中国の
吉利グループの
李書福会長がダイムラーの
発行済み
株式の
9.
69%を
取得し、
筆頭株主になりました。
取得額は日本円で1兆円規模になると見られ、現地メディアによりますと、吉利グループは市場を通じて株式を取得したということです。
ダイムラーは高級車ブランド、メルセデス・ベンツのすべての車種を2022年までに電気自動車など電気で走る車にする計画を打ち出しているほか、自動運転の技術開発にも力を入れています。
吉利グループは、株式を取得した狙いについて明らかにしていませんが、現地や中国のメディアは、世界的にEVシフトが加速する中、電気自動車に関する技術で、ダイムラーに対して提携を求めていると伝えています。
吉利グループは、これまでにもスウェーデンの「ボルボ・カー」などヨーロッパの自動車メーカーを次々と買収しており、今後、ダイムラーとの間でどのような提携が進むかや、経営にどの程度関与する姿勢を示すかに注目が集まっています。
吉利グループは中国東部の浙江省に拠点を置く自動車メーカーで、去年の中国国内での販売台数は、中国系メーカーとしては4位の130万5000台でした。
もともと低価格の小型車を中心に展開していましたが、2010年に高級車で知られるスウェーデンの「ボルボ・カー」を買収したほか、イギリスの「ロータス」も傘下に置き、2020年にはグループ全体の販売台数で300万台を目指すとしています。
中国メディアは今回の株式の取得について、吉利グループが電気自動車の開発に欠かせないバッテリーの技術を持つダイムラーに対して、技術提携を求めていると報じていて、世界的に「EVシフト」が加速する中、どのような提携が進むかに注目が集まっています。