「カナダグース」は、1着10万円前後するダウンジャケットなどが人気のカナダの高級ブランドですが、消費者庁によりますと、東京・世田谷区の通販会社、「CGJP」は、自社のウェブサイトを通じて「カナダグース」の偽物を正規品と称して5分の1程度の価格で販売していたということです。
問題の偽物は正規品と比べて、刺しゅうが粗かったり、商品タグの柄が異なっていたりするなどの違いがありますが、この会社は、消費者が返金を求めても応じないということで、全国の消費生活センターには、「CGJP」から偽物の「カナダグース」を買わされたといった相談が、おととし10月以降、先月末までに800件近く寄せられています。
しかし、消費者庁の調べに応じないうえ、今月には「益天合同会社」と名前を変えて営業を続けていると見られ、被害の拡大を防ぐため、業者名の公表に踏み切ったということです。
消費者庁は、「この業者の通販サイトは日本語がおかしいなど不審な点が見られた。不審な点がある場合は料金を支払う前に各地の消費生活センターや警察などに相談してほしい」と呼びかけています。
「公式」も注意を呼びかけ
「カナダグース」は、「メード・イン・カナダ」にこだわったカナダの高級ブランドで、防寒性能などの高い機能性とファッション性が幅広い支持を集めています。しかし、世界各地で偽物が横行しているとして、公式サイトで注意を呼びかけています。
この中では、ワッペンの刺しゅうが粗かったり、カエデの葉の形が正規品と違っていたりするほか、「カナダ」などのつづりが間違っている場合もあるなど、偽物の見分け方を紹介しています。
さらに、おととしからは、ホログラムが付いた商品タグをすべての商品につけているということです。
カナダグースは、偽物の収益が犯罪組織の資金源になり、児童就労を助長するなどと指摘し、偽物には手を出さず、正規の小売店や公式サイトで購入するよう呼びかけています。