日本製鉄は2023年12月、アメリカの大手鉄鋼メーカー、USスチールを買収することで両社で合意しました。
その後、アメリカ政府のCFIUS=対米外国投資委員会が安全保障上のリスクに関する審査を進めてきましたが、12月23日の期限までに全会一致に至らず、買収を認めるかどうかの判断はバイデン大統領に委ねられていました。
これについて、アメリカの有力紙「ワシントン・ポスト」など複数のメディアは、2日、バイデン大統領が計画を阻止することを決めたと伝えました。
早ければ3日にもホワイトハウスが発表する可能性があるとしています。
計画を審査していた委員会の中では、買収が実現すればアメリカ国内での鉄鋼の生産量が減少するおそれがあるなどという意見が出ていて、大統領としては安全保障上のリスクがあると判断したものとみられます。
この計画をめぐって日本製鉄は、アメリカ政府に対して雇用を守ることに加えて鉄鋼の生産能力を維持することで安全保障の強化につながると説明してきました。
12月25日に、日本製鉄の今井正社長は記者団に対し「国家の安全保障上の懸念に対してはさまざまな対応策を約束してきている。製鉄所がある地域の社会でも賛同の意見が相当広がっているという手応えもある」と述べていました。
USスチールの買収計画に関する海外メディアの報道について、日本製鉄は「コメントしない」としています。