今月行われる大統領の就任式を前に、勝利を主張する野党側の候補者が国際社会にみずからの正当性を直接訴える動きを強めていて、政権側は神経をとがらせているとみられます。
南米のベネズエラで、去年7月に行われた大統領選挙を巡っては選挙管理委員会が現職のマドゥーロ大統領の当選を発表しましたが、野党側は不正があったとして、みずからの集計結果をもとに元外交官のゴンサレス氏の勝利を主張しています。
選挙結果については、国の内外から疑問の声が上がっていますが、政権側は当選の既成事実化を進め、マドゥーロ大統領は、今月10日に3期目の就任式に臨む予定です。
こうしたなか、ゴンサレス氏は選挙のあと、政権側に逮捕される恐れがあることなどからスペインに亡命していましたが、中南米各国などへの訪問を始め、4日はアルゼンチンのミレイ大統領と会談し、直接支援を求めました。
ゴンサレス氏は、会談の後の会見で「マドゥーロ氏が平和的かつ秩序ある政権移行に貢献することを期待する」と述べるなど、みずからの勝利の正当性を改めて強調しました。
一方、マドゥーロ政権は、ゴンサレス氏の居場所に関する情報の提供者に10万ドル、日本円で1500万円あまりの懸賞金を出すとするなど、野党側の動きに神経をとがらせているとみられます。