山本投手は右肩の炎症で6月にけが人リストに入り、先月28日、リハビリの最終段階として離脱後初めてマイナーリーグで登板しました。
3日はオクラホマ州のオクラホマシティーでドジャース傘下の3Aのチームの試合で、離脱後2回目となる先発登板に臨みました。
1回はコントロールに苦しみ、先頭バッターからフォアボールとツーベースヒットで二塁三塁のピンチを招き、犠牲フライなどで2点を失いました。
2回も先頭バッターにフォアボールを与えましたが続くバッターをファーストゴロに抑えその後は2者連続で、ストレートで空振り三振を奪って無失点で切り抜けました。
山本投手は当初3イニングを予定していましたが、球数が50球を超えたためここでマウンドを降り、2回53球を投げてヒット2本、フォアボール2つで2点を失いましたが、三振3つを奪い、ストレートは最速155キロをマークしました。
山本投手は「内容はよくなかったが、いい感覚で投げられたボールも何球かあった。修正するところは明確にわかっている。きょうバッターと対戦するまで感じ取れなかったような細かいところだったので、リハビリ登板としてはよかったと思う」と話し、今月中の復帰に手応えを感じている様子でした。
ドジャースは今後、山本投手の体調やピッチャー陣の状態を検討したうえで、復帰の時期を探ることにしています。
プレーオフの切り札となるか
ドジャースのシーズン最終盤やその後のプレーオフの戦いでカギを握りそうなのが、復帰を見据える山本由伸投手の状態です。
ドジャースは8月、左手首の骨折のために離脱していた中心選手のベッツ選手などけがで戦列を離れていた野手の主力が次々と復帰し、自慢の強力打線で好調を維持しています。
その一方で、開幕からエース級のピッチングを続けていたグラスナウ投手が先月中旬に右ひじの炎症でけが人リストに入ったほか、8月31日にはサイ・ヤング賞を3回獲得していて、ローテーションの中で貴重なサウスポーだったベテランのカーショー投手が左足親指の痛みのため戦列を離れ復帰のめどはたっていません。
ここまでのチーム最多勝は昨シーズン大リーグデビューした25歳のストーン投手で11勝ですが、前回の登板では同地区のライバルでプレーオフでも対戦する可能性があるダイヤモンドバックス相手に5回5失点と打ち込まれるなど不安定さも残していて、ほかの活躍が期待された若手ピッチャー陣も思うような成績が残せていません。
ドジャースは昨シーズン、地区シリーズで先発投手陣が崩れ、レギュラーシーズンで16ゲーム差をつけたダイヤモンドバックスに3連敗という屈辱的な敗退を喫しました。
ロバーツ監督は「正直地区シリーズに向けて十分なローテーションにはなっていない」と危機感を口にし、「山本が復帰すればよくなると思うし、それが今われわれが描いていることだ」と展望を語っています。
およそ3か月の離脱を経て、チームの切り札となることができるのか。
山本投手にかかる期待は大きくなっています。