25
日の
日中外相会談に
続いて、26
日は
日韓の
外相会談や3
か国の
外相会議が
行われます。
軍事偵察衛星を
打ち上げたとする
北朝鮮への
対応などをめぐって
意見を
交わすほか、
上川外務大臣は
日中韓の
首脳会議の
早期開催を
働きかけることにしています。
日本のねらいは?
韓国のプサン(釜山)を訪れている上川外務大臣は25日、中国の王毅外相と会談しました。そして、日本産水産物の輸入停止措置の撤廃などを求める一方「戦略的互恵関係」を推進し、外相の相互訪問を検討していくことなどで一致しました。
上川大臣は、26日午前には韓国のパク・チン(朴振)外相と会談し、慰安婦問題をめぐり韓国の高等裁判所が日本政府に賠償を命じた判決は受け入れられないとして、適切な措置を講じるよう求めることにしています。
そして、午後には日中韓3か国の外相会議が開かれます。対面で開かれるのは2019年8月以来4年ぶりです。
上川大臣は25日夜、記者団に対し「日中韓で協力する戦略的・大局的意義を踏まえ3人の間で積極的な議論をしたい」と述べました。
会議では、軍事偵察衛星を打ち上げたとする北朝鮮への対応などをめぐって意見を交わすほか、上川大臣は2019年を最後に開かれていない日中韓の首脳会議の早期開催を働きかけることにしています。
韓国のねらいは?
韓国政府は、今回の会議で「軍事偵察衛星」の打ち上げをめぐり、脅威の度合いが増している北朝鮮への対応などについて議論したいほか、議長国として調整を続けている2019年以来となる、日中韓3か国の首脳会議の開催に道筋をつけたい考えです。
韓国政府は、安全保障や経済、デジタル、それに気候変動などの分野での3か国の連携の強化を目指しています。
特に「軍事偵察衛星」の打ち上げを成功させたとしている、北朝鮮への対応について議論したいと考えているとみられます。韓国政府は、北朝鮮による打ち上げを受けて、2018年に北朝鮮と結んだ軍事合意の一部の効力を停止し、北朝鮮に対する監視・偵察活動を再開させました。
これに対して北朝鮮は、軍事合意で中止していたすべての軍事的措置を再開させると表明していて、今後の挑発への懸念が強まっています。
このため、韓国政府としては、個別の会談も通じ北朝鮮と友好関係を持つ中国に対し、朝鮮半島の平和と安定に建設的な役割を果たすべきだと働きかけるものとみられます。
一方、韓国政府は議長国として、2019年以来となる日中韓3か国の首脳会議の早期の開催に意欲を示していて、26日の外相会議を通じて道筋をつけたい考えです。
中国のねらいは?
日中韓外相会議の開催について、中国外務省の毛寧報道官は今月21日の記者会見で「3か国の協力は、3か国共通の利益に合致し、地域の安定と繁栄にも役立つ」と述べ、日中韓3か国の協力を強化したい姿勢を示しました。
中国としては、長引く不動産市場の低迷や厳しい雇用情勢などを受けて景気の先行きに不透明感が広がる中、東アジアの隣国で、貿易などでつながりの深い日韓両国との関係を重視し、投資の呼び込みにつなげるなど、経済分野の協力を進めたい考えです。
一方で、中国共産党系のメディア「環球時報」は、25日の社説で「東アジアでは、アメリカの関与が著しく増大し、3か国の関係には暗雲が漂っている。3か国の協力の発展継続にアメリカが干渉する資格はなく、基本的には日本と韓国の選択だ」と指摘しました。
中国としては、日韓両国がアメリカとの協力を深めていることに強い警戒感を示していて、3か国の連携を強化することで日韓両国とアメリカとの連携にくさびを打ち込みたい思惑もあるとみられます。