宝塚歌劇団に
所属する25
歳の
劇団員が
死亡した
問題で、
中止となっていた
兵庫県の
本拠地「
宝塚大劇場」での
公演が1
日から
再開されました。
一方、
歌劇団と
遺族側との
協議などは
続いていて、
今後、
組織風土の
改善などに
どのように
取り組むのかが
焦点となります。
宝塚歌劇団の宙組に所属していた25歳の劇団員は、ことし9月、兵庫県宝塚市で死亡しているのが見つかりました。
その後、歌劇団の本拠地である兵庫県の「宝塚大劇場」での公演は「複数の出演者が体調不良を訴えている」などとして中止となっていましたが、1日からおよそ2か月ぶりに再開されました。
会場には開演の2時間ほど前からファンが次々に集まり、ポスターの前で記念撮影などをしていました。
歌劇団では木場健之理事長の辞任に伴い、1日付けで阪急電鉄の取締役の村上浩爾氏(56)が新しい理事長に就任しています。
高校生のころから通っているという大阪市の70代の女性は「今回の問題の対応策を考えるのは時間がかかると思うし、遠くから訪れるファンのことを考えると公演の再開は妥当ではないかと思います」と話していました。
また、別の70代の女性は「完成度の高い公演のためとはいえ、歌劇団は劇団員にもっと休みをあげてもいいのではないかと思います」と話していました。
一方、遺族側は11月に公表された調査報告書の内容を受けて、「パワハラが否定されたままで合意解決することはありえない」として、歌劇団側に対し過重労働やパワハラを認めたうえで、謝罪と補償を行うよう改めて求めています。
歌劇団は現在、過密な稽古スケジュールや厳しい上下関係などの実態を把握するため、およそ400人の劇団員全員への聞き取りを進めていて、今後、遺族側への対応や組織風土の改善にどのように取り組むのかが焦点となります。
宝塚歌劇団 村上新理事長「誠実に取り組む」
1日付けで新しい理事長に就任した宝塚歌劇団の村上浩爾氏はNHKの取材に対し「このたびの宝塚歌劇団生徒の急逝につきまして、ご遺族の皆様に、心よりお詫び申し上げます。このような事態に至った経緯をしっかりと受け止め、ご遺族のお気持ちやお考えを真摯(しんし)にお伺いし、誠実に理事長としての職務に取り組んでまいる所存です」とするコメントを出しました。