ファッションの持つ刹那(せつな)的な性質は、ブロックチェーン(分散型台帳)技術とは相性が悪いようにみえるかもしれません。しかし、ファッション業界は、廃棄物を削減し、業界を未来へと推し進めるため、ブロックチェーンや他のデジタルツールを活用する方法を模索しています。
イタリアのラブラコ社はファッションブランドなどと提携し、急成長している「フィジタル」のファッション市場でコレクションのデジタル化を進めています。そこでは、消費者は物理的な衣服とデジタルの「双子」の衣服を購入します。デジタルの衣服は収集したり、メタバースなどの仮想空間でアバター(分身)に着せたりするようデザインされています。
ラブラコは2016年に、ロレンツォ・アルブリギさんと、エリアナ・クオさんが創業しました。高級ファッションブランドの経験がある2人は、業界の持続可能性の向上や、廃棄物を削減する方法で衣服をデザイン・制作する「サーキュラーファッション」の推進に目を向けていました。