アメリカでは、
黒人男性が
警察官に
押さえつけられて
死亡した
事件への
抗議デモが、
全米の
少なくとも40の
州の
合わせて140の
都市で
起き、
一部が
暴徒化するなど、
事態が
深刻化しています。ロサンゼルス
など25の
都市では
夜間外出禁止令が
出され、
現地メディアは、
人種差別の
撤廃を
訴えたキング
牧師が
暗殺された1968
年以来の
事態だと
伝えています。
アメリカでは、
中西部ミネソタ
州のミネアポリスで
先月25
日、
黒人男性が
白人の
警察官に
押さえつけられて
死亡した
事件への
抗議デモが
各地で
起き、
有力紙ニューヨーク・タイムズは、
これまでに
少なくとも40の
州の、
合わせて140の
都市に
拡大し、
一部は
暴徒化していると
伝えています。
このうち首都ワシントンの映像には、デモの参加者が警官に向かって火の付いたごみ箱を近づける様子や、警察が催涙ガスのような物を撃ち込む緊迫した様子が捉えられています。
ニューヨークなどでは、店が襲撃されたり、車が燃やされたりもしていて、ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、これまでに15の州と首都ワシントンに、およそ5000人の州兵が動員されています。
また、ロサンゼルスなど少なくとも25の都市で夜間外出禁止令が出され、ニューヨーク・タイムズは、これだけ多くの都市で夜間外出禁止令が出るのは、人種差別の撤廃を訴えたキング牧師が暗殺された1968年以来だと伝えています。
さらにワシントン・ポストは、インディアナ州やミシガン州で銃撃などがあり、少なくとも5人が死亡したと伝えています。
現地メディアからは、抗議デモが過激化した背景には、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気の悪化で、仕事を失うなど人々の不満の高まりがあるという指摘やデモによって再び感染が拡大するおそれがあるという指摘が出ています。
一方、トランプ大統領は、極左や無政府主義者がデモをあおっているとして、「メディアが憎しみを扇動している」とツイッターに投稿し、メディアや野党・民主党を引き合いに出して、政治的な動きだという主張を強めていて、事態が沈静化に向かう見通しは立っていません。