来年から
センター試験の
代わりに
始まる「
大学入学共通テスト」について、
文部科学省は
予定どおり
来年1
月16
日から2
日間の
日程で
実施する
方向で
調整していることが
関係者への
取材で
分かりました。11
日から
始まる大学や
高校の
関係者が
参加する
協議会で
議論され、
今月中に
最終的に
決定される
見通しです。
毎年50
万人以上が
受験した
大学入試センター試験は、
来年から
新たに
大学入学共通テストに
切り替わります。
この共通テストについて文部科学省はことし1月、来年1月16日と17日の2日間の日程で実施すると公表していましたが、その後、新型コロナウイルスの感染拡大で全国の高校が長期間休校したため、その日程などを懸念する声が相次いでいました。
こうした中、文部科学省は新しい共通テストを予定どおり来年1月16日から2日間の日程で実施する方向で調整していることが関係者への取材で分かりました。
11日から始まる大学や高校の関係者が参加する協議会で議論され、今月中に最終的に決定される見通しです。
また、新型コロナウイルスの感染が広がり学習が遅れた場合などには日程の延期なども検討されるということです。
共通テストをめぐっては当初導入予定だった英語の民間試験と国語と数学の記述式問題が、いずれも見送りとなっています。
共通テスト いきさつと現場の声
平成2年に始まり、毎年50万人以上が受験したセンター試験に代わり、来年スタートする大学入学共通テスト。出題方法は、当初、導入が検討された記述式は見送られて、マークシート方式のままですが思考力や判断力などを重視した出題となります。
日程は来年1月16日と17日に行われると公表されていましたが新型コロナウイルスの影響で全国の高校で長期にわたり休校が続いたことで予定どおりの日程で実施できるかをめぐり、さまざまな意見が相次ぐようになりました。
高校の現場からは休校によって学習の進捗状況に差がうまれることなどを懸念し、共通テストの実施の延期を求める声も出ています。
全国86の国立大学で作る国立大学協会の永田恭介会長は先月18日、記者団の取材に対して、「大学入試センターが行う試験は県をまたいで受験生が動かないため、個別試験よりも実施しやすい」などとして、適切な対策を講じたうえで検討してほしいと述べました。
一方、学生の8割を占める私立大学側からは日本私立大学連盟の会長を務める慶応義塾大学の長谷山彰学長が、「受験生の学習の遅れが生じているから不公平と考えて入試を1か月遅らせることで逆に受験生の中に別の格差を生んでしまう。共通テストだけをずらすと個別の大学の入試と重なることが考えられる」などと述べ、共通テストの延期に慎重な姿勢を見せていました。