アメリカのアマゾン・ドット・コムはAIを
使った
顔認証技術の
サービスの
警察への
提供を
停止すると
発表しました。
顔認証技術の
犯罪捜査への
活用をめぐっては、
人種間で
精度に
差があり
差別的な
対応につながる
可能性があるという
懸念が
示されていて、
人種差別への
抗議の
声の
高まりを
受けて
停止に
踏み切ったという
見方が
出ています。
アマゾン・ドット・コムは10日、声明を出し、自社で開発したAIを使った顔認証技術のサービスの警察への提供を1年間停止すると発表しました。
アマゾンは、声明で「政府に対しテクノロジーを倫理的に正しく使うためのより強い規制を求めてきたが、1年の猶予を設けることで議会で適切なルールが制定されることを期待する」としています。
顔認証技術をめぐっては、さまざまな検証の結果、白人に比べ黒人に対する識別の精度が低く、AIの基盤となるデータにも人種間の偏見が反映されるおそれがあるとして、研究者や人権団体から犯罪捜査に活用した場合、差別的な対応につながる可能性があるという懸念が示されていました。
アマゾンは、今回の決定の明確な理由を明らかにしていませんが、メディアでは黒人男性の死亡事件を受けてアメリカで人種差別への抗議の声と警察の対応への批判が高まっていることを受けて、停止に踏み切ったという見方が出ています。
顔認証技術については、IBMも8日、議会にあてた書簡で「提供側やユーザーにはAIの判断に偏りがないか検証し報告する共通の責任がある」として、一切のサービスの提供を停止すると表明したうえで、議会にルールの策定を求めています。
NECもシステム提供「人種差別につながるおそれない」
AIを使った顔認証技術は、NECもアメリカの捜査機関に対して、犯罪捜査で映像や画像を分析するシステムを提供しています。
NECによりますと、自社の顔認証技術は認証の精度に人種間の差はほとんどなく、人種差別につながるおそれはないということで、引き続きプライバシーと人権に配慮し、各国の制度にのっとってシステムを提供していくとしています。