急きゅうなひょうや雷雨らいう リアルタイムで観測かんそくするシステム 防災ぼうさい科か研けん

防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょによりますと、「ソラチェク」と名付なづけられた新あらたなシステムは、首都しゅと圏けんを中心ちゅうしんにした局地きょくち的てきなひょうや雷雨らいうなどの発生はっせい状況じょうきょうを、リアルタイムで把握はあくするもので、22日にち午後ごご2時じからウェブを通をつうじて公開こうかいを始はじめました。

このうち、ひょうの観測かんそくは高性能こうせいのうの気象きしょうレーダーの観測かんそくデータから、500メートル四方しほうで推定すいていする手法しゅほうを新あらたに開発かいはつしたとしています。

ひょうの観測かんそくについて、目視もくし以外いがいは難むずかしいとされていますが、リアルタイムで把握はあくできれば農作物のうさくもつなどが被害ひがいを受うけた場合ばあい、速すみやかに対策たいさくをとることが可能かのうになるとしています。

また、風向かざむきや風かぜの強つよさについても地上ちじょう10メートルの風かぜを1キロ四方しほうに区切くぎって、表示ひょうじすることが可能かのうで、花火はなび大会たいかいなどイベント開催かいさいの判断はんだんをする際さいにも活用かつようできるとしています。

防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ 水みず・土砂どしゃ防災ぼうさい研究けんきゅう部門ぶもんの岩波いわなみ越えつ総括そうかつ主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「急激きゅうげきな天候てんこうの変化へんかによる被害ひがいを防ふせぐとともに、通勤つうきんや通学つうがくなど日常にちじょう生活せいかつにも気軽きがるに活用かつようしてもらいたい」と話はなしています。

ひょうの農業のうぎょう被害ひがい

ひょうは、発達はったつした積乱雲せきらんうんの中なかでできる氷こおりの粒つぶで、上昇じょうしょうと下降かこうを繰り返くりかえしてまわりの水滴すいてきがついて大おおきくなり、一定いっていの重おもさになると、地上ちじょうに落おちてくる現象げんしょうです。

雲くもの中なかの氷こおりの粒つぶは、落おちてくる間まに雨あめに変かわりますが大おおきくなった粒つぶは、とけきらずに地上ちじょうに到達とうたつし、直径ちょっけい5ミリ以上いじょうだとひょう、5ミリ未満みまんだとあられと呼よばれます。

日ひざしが強つよく、上空じょうくうに寒気さむけの入はいりやすい5月つきから6月つきは、大気たいきの状態じょうたいが不安定ふあんていになることが多おおいため、ひょうが最もっとも多おおく目撃もくげきされる時期じきで、今月こんげつも関東かんとう地方ちほうで相次あいついで確認かくにんされています。

今月こんげつ6日にちには前橋まえばし市しで住宅じゅうたくの庭にわに、ひょうが降ふっているのを住民じゅうみんが目撃もくげきしました。

今月こんげつ16日にちには、栃木とちぎ県けん矢板やいた市しや茨城いばらき県けん那珂なか市しで確認かくにんされ、茨城いばらき県けんでは、1100万まん円えん余あまりの農業のうぎょう被害ひがいが出でました。

静岡しずおか県けんによりますと、去年きょねん11月つき11日にちに降ふったひょうの影響えいきょうで、静岡しずおか県けんの農業のうぎょう被害ひがい額がくは、みかんを中心ちゅうしんに17億おく円えんあまりに上のぼっています。

ひょうをリアルタイムで観測かんそくできれば、生産せいさん者しゃが傷きずついた農作物のうさくもつの病気びょうきを防ふせぐための対策たいさくを、速すみやかにをとることが可能かのうになるいうことです。

ひょうの観測かんそく可能かのうに

これまで、ひょうが降ふったかどうかを確認かくにんするには、目撃もくげき者しゃの情報じょうほうに頼たよらざるをえない状況じょうきょうでした。

ひょうは局地きょくち的てきに降おり、地表ちひょうですぐにとけることから、雨あめや風かぜのように観測かんそくシステムが整備せいびされていませんでした。

防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょでは、ＸえっくすバンドＭＰレーダと呼よばれる関東かんとうにある7基きの高こう性能せいのうの気象きしょうレーダーを活用かつようして、雨量うりょうを解析かいせきするパターンを応用おうようして、ひょうを推定すいていするシステムを独自どくじに開発かいはつしたということです。

また、ひょうが降ふったとみられる地域ちいきの分布ぶんぷについて、過去かこ3日にちまでさかのぼって確認かくにんできるとしています。